コメント
大崎氏の今日の一杯で気になっていたお店。
スープのこだわりと麺食べてみたかったです。
本日、行こうと思いましたが、結局この時間に飲み会が終わり帰宅。
またチャンスあれば訪問してみたいと思います。
虚無 Becky! | 2019年4月21日 00:45遅くまでの飲み会お疲れさまです。一気にレビューが増えてますよね。これも御大効果でしょうかね。皆さんの写真を見ても私の焼豚とは違ってバランスが良いので無念さは募るばかりです。
ちなみに今夜、名古屋嬢と寿司同伴です。
のらのら | 2019年4月21日 09:39↑エリヤ増やしすぎですよ。寿司のあとは台湾まぜそばかもw
虚無 Becky! | 2019年4月21日 10:36CDB(キャ○クラデータベース)でも立ち上げようかと思っています。
のらのら | 2019年4月21日 11:09

のらのら
マムート

Choco Smile!
ぬれいえふ
トゥールゴイ





〝ニューオープン狙いうち〟
先ほど午前中の一食目を食べ終えた北品川駅近くで、偶然すれ違ったRDBの御大であろう方に触発されてコチラへの初訪問を決めた。
と言うのも、この日の〝今日の一杯〟がオープンしたばかりのコチラだったのだ。そこで何か運命的なものを勝手に感じ、迷う事なく電車に乗り込んだ。品川駅で高崎線に乗り継ぐと30分もの早さで最寄り駅の尾久に着いた。予想外の早さで連食スペースを確保できずに駅前で消化を促す事にした。
しかし人生初の尾久駅前は散策を楽しむような場所ではなく、交通量の多い明治通りに面している。すでに右手には昔ながらの中華そばの暖簾が揺れる店先が見えているが、すぐに突撃できる胃袋環境でもない。まだ正午前なのに店先には行列が見られるので、すでに認知度の高さを物語っている。そんな行列を横目にしながら駅近くの喫茶店でひと休みする。
地元のおばさま方の旦那に対する不満に耳を傾けながらコーヒーを飲んでいると、少し胃袋に隙間が空いてきたので、再び店を目指した。今度は店先には行列はないが店内は満席のようだ。入口そばで待機していると運が良かったのか一気に後列が延びた。ガラス張りの店内を眺めながら待っていると3分程で先客が退いたタイミングで入店となった。
店内に入ると券売機はなくカウンターに座る。卓上メニューと思われたパウチはウンチクが書かれたものでメニューではなかった。メニューを探すように店内を見ていると、奥に置かれたウォーターサーバーの上に掲げられたメニューを見つけた。何食わぬ顔で水を汲んだ帰りに、口頭でご主人に注文して席へと戻った。
店内の様子は、昔ながらを想像させる朱赤色のカウンターが目を引く。今はまだ真新しいが、いずれは老舗の風格を醸し出すに違いないと思わせる佇まいだ。そんな店内をご主人おひとりで切り盛りされている。黙々と調理をこなしながらもオーダーや後会計などもせねばならず忙しそうだ。そんな中でも穏やかに挨拶も欠かさないお人柄に心が落ち着く。優しさを表す物がもう一つあった。それは客席の丸椅子に施された加工にも出ている。きっとカウンターとイスの高さが合わなかったのだろう。丸椅子の四本足を短く切りそろえてラーメンを食べやすい高さにアジャストしてあった。更には切り口で床が傷まないように靴下まで履かせてある。これを見た時に物事すべてに対する愛情を感じた。その愛情は卓上のウンチクの多さにも溢れていた。食べる前から期待は高まるばかりだ。
店内の無音の静けさの中で待つこと15分かけて我が杯が到着した。その姿は懐かしの双喜に龍の切立丼の中で何とも和やかな風景を見せている。そこだけに集中していると東京にいる事を忘れてしまいそうな田舎のような景色だ。派手な色調など見せない姿にホッとする。
