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「醤油SOBA ¥800+塩味玉 ¥100」@麺屋 Hulu-luの写真日曜日 晴天 13:35 先待ち12名 後待ち10名

〝初訪問〟〝無化調〟〝清湯醤油系〟

の三大しばりにて本日は捜索を開始する。

行くあてのない日曜日の午後、捜査対象を絞り込むために欠かせない方法でRDBに向き合う。初訪問で清湯醤油系ならば対象は、いくらでも挙がってくるが、そこに無化調が加わると随分と対象が減ってくる。そんな中で条件にヒットしたのが池袋のこちらだ。

昼のピークは過ぎたと言っても繁華街の池袋なので、ある程度の行列を覚悟して13時に家を出た。山手線で池袋駅に着くと、工事の始まった西口公園を背にしてロサ会館方向へと向かう。怪しげなロマンス通りを抜けた一角に人だかりを見つけた。さすがの池袋だけに行列は止まない。

デート中のカップルが多い行列の最後尾に、おじさん一人で連結する。なかなかの辱しめだ。本日のお題を品定めしながら並んでいるが、あまり列が進まない。若い女性客が多いせいか、食後も話が盛り上がっているのだろうか。平日の新橋のランチタイムと違って、休日の若者の街なので仕方ないかと諦めて気長に待つことにした。

あまりの回転率の悪さに窓ガラス越しに店内を見ると、カウンター席に全く稼働してない席があるのが気になった。並び始めてから30分経っても誰一人と、そのカウンターに座っていない。構造上の理由なのかと不思議に思いながら待つこと45分で入店の案内。ようやく入店となり券売機で基本らしき一杯と味玉を発券してカウンターに座る。やはり、その空席には案内されず別の席に通された。

店内を見渡すと屋号からも伝わってくるハワイ愛を感じる。店の外は池袋の外れなのに、波の音が今にも聞こえてきそうなほど。店内の装飾品やウクレレのBGM、お冷のハワイアンウォーターにまで、ディテールにもハワイへのこだわりが詰まっている。

さらに店内を眺めると、ここで先ほどの謎が解けた。カウンターの空席の件だ。その空席の横の席には昼間からビールで出来上がった男性客が居続けて、同じような話を繰り返していた。お店側の周囲の客への配慮として、ひと席空けていたようだ。しかしそんな酔っぱらいのいる光景もマウイ島の片田舎なら有り得そうな光景だと思うと、より一層にハワイ感が増してきた。そんなハワイアンな店内を、コロヘっぽい男性陣がお二人で仕切っている。ちなみに「コロヘ」とはハワイの言葉で「やんちゃな」との事。

大勢の若者たちの中、待っていると着席して10分ほどで我が杯が到着した。白磁の鳴門丼の中の姿はハワイのバオバブの木を思わせるカイワレが印象的で女性受けするのが分かる容姿だ。この雰囲気の中にいると〝カイワレ〟までもがハワイ語っぽく響いてくる。

まずはランダムな鶏油が浮かんだ杏色のスープをひとくち。先行するのは丸鶏由来の鶏出汁と鶏油の香りだが、負けず劣らず乾物の旨味が追いかけてくる。その奥には野菜からの上品な甘みが、しっかりと潜んでいる。砂糖などに頼らない自然の甘味が本能を落ち着かせる。砂糖で付けた甘味だと、落ち着くどころか脳を刺激し興奮状態になってしまうだろう。その刺激を利用したスープが多い中で、この穏やかな甘味は嬉しい限りだ。醤油ダレは若者層を意識してか、若干強めに設定されているが、おじさんにも許容範囲内。無化調の優しいスープに輪郭を作るには必要な塩分なのだろう。逆に塩気が少ないとボヤけたスープになってしまいそうだ。

自家製の中細ストレート麺は、かなり細めで麺上げまでも30秒と短い。全粒粉と見られる麺肌は滑らかというよりは、ザラつきすら感じるほどの低加水と思われる。舌触りとしても少し粉っぽいかなと感じてしまう。自家製麺なので本日分の麺だけが粉っぽいのか、これが店の個性なのかは初訪問なので分からないが、しっかりと練られたグルテンを感じる麺の方が私には好みだった。しかしこのザラつきがスープを大量に持ち上げるので効果があるのは事実だ。

具材は豚肩ロースが煮豚型で入っている。厚めにカットされた肉質は、煮豚ならではの柔らかさはあるが、肉本来の旨味は煮汁の方へ抜けてしまっていた。少し味気なくもある焼豚だが、薬味の大量のカイワレとの共演で食べ切ることが出来た。

追加の塩味玉は文字通りの塩味の付いた玉子。口直し的な役目は果たすが、単体で食べると大人しすぎて寂しさもある。しかし全体的に無化調を謳った優しいラーメンの中では主張しすぎない味玉が狙いなのだろう。しっかりと温め直してある点も好印象。

細切りメンマも同じく控えめな味付けだが細身ながらも食感の良さが印象に残る。調理済みの既製品を使わない手仕事を感じられるメンマからも無化調への強いこだわりが伝わってくる。

薬味は、先ほど焼豚との見事な共演を果たしたカイワレだ。アンチカイワレ派なのだが、これほどまで大量に添えてあると、カイワレが大根の発芽だという事を再確認できる。大根特有の辛味を感じながら、麺や焼豚との相性の良さを楽しめた。たまに彩り要員だけの為に数本ばかり添えられたカイワレがあるが、あれには全く意味を感じない。

意味を感じないと言えば、こちらの糸唐辛子も同じで、特に辛さを擁するでもない糸唐辛子は彩りだけの存在に見える。しかしカイワレのように大量に添えてあったとしても食感が悪くなるばかりで効果は無いので、これくらいが適量なのかも。

一方の焦がしネギは穏やかな無化調スープにコクを与えて深みを付けていた。刻み柚子も時おり爽やかな風味で口内をリセットしてくれ良いアクセントだった。

終始、麺の粉っぽさを感じながらも、不必要な旨味や刺激を感じないままに完食完飲していた。丼を両手で傾けてスープを飲み干すときに、鶏ミンチの肉片が転がり込んできた。口の中が潤ったままで終えたかったが、肉片がパサついていたので残念な終わり方になってしまった。あまり必要性を感じない鶏ミンチだったが、具材としてと言うよりは、鶏ミンチでスープの濁りを消す中華料理の上湯スープの手法による副産物なのかとも思った。

そんなラーメンを食べている最中もカウンターの隅では、酔っぱらった常連客とおぼしき男性が調理に集中するスタッフに、ずっと話かけ続けている。どうやら突然に食洗機が壊れたらしく洗い物も手洗いされている。スタッフの方も大変そうに「普段の倍は時間がかかる」と嘆いていた。それを聞いた酔っぱらいの常連客が「だから今日は回転が遅いんだね」と言った時は店内にいる他の客の誰もが「お前がいるからだよ」と総ツッコミしそうになったのは言うまでもない。もしかしたらスタッフも思っていたかも。客商売は本当に大変だなと心から思った。

しかし店の雰囲気などは採点に考慮しないと決めているのでラーメンだけの採点としたが、たまたま麺のコンディションがパサついていただけかも知れず、こちらのスープならば、塩でも絶対に安心で美味しいだろうと再訪を熱望する。でも出来れば、あの常連客がいない時にラーメンに集中したいなと思った一杯でした。

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