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平日 晴天 10:55 先待ち3名 後客3名〝初訪問〟〝無化調〟〝清湯醤油系〟店探しに迷った時の私の定石である検索スタイルでRDBを見ていると、見慣れない店名のコチラを見つけた。お店情報を見ると今月オープンしたばかりの新店なので見慣れないのは当然だった。無化調を謳われているのは嬉しいのだが、自家製麺とのアナウンスもあった。正直言うと自家製麺の好みが私の中では大きく別れる。中太麺や中細麺でもグルテンの詰まったモッチリタイプは好きなのだが、神奈川淡麗系のようなスベリが良すぎて噛み切りづらいタイプの麺は苦手なのだ。こちらの自家製麺はどちらのタイプなのか分からないまま、自宅からは少し遠いが初訪問を決意した。まだ開店特需もあるだろうと思い、11時開店前の現着を狙って午前10時前には家を出た。山手線を高田馬場で西武新宿線に乗り換えれば最寄りの田無駅まで50分くらいの予定だ。運良く急行に乗り換えられたので予定より少し早く10時半過ぎに田無駅に着いた。北口を出てバスロータリーを抜けて進むと大通りの脇に古くからの商店や飲食店が並んだ路地に開店祝いの胡蝶蘭を見つけた。店先に行くと半シャッターの前には誰もいないので、人生初の田無駅周辺を散策してみる。そばには小学校がありグランドではしゃぐ子供たちの声が聞こえてくる。昔ながらの小料理屋や居酒屋のある風情がとても良い。駅前の大手居酒屋チェーン店と違って、この街に溶け込んでいる。夜の街を想像しながら20分ほど歩いて店先に戻ると、三人の並びができていた。気が付けば開店1分前になったいて慌てて四番手で続いた。すぐに半シャッターが上がりオープン。入店するとマミヤOP社の小型券売機でお目当ての醤油系に味玉を追加発券しカウンターに座る。特に座席指定もなく各々が好きな席に腰を下ろしている。L字カウンターから店内を見渡すと茶色を基調とした小洒落た店内を、ご夫婦であろうお二人で切り盛りしている。おおよその調理はご主人一人で担っているが、調理場内の導線の悪さとオペレーション不足が見てとれた。L字カウンターの内側に設けられた縦長の調理場は、左から麺茹で機、ガス台、盛り場の順番で配置されているが、麺茹で機と盛り場の間にスープ用のガス台があるので距離があり効率が悪そうに見えた。換気ダクトのせいで仕方ないレイアウトなのだろうが、行ったり来たりが大変そうだ。まだ開店直後でオペレーションも定まっていない中でのワンロット4杯は無理があるようにも思えた。4杯分の麺上げは同時にこなしてスープを張った丼に麺を移していくのだが、最初に提供されたものと4杯目の提供のタイムラグは2分近くあった。運悪く4杯目での提供となった麺のコンディションを心配してしまった。そんな心配をよそに着席して13分かけて我が杯が到着した。その姿は粉引きの多用丼の中で、想像していた清湯醤油系とは少し違う表情を見せる。スープ自体は澄んでいるが液面には無数の脂片が浮かんでいた。あっさり系を望んでいたので第一印象としてはイメージが違っていた。まずは豚背脂の浮かんだ赤銅色のスープをひとくち。鶏ガラや豚ゲンコツ主体の出汁に魚介系出汁を重ねたオーソドックスなスープ。そこに背脂でコクを持たせた背脂醤油系。少しスープに溶けはじめた背脂と共に口に含むと、思いのほか穏やかな味わい。全てのバランスが良く特筆すべき点が無いので書き手泣かせなスープだ。何かを見つけようとふた口目を飲んでみるが見当たらない。ベースの清湯醤油スープの旨みに背脂の甘みとコク、カエシの醤油ダレが持つ微かな酸味が緩やかなスパイラルとなって、鼻腔や舌を介して脳へと昇りつめていく。