レビューやランキングで探す、日本全国ラーメン情報
平日 薄曇り 11:10 先客2名 後客3名いまにも泣き出しそうな空を見上げて〝近くに行きたい〟とRDBを片手にザッピングを開始する。渋谷区を中心に、外待ちになっても雨に濡れる心配のない店を捜索してみる。この条件を満たすとなれば路面店や一軒家は該当しづらくテナントビルが有力視されてくる。渋谷駅前と恵比寿駅前には該当する店が見つけられず目黒区まで範囲を拡大してみると目黒駅前のこちらがヒットした。目黒駅徒歩1分で地下2階と雨の影響を受ける事は心配なさそうでレビュー数も少なく観光地化されても無さそうだ。さらに条件を満たした上に〝初訪問〟〝無化調〟と期待の高まるワードを胸に山手線で目黒駅に向かった。改札を出て交差点の信号を渡るとすぐの飲食ビルの地下にこちらがあった。この怪しげな雰囲気が嫌いでない私は上がるテンションを押し殺すのに必死だった。開店時間を少し過ぎての現着だったが行列はなく店頭の券売機でゆっくりと品定めをする。勝手なイメージで醤油系だと思い込んでいたが塩ラーメンの店のようで香味油もチョイス出来るといった初心者には戸惑うばかりの券売機だ。予習不足を露呈する事になったが、迷った時は忠実に基本の基本で屋号を冠に有する壱富士ラーメンを選択。冒険心で塩味玉だけを追加した。明るい店内に入るとカウンターに案内され食券を手渡す。丁寧な香味油の説明を受けるがオススメという事で五種類ある内の背脂煮干でお願いした。得意ジャンルではない背脂と煮干の二大ワードを躊躇なく選べた事には自身のわずかばかりの成長を自負した。ここまでの困難をクリアし気持ちを落ち着かせて店内を見渡す。L字カウンターだけの店内を二人体制で仕切っている。お互いの声掛けや連携も素晴らしいので心地良く待ち時間を過ごせた。ここはまるでダークな地下街に現れたオアシスのように初心者の私を受け入れてくれた。そんな安らかな気持ちに包まれていると着席して6分ほどで我が杯が到着した。その姿は胴の長いシャープな白磁の切立丼の中でキラキラとスタイリッシュに輝いている。この時点でも塩ラーメンとは思えない出で立ちに見える。まずは煮干しの銀皮と煮干油がキラキラと輝く黄唐茶色のスープをひとくち。香味油の背脂が最初の印象にあるが煮干しの風味は強烈ではなく初動では豚清湯スープかと思ってしまうほどラード色が前面に出ている。しかし後味に残るのは豚由来ではなく、鶏ベースの動物系出汁の旨みだ。という事は鶏清湯スープに加える香味油の違いによって風味が変えられるのならば他の香味油も試してみたいとひとくち目で思った。塩ダレも一切の角を削ぎ落としたカエシが輪郭を作るので尖った塩気は全くない。逆に塩だけでは出せない熟成感もあるので白醤油主体の塩ダレなのだろう。非天然由来の旨味も無くインパクトやパンチ力の無さが、このスープの性格の良さを表している。茹で時間60秒ジャストで麺上げされた中細ストレート麺は少しだけ透明感のある麺肌が特徴的だ。箸で持ち上げると、やや硬めの仕上げで提供されて口当たりよりはパツッとした歯応えを印象づける。スープ自体との絡みは良くないが香味油が一体感を生む役目も果たしてくれている。すするたびに伴う風味と小麦の持つ香りが重なり箸が進んでしまうが麺の変化を楽しむために一旦具材にシフトする。スタイリッシュに見えるポイントでもある豚肩ロース焼豚は一般的な低温調理ではなく通常の煮豚型と思われるが赤身の美しいロゼ色を残している。かなりの厚切りで添えられているが肉質の良さで臭みもなく上品でエレガントな焼豚だ。若干うす味なので物足りなさはあるがスープに浸すことや薬味のネギと一緒に食べることで改善された。追加した塩味玉は文字通りの塩味。こちらも醤油の円熟味が欲しいとこだが塩味玉を名乗っているのでは仕方ない。しかし黄身までゆっくりと浸透した塩気が熟成度を高めネットリとした食感が楽しめた。材木メンマはフルーティな味付けと硬いながらも繊維のほどけが良い食感がアクセント役を果たしている。好み的にはもう少し発酵臭が残っていると個性的になるような気がした。薬味は白ねぎと青ネギが共演していたが、先ほどの焼豚の食感を補う際に総動員してしまった。その時は大変お世話になったと労をねぎらいたい素晴らしい薬味だった。好調のままに麺と具材を完食し自然豊かな旨みのスープを飲み干そうとしたが魚介の出汁ガラがスープに浮いてきた。これが個性なのだろうが煮干粉や鰹の厚削りの欠片は必要なく思えたのでレンゲを置いた。店を出て怪しげな地下の飲食街を抜けて地上に出ると更に曇り空は重たさを増していた。最後に舌の上に残ったザラつきは不要だったが気持ち良く満腹感を得ることが出来た。空の色とは反対に晴れやかで明るい気持ちで終われるラーメンに出会えた。他の香味油にも興味がそそられたので天気の悪い日の再訪候補にしたい一杯でした。
