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平日 晴天 17:55 待ちなし 後客6名〝ジョンからジョニーへ〟新規開拓の候補を探すも、課題店が多すぎて狙いが定まらない時がある。そんな時はオヤジ感覚を研ぎ澄ましてRDBと、にらめっこする。すると気になる屋号のこちらが目に入った。〝ラーメン屋ジョン〟ナイスなネーミングだが伝統的な名付け方でもある。日本には昔から〝すし太郎〟をはじめとする〝ラーメン二郎〟〝キャンドルジュン〟などと生業と名前を合わせた名付け方が確立されている。さらにたどれば〝人斬り以蔵〟などもそれにあたる。そんなセンスに溢れた店を見つけては、初訪問せずにはいられず、偶然にも居合わせた新宿から西武新宿線に飛び乗った。夜の部の18時開店前の現着を狙って17:14発の準急にて人生初となる武蔵関駅に降り立った。興奮を抑えきれずに、勇み足で開店の30分も前に着いてしまったので店先には人影もなく、しばしの武蔵関観光を楽しむとする。非常に静かな駅前北口だがあちらこちらから美味しそうな匂いがしてくる。どうやら北口は焼鳥激戦区のようで帰り道にちょいと一杯ひっかけるにはもってこいの駅前だ。そんな誘惑に負けないように定刻の5分前に、再び店を目指したが、ラーメン屋ジョンに向かう途中の〝中華飯店 翔チャン〟のネーミングセンスにも心が惹かれた。店先に着いて先頭で待っていると定刻より3分早くオープンとなり入店する。店内には券売機が見当たらないが、階段下の陰に隠れて設置されている。店主さんの案内で券売機を見つけると、最上段には煮干し系のボタンがある。煮干し推しの店とは知らず、店名だけで来てしまったが、まだまだニボ耐性が弱い私は下段にある醤油ラーメンに味玉を追加して発券した。カウンターに座り店内を見渡すと、カウンターだけの店内だが、ご主人が一人で切り盛りしている。日本語は流暢だが、お顔立ちを拝見するに外国人の店主さんだろうか。店内には流れるBGMもベトナムのポップスのように聴こえる。店内に墨字で書かれた手書きの拘りが貼られてあるが、その中には予期せぬうれしい知らせが書かれていた。なんと予想もしていなかった無化調の知らせだ。さらに期待は高まるばかりだ。着席して待つこと8分ほどで我が杯が到着した。開店直後に、ほぼ満席ながらワンロット2杯の丁寧なラーメン作りで提供されたその姿は、白磁の鳴門丼の中に理念を感じる気高さすら表れている。流行りを取り入れながらも、ブレない強さをも感じる表情には、食べずとも美味いと思わせる何かがある。まずは薄っすらと鶏油の張った弁柄色のスープをひとくち。丸鶏のようなコクや重たさは無いが、鶏ガラには無い強さや深みを感じる鶏清湯スープなので廃鶏を合わせているのだろうか。キレはあるが、しっかりと旨味のあるスープに一瞬で惚れてしまった。その旨味の要因には、干し椎茸のような乾物由来の馴染みやすい旨味が関与している。醤油ダレは高めギリギリだが塩分過多にならない所を突いている。麺は麺上げまで60秒の中細ストレート麺で、麺肌にはグルテンのザラつきを感じ、その隙間に浸み込んだスープとの一体感を最重要視した麺選びと茹で時間。低加水の歯切れの良い食感よりも、もっちりとした歯触りを優先させた麺は作り手の意図を汲みとって口の中で小麦の香りと共に跳ね回る。滑らかすぎない麺は奥歯のプレスにもきっちりと応えてくれ、噛み潰せば甘みを生んで喉の奥へと消えていく。この麺ならば麺だけを食べても美味いと思うだろう。具材は調理場にある低温調理器からも察するに豚肩ロースのレアチャーシューが小ぶりにカットさせて添えてある。