背脂のコクがなければ寂しかったかもと、初見では印象の良くなかった背脂の存在意義を感じた。私の中では好き嫌いの分かれる自家製麺は、こちらでは中太ちぢれ麺を打たれていて好きなタイプの麺で安心した。オペレーションの際に心配された麺ディションを確認する為にスープの中から箸で拾い上げると、箸先からはズッシリと重たい麺質が伝わってくる。時間経過で伸びていないかと思っていたが、ハリやコシを十分に感じるので全く問題はなさそうで余計な心配をしてたようだ。その麺は過剰な手揉みではないので麺の波打ちは緩やかで、思いきり啜ってもスープの飛び散りも心配なさそうだ。麺肌に溶け出したグルテンの透明感と背脂の油膜でダブルコーティングされた麺を一気に啜ると、ダブルコーティングの相乗効果を生んで口の中に飛び込んでくる。唇先から舌の上、上あごや頬の内側を跳ね回って喉の奥へと消えて行った。それはまるでスクリューコースターのようだ。そんな暴れ麺を噛み切ると、みっちりとしたグルテンの奥歯を跳ね返すような歯切れが心地よい。途端にあふれる内麦ならではの香りも高く甘さも引き出している。具材は部位違いの豚チャーシューが一枚づつ。先に豚ロースから食べてみると醤油感を抑えた煮豚型でステーキ用フライパンで焼き目がつけてある。しっかりとした赤身の肉質を楽しむタイプだが、旨みはあまり残っていなかった。薄味なのでパサついた繊維質を噛んでいるような印象で味気なく思った。一方の豚バラも同じ製法で仕込まれているが、脂身の少ないバラ肉なのは好みだったが、やはり薄味すぎて寂しい。醤油感や塩気が欲しいのではなく、豚肉の旨みを引き出すような香辛料が効いていれば物足りなさは感じなかったかも。追加の味玉は写真からも分かるように、下茹で段階で黄身が中心から寄ってしまい、黄身の茹で加減がブレている。せっかくの美しい半熟の一部が固茹でになっていた。食感や熟成の違いを狙ったとしたらかなり高度なテクニックだが、そうではなく思える。味付けも浸けダレの醤油が香り、溶けた背脂を散りばめた黄身の甘みも引き出されていたので常にかき混ぜながら卵の向きを変えるような丁寧な下茹でを期待してしまった。メンマは板メンマで仕込まれている。味の面では大人しく控えめな存在だが、食感では本領を発揮してシャキシャキしながらも繊維質を残さない見事な仕上がり。ちぢれ麺との相性も良くアクセントとしての役目を果たしている。薬味の白ねぎの小口切りからは丁寧な仕事が見られる。潤った切り口からは鮮度の良さが出ている。細やかな切り口が発するネギの香りも良く舌触りも繊細でスープや麺の邪魔をしない。青みの豆苗は、茹でたほうれん草や小松菜には敵わないが手間を考えればカイワレや豆苗の方が楽だろう。ただ色みとしての存在よりは手間がかかっても青菜を茹でてもらいたいと欲が出てしまった。しかしカイワレよりは豆苗の香りの方がラーメンとの相性は良いとも感じた。また黒々とした十字8切の海苔は目の詰まった色の濃さが質の高さを物語っている。厚手ながらも口に入るとスッと溶けてなくなる食感と、余韻として残る磯の香りが良質の証。この海苔は追加しても損はないと確信した。中盤からも穏やかで優しいスープの中で強靭なボディの麺質は変わることなくコシが強い。モチモチした食感が食べ飽きることなく箸を動きを進めていった。スープも最後まで過度な塩分や旨味を感じることなく飲み干していた。スープと麺は大満足だったが、具材の好みがストライクゾーンが極端に狭い私には違っていたのが少々悔いが残った。だが流行りのスタイルやインパクトはないが子供たちにも安心して勧められるラーメンだと思う。しかしファストフードやジャンクなスナック菓子に飼い慣らされた子供たちの舌には受け入れられない優しさなのだろうかと未来を憂いた一杯でした。
