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「特製ラーメン 醤油 並 ¥1080」@自家製手もみ麺 鈴ノ木の写真平日 晴天 11:05 先待ち1名 後待ち12名

本日も引き続き平成最後の歳末総決算として

〝今年の店は今年のうちに〟

と銘打って今年オープンの店限定で未訪問店を年内に力の限り廻ってみる事にした。そこで本日は10月23日オープンのこちらを目指す。本数は少ないが自宅から乗り換えなしで最寄りの狭山ヶ丘駅まで直結している。ひと昔前なら考えられないような相互乗り入れの恩恵である。

11時半開店の前に現着を狙って10時前に家を出た。西武池袋線直通の副都心線に乗り込み現地に向かう。乗換は無いが一時間以上の道中は予習するには十分すぎる時間だ。RDB片手に下調べすると有名店での経験豊富なご主人のようで想像が膨らむ。各店で培った具材も多彩なようで悩みがいがある。自家製麺ならばワンタンの皮も必食なので外せないトッピングだ。もちろん好物の味玉も然りだ。あれこれ迷うようならば特製にすれば良いと自身に言い聞かせながら車内を満喫した。

予定通りに11時すぎに狭山ヶ丘駅に着いた。人生初上陸だが、昨日も近くの新所沢に来たなと思い出し計画性の無さを露呈した。駅から歩くこと数分でスタイリッシュな看板が見えてきた。目の前のコンビニをショートカットすれば更に時短になるかも。

開店30分近くも前なのにすでに待ち人が。並びの向きが分からないがとりあえず二番手をキープした。駅近の立地なので店の前の小さな道だが人通りは多く突然発生した行列を不思議そうに見ながら地元の方が通り過ぎる。晒されている感と冬空の寒さと戦いながらじっと耐える。店内から聞こえる麺を打つ音だけが私を励ましてくれているようだ。

定刻になる頃には行列も10名以上に増えロールカーテンが上がりオープンとなった。真っ先に目に飛び込んできたのはピカピカの高級製麺機その名も「リッチメン」だ。優に百万円を超えるとも云われる名機を前に期待が高まる。券売機の前で数量限定メニューも気になるが初訪問なので決めておいたお題を発券しカウンターに陣取り店内観察を開始する。

真っ直ぐな一文字のカウンターの店内は若夫婦のセンスが溢れるオシャレな雰囲気。しかし気取ってない感じが地元の人にますます愛されると想像できる。新店なのでキレイなのは当然かも知れないが掃除の行き届いた店内は大変心地よいのは奥様のおかげだろうか。ギャップ萌えとしてご主人の小麦粉にまみれたTシャツからは麺打ちに向き合う姿勢が表れていて頼もしさを感じる。お二人の連携プレーを見ているうちに我が杯が到着した。

開店満席ながらワンロット2杯のオペレーションは時間はかかるが食べ手にとっては有難い丁寧さだ。目の前に現れた白磁の高台丼の中の姿からも丹念な仕事ぶりが垣間見られる。

まずはスープをひとくち。第一の特徴は何と言っても香り高い醤油ダレの表現力だ。香りはもちろんとして熟成を重ねた旨味と酸味でスープを牽引する。それに伴う強めの塩気も感じるが麺との相性を考えての事だろう。動物系の出汁が基礎となる土台を作っているのでカエシが浮わついたりせずに一体感のあるスープに思える。表立ってはないが奥行きを感じるのは魚介の旨みが潜んでいるからだろうか。日本酒ならば香りと旨みを兼ね揃えた純米吟醸酒といったとこだろう。

注文を受けてから手揉みする自家製麺は麺上げまで180秒を超える忍耐力を持った中太平打ち麺だ。腰の入れて手揉みされた麺を箸で持ち上げてみると不規則にひねられた麺肌が店内の光を乱反射して万華鏡のように幾千にも表情を変える。この所沢の地にもラーメン界の〝ひねり王子〟こと白井健三のような手打ち麺が現れたのだ。この麺は見た目の美しさだけではなく安定感のある食べ応えも特徴だ。奥歯の圧力を何度も跳ね返すコシの強さは食べ手を飽きさせない。小麦の香りはスープの香りに押されて姿を消しているが甘みは十分に感じられる。噛み切ると言うよりは噛み潰すと表現する方が合っているかと思う。

具材は特製ならではのラインナップで焼豚だけでも三種類と充実している。先に淡白と思われる鶏ムネ肉のレアチャーシューだが肉厚ならではの食感だが肉の繊維はしっかりと別れる絶妙な火入れ具合。低温調理と言えど生肉であってはならない手本のような熱処理でマリネ液もきちんと浸透して風味付けの白胡椒も効いている。料理として不完全なレアチャーシューが多い中で一品料理としても完成度の高い逸品に出会えた。次に豚モモの釜焼き焼豚と思われるが低温焼豚のような食感もあり赤身の良いとこを最大限に引き出している。強めの下味が肉質の良さを活かしてあるので旨い肉を食べている感じになる。最後の豚肩ロース焼豚はじっくりと煮込まれた煮豚型で始めはバラ肉かと思ったが脂身の少ない肩ロースだった。豚バラのようなとろける食感ではないが赤身の繊維が解ける食感はクセになりそう。三者三様の焼豚はどれも見事で経験値の高さが出ていた。

ワンタンも好みに寄った仕上がりで追加の価値ある逸品だ。日式雲呑のように肉餡を味わうのではなく皮を楽しむタイプのワンタンだ。小ぶりな豚肉の餡はしっかりと練り込まれ適度に香辛料も効かせてある。それを包み込む少し厚めの皮だがシルクのような舌触りとモッチリとした歯応えがダブルミーニング的なワンタンだ。

味玉の下茹ではジャストで熟成向きな要素があるが敢えての浅漬けでの提供。ネットリとした黄身が好みの古漬け派なので、あと一日ほど漬け込んだ味玉を食べてみたいと思ってしまった。

細板メンマのコリっとした食感は平打ち麺との相性は言うまでもなく相思相愛の関係だ。また下処理で抜き過ぎてない発酵臭もメンマらしさを発揮する。その香りを補う程度の味付けにもセンスが光る。このメンマとの共演で麺を口に運ぶスピードが加速した。

薬味は水々しい切り口の青ねぎが丁寧に盛り付けられている。適度な清涼感のあるネギの香りがアクセントとなっている。海苔は特筆するとこはないが及第点といったところ。

中盤から後半にかけても麺のアクションを満喫しながら完食した。最初に麺の並盛りと大盛りを選べたのだがスープとのバランスを考慮して並にしたが大盛りでも平らげられそうな勢いだった。最後にスープに戻ったが温度低下で塩分のパンチ力が随分と増していた。自然な旨みの影に隠れていた塩気と共に舌を刺す刺激も感じてきた。これが塩気によるものなのか、非天然由来の旨味成分なのか明言は出来ないが明らかな違和感が残りレンゲを置いた。

その違和感が採点を低くしてしまったが、それが無ければ高得点を付けざるを得ないラーメンだっただけに少し残念な一杯でした。


全くの余談ですが、外待ちされる方は退屈になったら道路を挟んだ斜め向かいにあるお菓子屋さんの看板を見てください。偶然にも電信柱で隠れた看板に子供心を持つ男子なら必ずニヤッとするフレーズが隠れていますよ。

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