コメント
深い!不快!オフ会? それにしても言葉が深すぎますよ!
〝けのひ〟とはそういう日常を表す言葉とは知りませんでした。「ハレとケ」でググりましたよ!
所謂毎日食べてほしい拉麺という意味なのでしょうか?
今回から貴殿の言う「言霊」を調べることにしました。
まずは、スープの色味のデータから実色は7食ですね!
木蘭色 黒鳶色 栗皮茶色 弁柄色* 煎茶色 路考茶色 赤銅色* 渋紙色 弁柄色* 赤銅色*
どんだけ言葉知ってるのですか?日本の伝統色からひっぱってませんか?次からは色コードで!#432f2f 三島由紀夫はお好きですか?
虚無 Becky! | 2019年8月24日 00:57不快ですみません。「ハレとケ」は若い頃に柳田國男について勉強した事があったので知ってたんですね。和色に関しては私の持っている和色辞典は神保町の古本屋で見つけた物なので、残念ながらコード表記されてないんですよ。現代のデジタルの波に乗り遅れながらページをめくって探してますw
三島由紀夫氏とも残念ながら御縁がないですねw
のらのら | 2019年8月24日 10:23

のらのら
テッシー
ごろ。
いちご
ぼうし






〝ニューオープン 探検記〟
午前中に同市内で一食目を終わらせてから、乗り慣れてきた群馬バスを利用して小鳥住宅前から再び高崎駅まで戻ってきた。次なる連食先となるコチラの下調べと、胃袋の容量の回復を待つ為に駅近くのカフェにて二時間近くを費やした。コーヒーを三杯も飲んでしまったので回復が遅れてしまった。
お店情報では同県内の藤岡市からの移転オープンとの事たが、移転前には屋号にあった〝親子丼〟の文字が消えていた。となればラーメン一本に狙いを定めての心機一転らしく、気合の入り方も違うのではないかと期待が膨らむ。店名の「けのひ」という言葉も、実は私も非常に愛着のある言葉なのだ。例えば日本酒にしても特別な日を意味する〝はれのひ〟のような大吟醸酒よりも、普段の日常を意味する〝けのひ〟のような純米酒の方が味わいも好きで身体にも合っているのだ。そんな〝けのひ〟のような毎日でも食べられるラーメンを想像しながら過ごしているうちに、消化も促されて胃袋も落ち着いてきた。
そこで今度も群馬バスを利用してイオンモール高崎行きにて10分ほどで最寄りの本町三丁目バス停に着いた。するとすぐ先には三色の幟旗が揺れるラーメン屋らしき建物が見えたが、暖簾を受ける木製の暖簾掛けは設置されているのに暖簾自体が出ていない。店先には立て看板は出ていたが、まさかの昼の部早じまいかと思ってしまった。恐る恐る玄関前まで行ってみると、営業中の札が出ているのを見て安堵した。昼の部の遅い時間帯ながらも、無事に初訪問を果たせた事を喜びながら扉を開けた。
店内に入ると入口右手の券売機にて本日のお題を品定めするが、左上端がマイスタンダードの醤油系のボタンとなっていたので迷う事なく発券した。バラエティに富んだメニューボタンの中から必須の味玉を見つけ出してトッピングも忘れずに発券すると、配席の案内もなかったので好きなカウンター席に腰を下ろした。時間帯のせいか先客はおらず、のんびりと店内を見渡してみる。
テーブル席も多くある店内だが、ご主人お一人で切り盛りされているようだ。バッシングの手間を省くために、ひさラーメン店では珍しい返却口が設けてあるのが特徴的だ。厨房と客席が壁で仕切られているので、ワンオペならばやむを得ないシステムと思われる。かなりベテラン職人の雰囲気のある店主さんなのだが本日のBGMはフジファブリックが流れており、感覚やセンスの若さを感じられる。厨房を仕切る壁には大きな窓口があるので調理工程を眺めながら待っていると、着席して6分で我が杯が到着した。
その姿は黒塗り盆の上に置かれた口縁の広がった切立丼の中で、いかにも優しそうな表情を見せている。見た目としても色調としても、派手な部分の一切ない穏やかそうな景色には心が洗われるようだ。ご主人のお人柄とラーメンの表情を見ただけで、口にせずとも味わいが思い浮かんできそうに思いながら黒いレンゲを手にした。
まずは木蘭色のスープをひとくち。表層部には少しばかりの煮干し由来の水泡が浮かんでおり、透明感といった点では霞みがかったスープにレンゲを沈めてみた。すると熱々の湯気に連れられて先陣を切ってきたのは魚介系の香りで、予想した煮干しよりも鰹節のシャープなキレのある香気だった。そんな品の良い香りに包まれながらレンゲに注がれたスープを口に含んでみると、野菜の甘みと思われる優しい旨みが魚介出汁に重なってくる。少しばかりの動物系のコクも感じるが、それが何由来か判断するには至らなかった。そんな穏やかなスープに合わせるカエシの塩分も、薄味志向の私でも安心して飲める塩加減にアジャストされていて驚いた。まさにこれぞ「ケの日」を具現化したスープに喜びと感動が湧いてきた。