〝初訪問〟〝無化調〟〝清湯醤油系〟
店探しに迷った時の私の定石である検索スタイルでRDBを見ていると、見慣れない店名のコチラを見つけた。お店情報を見ると今月オープンしたばかりの新店なので見慣れないのは当然だった。無化調を謳われているのは嬉しいのだが、自家製麺とのアナウンスもあった。正直言うと自家製麺の好みが私の中では大きく別れる。中太麺や中細麺でもグルテンの詰まったモッチリタイプは好きなのだが、神奈川淡麗系のようなスベリが良すぎて噛み切りづらいタイプの麺は苦手なのだ。こちらの自家製麺はどちらのタイプなのか分からないまま、自宅からは少し遠いが初訪問を決意した。
まだ開店特需もあるだろうと思い、11時開店前の現着を狙って午前10時前には家を出た。山手線を高田馬場で西武新宿線に乗り換えれば最寄りの田無駅まで50分くらいの予定だ。運良く急行に乗り換えられたので予定より少し早く10時半過ぎに田無駅に着いた。北口を出てバスロータリーを抜けて進むと大通りの脇に古くからの商店や飲食店が並んだ路地に開店祝いの胡蝶蘭を見つけた。店先に行くと半シャッターの前には誰もいないので、人生初の田無駅周辺を散策してみる。
そばには小学校がありグランドではしゃぐ子供たちの声が聞こえてくる。昔ながらの小料理屋や居酒屋のある風情がとても良い。駅前の大手居酒屋チェーン店と違って、この街に溶け込んでいる。夜の街を想像しながら20分ほど歩いて店先に戻ると、三人の並びができていた。気が付けば開店1分前になったいて慌てて四番手で続いた。
すぐに半シャッターが上がりオープン。入店するとマミヤOP社の小型券売機でお目当ての醤油系に味玉を追加発券しカウンターに座る。特に座席指定もなく各々が好きな席に腰を下ろしている。L字カウンターから店内を見渡すと茶色を基調とした小洒落た店内を、ご夫婦であろうお二人で切り盛りしている。おおよその調理はご主人一人で担っているが、調理場内の導線の悪さとオペレーション不足が見てとれた。
L字カウンターの内側に設けられた縦長の調理場は、左から麺茹で機、ガス台、盛り場の順番で配置されているが、麺茹で機と盛り場の間にスープ用のガス台があるので距離があり効率が悪そうに見えた。換気ダクトのせいで仕方ないレイアウトなのだろうが、行ったり来たりが大変そうだ。まだ開店直後でオペレーションも定まっていない中でのワンロット4杯は無理があるようにも思えた。4杯分の麺上げは同時にこなしてスープを張った丼に麺を移していくのだが、最初に提供されたものと4杯目の提供のタイムラグは2分近くあった。運悪く4杯目での提供となった麺のコンディションを心配してしまった。そんな心配をよそに着席して13分かけて我が杯が到着した。
その姿は粉引きの多用丼の中で、想像していた清湯醤油系とは少し違う表情を見せる。スープ自体は澄んでいるが液面には無数の脂片が浮かんでいた。あっさり系を望んでいたので第一印象としてはイメージが違っていた。
まずは豚背脂の浮かんだ赤銅色のスープをひとくち。鶏ガラや豚ゲンコツ主体の出汁に魚介系出汁を重ねたオーソドックスなスープ。そこに背脂でコクを持たせた背脂醤油系。少しスープに溶けはじめた背脂と共に口に含むと、思いのほか穏やかな味わい。全てのバランスが良く特筆すべき点が無いので書き手泣かせなスープだ。何かを見つけようとふた口目を飲んでみるが見当たらない。ベースの清湯醤油スープの旨みに背脂の甘みとコク、カエシの醤油ダレが持つ微かな酸味が緩やかなスパイラルとなって、鼻腔や舌を介して脳へと昇りつめていく。背脂のコクがなければ寂しかったかもと、初見では印象の良くなかった背脂の存在意義を感じた。
