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「煮干しそば味玉入り ¥850」@初代青樹の写真平日 晴天 14:00 先客1名 後客2名

〝Blue to Blue〟

午前中の万願寺での一食目を終え、最寄りのビッグターミナルである立川駅まで来た。行くあてもなく久々の立川駅周辺で連食先を検索してみる。

すると何気なく見ていた中に見覚えのある文字が飛び込んできた。その文字は「青」のひと文字だった。なぜかと言えば、午前中に訪ねた店の屋号にも「青」の文字が含まれていたのだ。そちらに行くキッカケにも運命めいたものを感じての訪問だったので、今回も何かスピリチュアル的なものを感じて初訪問への流れと自然と導かれた。(ただの語呂合わせと言われれば、それまでなのだが本人は至って真面目に考えていた)

〝青から青へ〟

空腹環境を整えるために立川駅近辺を散策しながら時が経つのを待つ事にした。複雑に入り組んだ駅前の通りに戸惑いながら落ち着ける場所を探す。するとホテルの一階のラウンジを見つけたのでコーヒーでも飲みながら時間を過ごす。前食から3時間近く経つと胃袋のシグナルが青に変わったので、新たなる「青」を求めて店へと向かった。

立川駅南口からは飲食店の立ち並ぶ繁華街を進むとすぐに現れた。ビルの一階部分全てにラーメン店が四店舗も並んだプチラーメン博物館の中にあった。入口を入ると券売機の前には大行列が出来てたので仕方なく並ぼうかと思ったら、オープンスペースに各店舗ごとの四台の券売機が並んでいた。その中で行列があるのはJ系の一店舗だけで、他はガラガラで空いていた。どうやらJ系の独り勝ちのようである。

連食先を考え直そうとも思ったが運命を信じて、こちらの店の券売機の前に向かった。「青」という名前だけで来てしまったので予習もしておらず、券売機のメニューを見て心が折れそうになった。まさかの煮干しラーメンの専門店だったのだ。屋号からは煮干し系を想像させる文字がないのを理由に、勝手に決めつけていた自己責任なので初訪問の腹をくくった。

ニボ耐性の弱い私は、券売機の中でも煮干しが強くなさそうなメニューを選択し、逃げ道のために味玉だけは追加してカウンターに腰を下ろした。店内というか、ビル中全体に四店舗分の複雑な匂いが立ち込めていて、脳が混乱しているのが分かる。煮干しの他にも豚骨や魚介の匂いに満ちていて、ニンニク臭まで漂っている。こんな匂いが混沌とした中で、目の前の厨房だけに集中して調理場内を見回す。

入口そばの店内をツーオペで回している。本日は新人らしきスタッフが先輩の手ほどきを受けながらのオペレーションのようだ。少し不安はあるが、カエシやスープの計量のひとつひとつが丁寧に行われているのでブレが少ないと思えた。緊張感のある調理を眺めていると5分で我が杯が到着した。

白磁の高台丼の中の姿は、敵対心むき出しの表情で向かってきた。スープの液面に広がる背黒イワシの銀皮が密に浮かび、鈍い光を放っている。そのオーラに負けないように気持ちを強く持ち直して対決する。

まずは媚茶色のスープをひとくち。レンゲをスープに沈めると、ほとんど抵抗がなくサラリとした感覚がレンゲを持つ指先に伝わってくる。最も難敵なセメントスープでないことを確認できた所で口に含んでみる。やはり圧倒的な煮干し香で口の中が満たさせる。苦味やエグ味が強烈な刺激を与えるが、耐えられない程ではなかった。先月のニボ耐性強化週間によって自身のニボレベルが上がった証だろうか、好みではないが対応できる範囲内の煮干し出汁だ。

この勢いのままに麺に取り掛かろうと先を急いだ。麺上げまでジャスト120秒の中細ストレート麺は箸で持ち上げると全粒粉のフスマの粒が所々に見られる。見た目にもザラつきのある麺肌はスープを、しっかりとまとっているのが分かる。その麺を口に運ぶと、麺肌のザラつき以上に感じる舌触りがあった。それは煮干し粉のザラつきだった。風味を補うための煮干し粉だと思うが、補っているのは風味だけでなく塩分も増していた。煮干し系を攻略できたと思ったが、過剰な塩分には対応できそうもない。麺を二口ほど食べた所で喉を灼くような塩気が襲ってきたので味玉に助けを求める事にした。

こんな時のために追加しておいた味玉が見事な役割を果たしてくれた。単体ならば強めの醤油味の付いた味玉だろうが、このスープの中では唯一の安らぎとなってくれた。しっかりと漬けダレの浸み込んだ白身だが、塩分過多で疲れた味覚を少しだが取り戻してくれる。熟成した黄身の甘みも同様にリセット役をしてくれる。スープと麺は諦めたが、その事で他の具材へと進む気持ちを与えてくれた。

焼豚は部位違いで二枚。豚ロースと豚肩ロースがそれぞれロースト焼豚で添えてある。脂身のない豚ロースは赤身の歯応えを楽しむことが出来る。若干の脂身を有する豚肩ロースは豚ロースよりも柔らかな口溶けが特徴的で、いずれもスープに比べると優しい下味で助けられた。

メンマは袋から出しただけのような業務用品のようで個性はないが落ち着いた味付けがほっとさせてくれた。

薬味は青ねぎの小口切りの中に白ねぎも散りばめられてあり、手の込んだ仕事が見て取れる。スープの中でも香りを感じたので、品質も鮮度も良い薬味だった。

結局は全体の8割近くを残して失礼ではあるが席を立ってしまったが、それほどに過去最大級の塩分の強さだった。調理工程ではキッチリと計量されていたので間違いではないと思うが、私には耐えることのできないスープだった。

昨日からの運命だけを信じての初訪問だったが私の運命なんて、こんなものかと気を落としてビルを後にした。

しかし、帰りの電車内で今回の運命を考えているうちに新たな野望が湧いてきた。運命は自分で引き寄せるものと決意も新たに、次の運命のために大宮駅に宿を予約してしまった一杯でした。

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