いまにも泣き出しそうな空を見上げて
〝近くに行きたい〟
とRDBを片手にザッピングを開始する。渋谷区を中心に、外待ちになっても雨に濡れる心配のない店を捜索してみる。この条件を満たすとなれば路面店や一軒家は該当しづらくテナントビルが有力視されてくる。
渋谷駅前と恵比寿駅前には該当する店が見つけられず目黒区まで範囲を拡大してみると目黒駅前のこちらがヒットした。目黒駅徒歩1分で地下2階と雨の影響を受ける事は心配なさそうでレビュー数も少なく観光地化されても無さそうだ。さらに条件を満たした上に〝初訪問〟〝無化調〟と期待の高まるワードを胸に山手線で目黒駅に向かった。
改札を出て交差点の信号を渡るとすぐの飲食ビルの地下にこちらがあった。この怪しげな雰囲気が嫌いでない私は上がるテンションを押し殺すのに必死だった。開店時間を少し過ぎての現着だったが行列はなく店頭の券売機でゆっくりと品定めをする。勝手なイメージで醤油系だと思い込んでいたが塩ラーメンの店のようで香味油もチョイス出来るといった初心者には戸惑うばかりの券売機だ。予習不足を露呈する事になったが、迷った時は忠実に基本の基本で屋号を冠に有する壱富士ラーメンを選択。冒険心で塩味玉だけを追加した。
明るい店内に入るとカウンターに案内され食券を手渡す。丁寧な香味油の説明を受けるがオススメという事で五種類ある内の背脂煮干でお願いした。得意ジャンルではない背脂と煮干の二大ワードを躊躇なく選べた事には自身のわずかばかりの成長を自負した。
ここまでの困難をクリアし気持ちを落ち着かせて店内を見渡す。L字カウンターだけの店内を二人体制で仕切っている。お互いの声掛けや連携も素晴らしいので心地良く待ち時間を過ごせた。ここはまるでダークな地下街に現れたオアシスのように初心者の私を受け入れてくれた。
そんな安らかな気持ちに包まれていると着席して6分ほどで我が杯が到着した。その姿は胴の長いシャープな白磁の切立丼の中でキラキラとスタイリッシュに輝いている。この時点でも塩ラーメンとは思えない出で立ちに見える。
まずは煮干しの銀皮と煮干油がキラキラと輝く黄唐茶色のスープをひとくち。香味油の背脂が最初の印象にあるが煮干しの風味は強烈ではなく初動では豚清湯スープかと思ってしまうほどラード色が前面に出ている。しかし後味に残るのは豚由来ではなく、鶏ベースの動物系出汁の旨みだ。という事は鶏清湯スープに加える香味油の違いによって風味が変えられるのならば他の香味油も試してみたいとひとくち目で思った。塩ダレも一切の角を削ぎ落としたカエシが輪郭を作るので尖った塩気は全くない。逆に塩だけでは出せない熟成感もあるので白醤油主体の塩ダレなのだろう。非天然由来の旨味も無くインパクトやパンチ力の無さが、このスープの性格の良さを表している。
茹で時間60秒ジャストで麺上げされた中細ストレート麺は少しだけ透明感のある麺肌が特徴的だ。箸で持ち上げると、やや硬めの仕上げで提供されて口当たりよりはパツッとした歯応えを印象づける。スープ自体との絡みは良くないが香味油が一体感を生む役目も果たしてくれている。すするたびに伴う風味と小麦の持つ香りが重なり箸が進んでしまうが麺の変化を楽しむために一旦具材にシフトする。
スタイリッシュに見えるポイントでもある豚肩ロース焼豚は一般的な低温調理ではなく通常の煮豚型と思われるが赤身の美しいロゼ色を残している。かなりの厚切りで添えられているが肉質の良さで臭みもなく上品でエレガントな焼豚だ。若干うす味なので物足りなさはあるがスープに浸すことや薬味のネギと一緒に食べることで改善された。
追加した塩味玉は文字通りの塩味。こちらも醤油の円熟味が欲しいとこだが塩味玉を名乗っているのでは仕方ない。しかし黄身までゆっくりと浸透した塩気が熟成度を高めネットリとした食感が楽しめた。
材木メンマはフルーティな味付けと硬いながらも繊維のほどけが良い食感がアクセント役を果たしている。好み的にはもう少し発酵臭が残っていると個性的になるような気がした。
薬味は白ねぎと青ネギが共演していたが、先ほどの焼豚の食感を補う際に総動員してしまった。その時は大変お世話になったと労をねぎらいたい素晴らしい薬味だった。
好調のままに麺と具材を完食し自然豊かな旨みのスープを飲み干そうとしたが魚介の出汁ガラがスープに浮いてきた。これが個性なのだろうが煮干粉や鰹の厚削りの欠片は必要なく思えたのでレンゲを置いた。
店を出て怪しげな地下の飲食街を抜けて地上に出ると更に曇り空は重たさを増していた。最後に舌の上に残ったザラつきは不要だったが気持ち良く満腹感を得ることが出来た。空の色とは反対に晴れやかで明るい気持ちで終われるラーメンに出会えた。他の香味油にも興味がそそられたので天気の悪い日の再訪候補にしたい一杯でした。