私の中では好き嫌いの分かれる自家製麺は、こちらでは中太ちぢれ麺を打たれていて好きなタイプの麺で安心した。オペレーションの際に心配された麺ディションを確認する為にスープの中から箸で拾い上げると、箸先からはズッシリと重たい麺質が伝わってくる。時間経過で伸びていないかと思っていたが、ハリやコシを十分に感じるので全く問題はなさそうで余計な心配をしてたようだ。その麺は過剰な手揉みではないので麺の波打ちは緩やかで、思いきり啜ってもスープの飛び散りも心配なさそうだ。麺肌に溶け出したグルテンの透明感と背脂の油膜でダブルコーティングされた麺を一気に啜ると、ダブルコーティングの相乗効果を生んで口の中に飛び込んでくる。唇先から舌の上、上あごや頬の内側を跳ね回って喉の奥へと消えて行った。それはまるでスクリューコースターのようだ。そんな暴れ麺を噛み切ると、みっちりとしたグルテンの奥歯を跳ね返すような歯切れが心地よい。途端にあふれる内麦ならではの香りも高く甘さも引き出している。
具材は部位違いの豚チャーシューが一枚づつ。先に豚ロースから食べてみると醤油感を抑えた煮豚型でステーキ用フライパンで焼き目がつけてある。しっかりとした赤身の肉質を楽しむタイプだが、旨みはあまり残っていなかった。薄味なのでパサついた繊維質を噛んでいるような印象で味気なく思った。一方の豚バラも同じ製法で仕込まれているが、脂身の少ないバラ肉なのは好みだったが、やはり薄味すぎて寂しい。醤油感や塩気が欲しいのではなく、豚肉の旨みを引き出すような香辛料が効いていれば物足りなさは感じなかったかも。
追加の味玉は写真からも分かるように、下茹で段階で黄身が中心から寄ってしまい、黄身の茹で加減がブレている。せっかくの美しい半熟の一部が固茹でになっていた。食感や熟成の違いを狙ったとしたらかなり高度なテクニックだが、そうではなく思える。味付けも浸けダレの醤油が香り、溶けた背脂を散りばめた黄身の甘みも引き出されていたので常にかき混ぜながら卵の向きを変えるような丁寧な下茹でを期待してしまった。
メンマは板メンマで仕込まれている。味の面では大人しく控えめな存在だが、食感では本領を発揮してシャキシャキしながらも繊維質を残さない見事な仕上がり。ちぢれ麺との相性も良くアクセントとしての役目を果たしている。
薬味の白ねぎの小口切りからは丁寧な仕事が見られる。潤った切り口からは鮮度の良さが出ている。細やかな切り口が発するネギの香りも良く舌触りも繊細でスープや麺の邪魔をしない。青みの豆苗は、茹でたほうれん草や小松菜には敵わないが手間を考えればカイワレや豆苗の方が楽だろう。ただ色みとしての存在よりは手間がかかっても青菜を茹でてもらいたいと欲が出てしまった。しかしカイワレよりは豆苗の香りの方がラーメンとの相性は良いとも感じた。
また黒々とした十字8切の海苔は目の詰まった色の濃さが質の高さを物語っている。厚手ながらも口に入るとスッと溶けてなくなる食感と、余韻として残る磯の香りが良質の証。この海苔は追加しても損はないと確信した。
中盤からも穏やかで優しいスープの中で強靭なボディの麺質は変わることなくコシが強い。モチモチした食感が食べ飽きることなく箸を動きを進めていった。スープも最後まで過度な塩分や旨味を感じることなく飲み干していた。
スープと麺は大満足だったが、具材の好みがストライクゾーンが極端に狭い私には違っていたのが少々悔いが残った。だが流行りのスタイルやインパクトはないが子供たちにも安心して勧められるラーメンだと思う。しかしファストフードやジャンクなスナック菓子に飼い慣らされた子供たちの舌には受け入れられない優しさなのだろうかと未来を憂いた一杯でした。