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「中華そば ¥780+味玉 ¥100」@中華そば 笑歩の写真平日 晴天 13:00 中待ち2名 後待ち1名

〝新春うまいものめぐり〟

を開催中なのだ。昨年にお世話になった店の中で。美味しいと思った店だけを巡るという贅沢な一週間を過ごそうと決めて各地を廻っている。本日は都内を離れて横浜市内で、うまいものめぐりをしようと早朝から活動している。

昨年中に横浜市内で訪れた店は16店舗あるが、その中で自分が美味しいと思う採点基準の85点を超えた店は3店舗しかない。午前中に食べた店もそのひとつだが、大台の90点を超えた店はこちらしかない。こちらのラーメンは昨年受けた衝撃の中でもトップ3に入る感動作だった。今日は未食の特製を食べてみたいと野望を持っている。そんな大切な店への再訪を果たすために前食の都筑区からの移動を開始した。

バスだけのルートで30分と近いのだが、バスの便数が少なく断念せざるを得ない。往路を戻り11時には最寄りの綱島駅に着いていた。こちらは11時半開店なので、すぐに行けば開店前にも間に合うが、胃袋の消化が間に合いそうにない。綱島駅界隈を散策しながら胃袋に連食スペースが空くのを待つことにした。

駅周辺の散策も1時間ほどで飽きてしまい、さらに30分ほどコーヒーを飲んで時間をつぶしていると、ようやく満腹感が落ち着いてきた。しかしまだ特製に挑戦するほどの余裕はないのが本音だ。かと言って時間をつぶすのも限界にきている。このまま店に向かったら13時前には着くので、ある程度の行列を想定して歩いて行く事にした。

さすがに3度目の訪問なので知らない土地でも迷うことはない。もはや通いなれたと思うくらいに見慣れた街並みを進むと店先が見えてきた。遠くから見ても行列が確認できるが二人程だ。行列に並んで時間を過ごす作戦は失敗に終わった。しかも私が店に着く前に、その二人も店内へと消えていった。

結果、外待ちの先頭で並ぶことになったが、すぐに中待ちに昇格してしまい券売機の前へ。目的の特製のボタンを押したかったが断念し、基本のお題に味玉だけを追加した。すると3分程でカウンターが空き案内を受ける。

カウンターから店内を眺めると、今まで気が付かなかったが神棚が祀ってあり、一陽来復の御守りもきちんと恵方に向けて貼られてあった。その同じ棚には招き猫やダルマなど、商いに関した物が飾られてある。若いご夫妻なのに古き良き文化を受け継ぎ、しきたりを重んじている辺りが、こちらのラーメンにも表れていると思う。

そんな古風な一面もありながら内装はシンプルで若々しさがあり、そんなギャップも魅力のひとつだ。しかも本日のBGMは松山千春が流れたかと思うとジャックジョンソンへと続くジャンルを超えた夢の共演にも心が躍る。

そんな事を思いながら待つこと10分ほどで我が杯が到着した。その姿は老舗店のラーメンのような落ち着いたオーラすら感じる。タコ唐草の高台丼の中でこその風格だと思う。このラーメンがシャープで小洒落た切立丼の中にあったと考えてみるが、温水洋一さんが輩風ファッションを身にまとっても、失礼ながら似合うはずがない。やはり素朴な人には素朴な格好が似合うのだ。

まずは少し霞がかった柿渋色のスープをひとくち。前回よりも少し煮干しの苦味が減っているような気がするのは私のニボ耐性が上がったからだろうか。初回よりは明らかにスープに浮いた煮干しの銀皮も少ない。しかし煮干しの旨みだけは増しているように感じてならない。旨みを表現するのは煮干しだけではなく比内地鶏による動物系のコクや、乾物からの滋味溢れる旨みが最高のバランスで形成されている。店内には比内地鶏のポスターが貼られてあるが、地鶏特有の黄色みを帯びた鶏油が見られないのは、比内地鶏に求めるのは個性的な脂のクセではなく、旨味だけを引き出す事ではないだろうか。その結果、オイリーになりがちな地鶏由来のスープをサラリと仕上げている。地鶏だけでは生まれないコクを豚ゲンコツのような旨みを足す事で深みのあるスープになっていると思う。

自家製麺は、ここでしか味わう事の出来ないオリジナリティあふれる麺だ。中細と呼ぶには、少しぽっちゃりとした麺は微かな揺らぎを見せ緩やかなウェーブがかかっている。箸で掴むと麺の密度が高いのが伝わってくる。その麺を啜ると、重量感があるが滑らかな口当たりに毎回のように驚かさせる。また今回も食べ物を食べ物で例えてしまうが、へぎ蕎麦のような独特の舌触りを見せる。その上、歯を立てるとモッチリと弾力があり、麺を噛み切る楽しさが止まらない。この楽しさのせいで、つい食べ急いでしまいがちだ。楽しいのは口当たりと歯応えだけではなく、麺自体の旨さがスープの中からでも十分に伝わってくる。この麺ならば塩とワサビだけで食べたとしても絶対に美味いはずだ。

具材は基本でも大迫力の大判な焼豚が二枚。しかも部位も調理法も異なる手間のかかった逸品。豚肩ロースはローストタイプで赤身の旨みがギュッと詰まって、しっかりした歯応えが良い。豚バラは煮豚タイプで柔らかくは仕上げてあるが箸で掴めないようなトロトロ焼豚とは違い、赤身と脂身の双方の旨さを引き出すピンポイントで止めてある。また、どちらの焼豚も薬味の白ねぎとの相性が良すぎて、ついつい食べ過ぎてしまい白ねぎが最後まで残っていないのが悲しいとこだ。

追加の味玉は、常温よりも冷たいのが唇から伝わってきたのが少し残念。半熟なので熱々とは言わないが、せめて常温以上なら熟成した黄身の甘みも増して感じ取れるはずだと思った。

メンマは長めの物が何本も添えてある。甘みを感じる味付けがスープの中でも活き活きとして、素材の香りも残しながら絶妙に味付けしてある。太さがバラバラだが、それぞれに個性があり噛むたびに変化をもたらしてくれる。

薬味はシンプルに白ねぎの小口切りと大きな海苔だけだが、どちらも脇役としての使命を全うしている。白ねぎは、生のまま切りっぱなしで添えてあるが、厚みを少しだけ持たせて丁寧に切られているので、スープに混ぜると新鮮なネギの香りだけがスープに移り、加熱される事で甘みと食感が優しくなる。ただ単に切りっぱなしに見える白ねぎだが、麺を食べてる最中に変化して香り、甘み、食感の全てを担う薬味になっている。海苔もまた品質と鮮度と保管の良さが、口に入ればすぐに伝わってくる。香りと口溶けの良さには、いつも感心させられる。

午前中の前食から3時間近く経っていたので何の問題もなく胃袋に収まっていった。これならば初の特製にもチャレンジ出来たのではないかと思うくらいに後味が良い。

やはり昨年の衝撃は間違いでは無かった事を確認した一杯でした。

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