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「中華そば 得のせ ¥950」@morrisの写真平日 晴天 11:10 待ちなし 後客4名

〝さえない中年オヤジの嘆き節〟

RDBの新店情報を信じて、意気揚々と乗り込んできた大山駅だった。地図を片手に辿り着いてみると、まさかの工事中と思わぬハプニングに襲われた。お店情報では確かにオープンとなっていたが、看板こそ掛かっていたが店内は改装中だった。

途方に暮れながら駅へと引き返そうと思ったが、この「遊座 大山」という商店街に見覚えがあった。実は前回の新店めぐりで訪れた「ラーメン モモジロウショウテン」がある商店街だった。前回は反対側の板橋区役所方面からのアプローチだったので、気付きづらかったが独特なネーミングの商店街だったので思い出した。たしか、そのラーメン店は月に数日の限定営業だったので、それ以外の日は通常メニューが食べられるはずだ。そう思うと自然と足が向かっていた。

降り立った大山駅とは反対方向の先に、わずかな希望の光を求めて進んで行った。するとオープン前ではあったが、前回とは違う木製看板の書かられた店先が見えた。店先のメニュー写真を見ても前回とはスープが異なるようで、奇跡のリカバリーショットを期待してオープンを待った。

私が開店前に並んでいるのに気が付いてくれたのか、定刻よりも少し早くオープンしてもらったようだ。ありがたく先頭にて店内に入り、セオリー通りに券売機の左上部のボタンを押してカウンターの奥に陣取り店内観察を始める。

とてもエアコンの効いたカウンター越しに店内を物色すると、前回同様にピカピカに磨き上げられた厨房がとても印象的だ。ガラス越しに見える奥の製麺室には複数の粉袋が見られ、室温計で室内の温度管理をされている。そこで打たれた麺が入った木製の麺箱には、鰹節屋の手ぬぐいが掛けられ麺の乾きを調節されている。そんな店内を本日は、玩具メーカーの「トミカ」のようなロゴ入りユニホームに身を包んだ二人体制回している。そんな二人の安定感のあるオペレーションを眺めながら待っていると、着席して5分で我が杯が到着した。

その姿は白磁の受け皿に乗せられた雷紋柄の屋号入りオリジナル多用丼の中で〝得のせ〟ならではの盛りだくさんな表情を見せている。一切の奇をてらったような素振りを見せず、優しい微笑みを投げかけてくるようだ。以前に食べた期間限定の「モモジロウショウテン」とは似て非なる景色を見せてくれる。前回は満足して店を後にした記憶があるので、今回も大きく期待を膨らませてレンゲを手にした。

まずは半濁した柿茶色のスープをひとくち。見た目には濃厚とは言えないが、かなりの濃度を感じるスープだ。表層に浮かぶ油膜が薄いので、かなり乳化されていると思われ液面にレンゲを押し込んでみる。すると見た目よりもスーッとレンゲの中に注がれてきたスープからは、強い濃度を感じられらなかった。いざスープを口に含むと、動物系スープならではのコラーゲンが唇に張り付くような粘着質がある。そのベースの後ろ盾をしているのが魚介出汁の旨みで、見事な豚骨魚介の組み合わせである。最良のバランスで炊かれて出汁に合わせるカエシの塩気も良く、出しゃばり過ぎない醤油感が全体を引き締めている。豚骨由来独特の臭みを一切感じさせずに、クセだけを排除して個性を引き出している。派手さはないが安心して先へ進めるスープに仕上げてある。

麺上げまではジャスト160秒だったが、茹で湯が沸騰を始めたのは麺を投入してから70秒後だった。本来ならば茹で湯が沸騰してから麺を投入するのがセオリーだと思うので、一番客ゆえのイレギュラーを心配しながら麺を持ち上げてみた。やはり箸先からは強いハリとコシが伝わってくるが、芯が残っているような手応えではない。切刃のエッジが鋭く残る中細ストレート麺を一気にすすり上げると、見た目通りにスクエアな口当たりで飛び込んできた。強めのハリは感じるが決して茹で不足ではない、抜群のベスト麺ディションと思われる。滑らかさと強さを持ち合わせた口当たりの後は、奥歯で噛みつぶして歯応えを楽しんでみる。しっかりと奥歯を押し返すような弾力の後で、適度な咀嚼に応えて弾けるような麺質が素晴らしい。常々「餅は餅屋、麺は麺屋」を訴えてきた私だが、こちらの自家製麺は勝手な持論を覆すような麺質である。前回同様に、よくぞこの麺を合わせてくれたと心よりの賞賛を送りたくなるような自家製麺だ。この麺質ならば食べ急がなくてもダレるような心配がないので、安心して具材陣を味わってみるとする。

具材のチャーシューは豚バラの煮豚が〝得のせ〟ならではの三枚も盛り付けてある。箸では持ち上げられないくらいに柔らかく煮込まれているが、逆に豚肉本来の旨みと食感を損なっている。好みの赤身中心の部位だったが、肉々しい歯応えや旨みが煮汁に奪われてしまっていると感じた。

大量に添えられたメンマは発酵食品ならではの香りを残した仕上げをみせ、手仕込みならではのランダムな歯応えがアクセントになってくれる。やはり、この特有の香りと食感は乾燥メンマにしか表現できない個性だと感じた。

半カットされて盛り付けてある味玉は、見た目のグラデーションからも一朝一夕には作り出せない熟成感が伝わってくる。実際に口にしてみても、適度な浸透圧によって余分な水分が抜けた濃厚な味わいが魅力的だ。それでいて白身は柔らかさをキープした物理的に矛盾するような仕上がりとなっている。漬けダレや浸透度などの全てにおいてレベルの高い味玉は自称〝アジタマスキー〟を名乗る私の中でもトップランクに入る逸品である。

海苔は見た目の黒々しさからも高品質の焼き海苔を目利きされているのが分かり、保存状態にも細心の注意が払われている。よって香りや口溶けに不快な要素がなく、脇役としては豪華すぎる海苔となっている。

青みにも一仕事が見られる茹でホウレン草が添えてあり、切っただけのカイワレにはない〝青み愛〟を感じてしまう。逆に今回は薬味のネギが少量すぎて持ち味を発揮できていないように感じた。

中盤以降も箸のスピードは減速する事なく食べ進んだ。もう、箸の短さくらいしか文句が見つからない素晴らしい仕上がりだった。先程はRDBの誤情報に振り回されて〝どん底〟の気分を味わったが、気が付けば完食して〝丼底〟が見えていた一杯でした。

投稿 | コメント (4) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

どもです。そういえばこちらの味は貴殿にぴったりな味でしたね。
過去一度訪問したことがありますが、なんとも言えない温かな手作りの旨味を感じました。
珍しく得のせだったのですね!

虚無 Becky! | 2019年10月15日 09:24

ベキさんには好みを見透かされてますね。あれくらいのモッチリとした麺が好きなんですよね。地元の方には大人気のようですが、さほどの行列もないので近場にあれば通いたくなる店でした。

のらのら | 2019年10月15日 12:57

中々の高得点!
昔、BMしていましたが知らない間に消してました^^;
再度BMしたのでタイミングを伺って…突撃してみたいです!

ぴろリポ | 2019年10月15日 20:16

ぴろさん、こんにちは。たしかに味が良いのに騒がれない店ですね。私が訪ねた時も行列もなかったのですが、地元のファンにとってはいつでも食べられる気軽さが良いのかも知れませんね。ぜひ機会があれば行って欲しい名店です。

のらのら | 2019年10月16日 10:12