目の前のウンチクに捉われないように、まずは醤油色の淡い白像色のスープをひとくち。細やかな粒子で薄い油膜が張ったスープにレンゲを沈めると、何かとは分からないが美味そうな香りが上がってきた。何かも分からないままに口に含むと穏やかだけど奥深い甘みを持った旨みが押し寄せてきた。その旨みが何かを確かめようとすると、スッと消えてなくなる。カエシも足らずでもなく過ぎるでもないピンポイントを攻めてくる。ウンチクでは原木栽培の干し椎茸と利尻昆布となっている。それを見れば乾物系の旨みが中心だと分かるが、動物系スープ不使用となっているのに豚由来の旨みを感じてしまう。もしかしたら出汁は動物系不使用で、カエシに焼豚の煮汁を使っているのだろうかと思ってしまった。しかし得体の知れないスープの旨さに懐疑心がありながらも魅了されてしまった。よほどの計算式がないと成り立たないスープの設計図に思えた。
麺上げまでは55秒と公言されているストレート細麺は実際には50秒ほどで本日は麺上げされていた。当日の麺ディションによって秒単位で微調整されるのだろうか。持ち上げた箸先からは加水率の低そうな見た目だが、密度の濃さが重みとなって伝わってくる。ウンチクでは 5〜7日の熟成をかけているそうだが、低加水でも熟成によってグルテンを強く感じる麺質に変化するのだろうか。視覚と指先の感覚が一致しない細麺を口に啜ってみると、正解だったのは箸先の感覚の方だった。低加水麺だったとしてもパサつきや粉っぽさなどは全くない。柔らかめではあるがモッチリとしたグルテンを感じさせる麺質に不意をつかれた。これが熟成によるものなのかは分からないが、明らかに小麦の旨みが詰まった個性的な麺だった。
具材は基本にしたので至ってシンプルだ。豚バラ焼豚は部位の個体の大きさの為か、今回は小さめの部分が四枚入っていた。もちろん基本にしてはボリューム的には十分以上だが、質の面では残念な点があった。隣客が後で注文した私と同じ中華そばには、赤身と脂身のバランスが良い焼豚が大きく二枚入っていた。小ぶりなので四枚入りなのは分かるが、バランスが良い焼豚は一枚だけだった。残る三枚のうち二枚は赤身だけ、もう一枚は脂身ばかりと明らかに違っていた。少し残念に思いながらも全体的にはバランスがとれている事にして、赤身と脂身の両方を一緒に食べる事で回避した。よくある下ブレに当たってしまったが、焼豚の旨さで忘れる事にした。
メンマは中国産麻竹ではなく国産孟宗竹にこだわった独特のメンマだった。たしかに麻竹の極太メンマには見られない孟宗竹ならではの節が残っていた。もしこれが日本中に広まれば放置竹林を有効活用できるのではと期待を込めて食べてみる。歯応えも歯切れも良好で、メンマとタケノコの中間といった噛みごたえ。明らかにタケノコの水煮と違うのは、しっかりと発酵、乾燥をさせてあるので発酵食品特有の香りがする事だ。しかしこれを当たり前のメンマとして認識できるには時間がかかりそうな印象も受けた。
薬味はこだわりの九条ねぎを大胆に粗々しく添えてある。厚めに切られていても繊細な九条ねぎの口当たりは変わることなく良質をアピールしている。麺を啜るたびに伴うネギの香りが食欲を後押ししてくれてた事は後半で気がついた。シンプルで複雑ではないスープに香りと食感の両面でアクセントを与えてくれた九条ねぎには感謝したい。
最終的には残念な点もあったが、連食にもかかわらず完食していた。食べ終えた後も、ご主人はお忙しそうにしている。今回はたまたま小銭を持ち合わせていたので、カウンター上の台に七百円ちょうどを置いて席を立った。また来る時もご主人の手をわずらわせないように小銭を用意して来ようと思った一杯でした。