この勢いのままに麺に取り掛かってみるが二種類の麺から好みの麺を選べるシステムとなっていて、卓上に置かれた麺の説明書きを読みながらチョイスを悩んだ。 それによると、どちらの麺も関東では珍しい札幌の老舗製麺所から送られてくる麺を使用されている。説明書きには私の選んだ中華そばには玉子ちぢれ麺がオススメとなっていたが「玉子ちぢれ麺=冒険」「ストレート麺=納得」のフレーズが気にかかり、ラーメンに関しては極端に保守派な私は〝冒険〟を避けて、本来は煮干し系にオススメとなっている〝納得〟のストレート麺を選んだ。そんな悩んだ結果チョイスしたストレート麺を持ち上げてみると、箸先には見るからに切刃のエッジを残す麺肌がキレの良さをアピールしている。麺上げまで80秒と思われるストレート麺を一気にすすり上げると、少し短めに切り揃えられた麺のすすり心地がとても良い。ひとすすりで滑らかに飛び込んできた麺を噛みつぶすと、もちもちとしたグルテンの弾力感もたまらない。噛んだ麺からは内麦ならではの繊細な香りと甘みがにじみ出て、優しいスープの塩気と相まってお互いを高め合って共存している。オススメの玉子ちぢれ麺との比較は出来ないが、私にとっては麺の選択は間違えてなかったと思える良麺だった。
具材の主役には二種類のチャーシューが盛り付けてあり、仕事量の多さを物語っている。先に淡白そうな鶏ムネ肉の方から口にしてみると、しっとりとした舌触りが口の中を魅了する。小ぶりながら二枚もあるので食べ応えも十分で、鶏ムネ肉の低温調理タイプには珍しく鶏皮の残してある。その鶏皮の食感が悪くならないように皮目を炙っている点にも仕事ぶりが表れている。一方の豚肩ロースの低温調理は、器に収まらない程の大判で迫力を見せつける。美しいロゼ色からは、レアチャーシューと半ナマチャーシューは別物であると言わんばかりの仕上がりを見せている。しっかりと調理温度と加熱時間を管理された、食品衛生上も安心できるチャーシューとなっている。どちらのチャーシューも安心感があり薄味仕立てとなっているので身体には優しいが、スープ自体が非常に穏やかなので繊細すぎる味付けにも思えた。そこは肉本来の質の良さと鮮度の良さでカバーしているが、少し物足りなさを感じたのも本音だ。
追加した味玉にも品質の高い卵が使用されていて、飾りすぎない黄身の色の美しさが印象的だ。しっかりと出汁を利かせた漬けダレの浸透が均一しており、グラデーションのない黄身の適熟が生まれている。提供温度にも気を配られていて常温よりも温め直されている一手間も素晴らしい。
最初は個性を押し殺したようなメンマに思えたが、派手さのない硬めの食感の後には煮干しのような風味がメンマからあふれてくる丁寧に仕込まれたメンマだと分かってくる。目立たぬように脇役に徹していながらも、十分に個性を持ったメンマだった。
さらに肉の具材として珍しく鶏そぼろが入っている。鶏団子を使う店は少なくはないが、鶏そぼろが味噌系や坦々麺ではなく醤油系に入っているのが店主さんのこだわりなのだろうか。若干の違和感を持ちながら食べてみると、鶏そぼろなのにジューシーな口当たりに驚いた。これならば茹で置きした鶏団子のパサつきよりも食感が良く、具材として十分に役割を果たしている。
薬味の白ネギだけは余りの少なさに、薬味としての存在感を確認できずで残念に思ってしまった。穏やかなスープに敢えて香りを付けない為に白ネギが少ないのであれば納得出来なくもないが、それならば青み役の三つ葉の葉先からの香りも不要なのではと思ってしまった。
そんな些細な事が気になるくらいに、スープと麺の清廉潔白な組み合わせに感動しながら完食完飲していた。最後のスープ一滴まで過剰な旨味や塩気を感じる事なく清々しい気持ちで箸とレンゲを置いたが、塩気が強めの傾向の若者たちに受け入れられるのだろうかと心配になってしまった。それを証明するかのように卓上に置かれた醤油タレが、どれも随分と減っているのが見えた。やはり薄味に物足りなさを感じて味を足す客も多くいるのだろう。しかしこの低めギリギリに設定されたラーメンの方が、薄味志向の私には大変ありがたく思いながら返却口に食べ終えた器を持っていった。
ご主人さんの心のこもった「ありがとうございます」を聞きながら店を後にすると、今夜の宿を決めながら帰りのバスにて高崎駅まで戻る事にした一杯でした。