小さいながらも、かなりの厚切りなので赤身本来の肉質を楽しみながら上品なマリネ液の下味の良さも味わえる。しかし赤身以外の脂身と筋の部分は歯切れか悪く口に残るのが残念。あともう少しだけ、熱を通した方が食べやすくなりそうだ。追加の味玉は醤油の風味よりも鰹だしの風味が浸みた優しい旨味を披露する。塩分による硬化がないので白身は柔らかく、黄身も流れ出してスープを汚してしまいそうだ。あと半日でも熟成させて黄身がゲル化した味玉を食べてみたいと思った。メンマは中太タイプが添えてある。食感は麻竹の繊維を微かに感じる程度の柔らかさで、味付けは醤油を立たせ、キリッとさせている。全体的に穏やかなラーメンの中では異色に思える味付けだがアクセントになっているのは確かだ。薬味は半加熱された白葱が角切りでスープに浮いている。生のネギからは生まれない甘みを計算通りに引き出している辺りは、経験の豊かさとセンスの良さを感じる。青みも、きちんと下茹でされた小松菜が食感と軽やかな苦味の両方で良い仕事をしている。鶏清湯スープには必須となりつつある三つ葉も少ないながら独特の香りでサポートしている。何気なく屋号だけで選んだ店なのに、あまりのクオリティの高さに驚いてしまった。逆になぜ今まで知らなかったのだろうかと、悔やんでしまうほどに素晴らしかった。ここならば塩も煮干しも期待が持てるので、近々の再訪は必至だろう。当初の計画では、ジョンを訪ねた後に、千葉県行徳駅近くのジョニーを訪ねる予定だったが、ジョンの満足度の高さに余韻に浸っていたくなったので、日をまたいで明日に出向くことにした。本当に満足感で満たされたのは事実だが、帰り道に駅前の焼き鳥屋で水分補給をしたくなって寄ってしまったのが当日中にジョニーを訪ねられなかったのが最大の理由だ。しかしこのラーメンのおかげで、この街に来ることが増えそうな気配を感じる一杯でした。
〝ジョンからジョニーへ〟
新規開拓の候補を探すも、課題店が多すぎて狙いが定まらない時がある。そんな時はオヤジ感覚を研ぎ澄ましてRDBと、にらめっこする。すると気になる屋号のこちらが目に入った。
〝ラーメン屋ジョン〟ナイスなネーミングだが伝統的な名付け方でもある。日本には昔から〝すし太郎〟をはじめとする〝ラーメン二郎〟〝キャンドルジュン〟などと生業と名前を合わせた名付け方が確立されている。さらにたどれば〝人斬り以蔵〟などもそれにあたる。
そんなセンスに溢れた店を見つけては、初訪問せずにはいられず、偶然にも居合わせた新宿から西武新宿線に飛び乗った。夜の部の18時開店前の現着を狙って17:14発の準急にて人生初となる武蔵関駅に降り立った。
興奮を抑えきれずに、勇み足で開店の30分も前に着いてしまったので店先には人影もなく、しばしの武蔵関観光を楽しむとする。非常に静かな駅前北口だがあちらこちらから美味しそうな匂いがしてくる。どうやら北口は焼鳥激戦区のようで帰り道にちょいと一杯ひっかけるにはもってこいの駅前だ。
そんな誘惑に負けないように定刻の5分前に、再び店を目指したが、ラーメン屋ジョンに向かう途中の〝中華飯店 翔チャン〟のネーミングセンスにも心が惹かれた。店先に着いて先頭で待っていると定刻より3分早くオープンとなり入店する。
店内には券売機が見当たらないが、階段下の陰に隠れて設置されている。店主さんの案内で券売機を見つけると、最上段には煮干し系のボタンがある。煮干し推しの店とは知らず、店名だけで来てしまったが、まだまだニボ耐性が弱い私は下段にある醤油ラーメンに味玉を追加して発券した。
カウンターに座り店内を見渡すと、カウンターだけの店内だが、ご主人が一人で切り盛りしている。日本語は流暢だが、お顔立ちを拝見するに外国人の店主さんだろうか。店内には流れるBGMもベトナムのポップスのように聴こえる。店内に墨字で書かれた手書きの拘りが貼られてあるが、その中には予期せぬうれしい知らせが書かれていた。なんと予想もしていなかった無化調の知らせだ。さらに期待は高まるばかりだ。
着席して待つこと8分ほどで我が杯が到着した。開店直後に、ほぼ満席ながらワンロット2杯の丁寧なラーメン作りで提供されたその姿は、白磁の鳴門丼の中に理念を感じる気高さすら表れている。流行りを取り入れながらも、ブレない強さをも感じる表情には、食べずとも美味いと思わせる何かがある。
まずは薄っすらと鶏油の張った弁柄色のスープをひとくち。丸鶏のようなコクや重たさは無いが、鶏ガラには無い強さや深みを感じる鶏清湯スープなので廃鶏を合わせているのだろうか。キレはあるが、しっかりと旨味のあるスープに一瞬で惚れてしまった。その旨味の要因には、干し椎茸のような乾物由来の馴染みやすい旨味が関与している。醤油ダレは高めギリギリだが塩分過多にならない所を突いている。
麺は麺上げまで60秒の中細ストレート麺で、麺肌にはグルテンのザラつきを感じ、その隙間に浸み込んだスープとの一体感を最重要視した麺選びと茹で時間。低加水の歯切れの良い食感よりも、もっちりとした歯触りを優先させた麺は作り手の意図を汲みとって口の中で小麦の香りと共に跳ね回る。滑らかすぎない麺は奥歯のプレスにもきっちりと応えてくれ、噛み潰せば甘みを生んで喉の奥へと消えていく。この麺ならば麺だけを食べても美味いと思うだろう。
具材は調理場にある低温調理器からも察するに豚肩ロースのレアチャーシューが小ぶりにカットさせて添えてある。小さいながらも、かなりの厚切りなので赤身本来の肉質を楽しみながら上品なマリネ液の下味の良さも味わえる。しかし赤身以外の脂身と筋の部分は歯切れか悪く口に残るのが残念。あともう少しだけ、熱を通した方が食べやすくなりそうだ。
追加の味玉は醤油の風味よりも鰹だしの風味が浸みた優しい旨味を披露する。塩分による硬化がないので白身は柔らかく、黄身も流れ出してスープを汚してしまいそうだ。あと半日でも熟成させて黄身がゲル化した味玉を食べてみたいと思った。
メンマは中太タイプが添えてある。食感は麻竹の繊維を微かに感じる程度の柔らかさで、味付けは醤油を立たせ、キリッとさせている。全体的に穏やかなラーメンの中では異色に思える味付けだがアクセントになっているのは確かだ。
薬味は半加熱された白葱が角切りでスープに浮いている。生のネギからは生まれない甘みを計算通りに引き出している辺りは、経験の豊かさとセンスの良さを感じる。青みも、きちんと下茹でされた小松菜が食感と軽やかな苦味の両方で良い仕事をしている。鶏清湯スープには必須となりつつある三つ葉も少ないながら独特の香りでサポートしている。
何気なく屋号だけで選んだ店なのに、あまりのクオリティの高さに驚いてしまった。逆になぜ今まで知らなかったのだろうかと、悔やんでしまうほどに素晴らしかった。ここならば塩も煮干しも期待が持てるので、近々の再訪は必至だろう。
当初の計画では、ジョンを訪ねた後に、千葉県行徳駅近くのジョニーを訪ねる予定だったが、ジョンの満足度の高さに余韻に浸っていたくなったので、日をまたいで明日に出向くことにした。本当に満足感で満たされたのは事実だが、帰り道に駅前の焼き鳥屋で水分補給をしたくなって寄ってしまったのが当日中にジョニーを訪ねられなかったのが最大の理由だ。
しかしこのラーメンのおかげで、この街に来ることが増えそうな気配を感じる一杯でした。