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平日 晴天 13:30 待ちなし 先客6名 後客3名〝新春うまいものめぐり〟と銘打って昨年お世話になって自分が美味しいと思った店だけを巡る贅沢な一週間を過ごそうと決め各地を巡っている最中なのだ。新店めぐりも楽しいが好みのラーメンに出会う機会はかなり少なく残念な思いをする事も多いので、今週は好きなラーメンだけを食べて一年の景気をつけようと思う。本日は寝坊して昼過ぎに目が覚めてしまい遠出は難しいのでアクセスの良い港区にて検索してみる。昨年中に港区内で訪ねた店は11軒あるが美味しいと思う自己基準の85点を超えた店はたったの1軒しかない。その店がこちらで三度の訪問の度に美味しいラーメンを与えてくれる。そこで最寄り駅を目指して都バス 01系統 新橋駅前行にてランチピークが終わった頃を見計らって向かった。渋谷駅前の再開発が進むビルを見上げながらバスに乗り込むと六本木通りを青山、西麻布、六本木、溜池、虎ノ門と人の多い場所をつなぐ路線バスの乗車率は高く都バス屈指の乗客数なのが分かる。そんなモンスター路線に揺られ40分程すると最寄りの新橋駅北口バス停に着いた。そこから芝方面に10分ほど歩くと少しだけ馴染みのある店先が見えてきた。この時間帯でも行列は覚悟していたが人影もなく店内を覗くと空席もありそうだ。満席だったとしても先に食券を購入してから並び直すシステムなので、とりあえず店内の券売機の前に進んだ。するとお母様から、こちらが準備できますのでとの席の案内があった。券売機の前で品定めをするが最上部に位置する醤油系が全て売切れとなっている。選択肢は塩系か冬季限定の坦々麺の二択となったが坦々耐性が乏しい私には塩系しか選ぶ余地はなく味玉を追加して発券し一席だけ空いていたカウンターに座り店内を眺める。本日も二人営業での切り盛り。ピーク時は醤油系が品切れになるほど忙しかったのだろう。しかしこちらは醤油系も塩系も基本のスープは同じものを使っているので無くなったのは醤油ダレだろうか。スープ切れと言うのはあってもカエシ切れとはあまり聞いた事がないがカエシを熟成させる店なら有り得る事態かもしれない。本日の客層も私以外は仕事の昼休みといったところだ。年齢層は若めで女性客も多く見られる。無化調を謳っているこちらへ集まる新橋女子もIT系(意識高い系)が多いようだ。そんな事を考えていると着席後、次の、ロットで我が杯が到着した。ワンロット2杯の丁寧な仕事から生まれたラーメンの姿は白磁の切立丼の中で気品のある美しさを見せる。ひとつひとつの具材にも細やかな仕事ぶりが表れていて視覚からも脳を刺激する。まずは薄香色のスープをひとくち。第一印象は塩ラーメンとは思えないような円やかな甘味が口内を覆い尽くす。丸鶏や野菜などの甘みに加え味醂のような甘みもあるが喉を刺すような尖ったしつこさは無くホッと落ち着かせてくれるスープだが上質な吸い地のようでもある。かと思えば鰹節を主とした血合い特有の酸味がある魚介系の出汁がスープにキレを持たせる。そこに穏やかながら味を決定づける塩ダレの塩味が加わることで甘 辛 酸が三位一体となって脳へ旨いという信号を送り続ける。さらには香味油から微かに香る魚介の風味も後押しする。清らかに澄んで見えるスープだが奥深さに圧倒されて、たったひとくちでスープの旨みに引き込まれる。麺上げまでわずか35秒の中細ストレート麺は麺肌に見られる胚芽の粒からも全粒粉入りとすぐにわかる。中盤にピークを迎えるように設定されているのか最初に箸で持ち上げた時には少し硬めの表情をみせる。そのまま口に運ぶと予想通りにしっかりとしているがゴワつきは感じない。むしろ麺肌はツルッとして麺肌の胚芽の色からもサルスベリの木を思わせる。前半はハリとコシも残しながらスープを吸って変わる表情が楽しみだ。具材は流行りのレアチャーシューだが他とは一線を画す出来映えで、鶏ムネ肉の低温調理焼豚はしっかりとした下味の良さが際立っている。白胡椒やローズマリーをきちんとムネ肉に擦り込んでから調理してあるので肉の中心部まで味が浸透している。砂糖と塩の浸透圧による計算式が成せる技だろう。しかもレアと言えどもタンパク質は変化しているので繊維を感じながらもしっとりと仕上がっている。一方の豚肩ロースの低温調理も下味のマリネが浸み込んでいるので焼豚としての存在感がある。赤ワインのつまみにしたいのはマリネ液にワインが使われているからだとしたら相性は間違いない。追加の味玉は美白肌で味玉としては物足りなさを感じる。いざ白身が唇に触れると黄身が弾ける程に柔らかく噛む事すら躊躇してしまう。そんな味玉を黄身が飛び散らないように慎重に箸で割ってみると驚くことにトロトロの黄身なのに形をとどめて流れ出してこない。美白ながらしっかりと熟成を重ねてゲル化されていた。全く醤油感のない味玉だが黄身には出汁の旨みが浸透し黄身の甘みを引き出す程度の塩気も入っている。どうすれば柔らかな白身の中で黄身だけを味付けし熟成させる事が出来るのだろう。味玉と言うよりは旨玉と呼ぶ方が適切な驚きのイリュージョン。去年はアンチ穂先メンマ派を名乗っていたが、こちらの穂先メンマに出会って反体制が緩んできている。それは下処理の良さだと思うが適度な食感を残して発酵食品であるメンマの独特の発酵臭を抜きすぎてない所が好きな決め手でもある。他店では食感も香りも抜きすぎて何を食べているのか分からないような穂先メンマが多い中で食感、香り、味付けの全てを備えている数少ないメンマだと私は思う。薬味は前回は焼豚と一緒に食すことで持ち味を発揮していたが今回は麺との相性を探ってみた。まずは麺とカイワレの相性だが、これまたアンチカイワレ派の私はボヤけた辛味の薬味よりもほうれん草や小松菜などの軽やかな苦味と食感の方が小麦粉の麺には合うと思う。粗めに刻まれた大葉も細く切りすぎると大葉どうしが絡まり合ってしまうのを避ける為に粗切りなのだろうが食感の悪さがどうしても出てしまう。刻み柚子と大葉の清涼感は塩スープには非常に合うが食感的には残念だった。青ねぎの小口切りはスープや麺との相性は良く薬味の定番である理由が裏付けられている。今年に入って最近は好みのラーメンばかり食べているので課題であるニボ耐性や味噌耐性がますます欠如しているような気がする。しかし今週は体調もすこぶる良く毎日が楽しいのは好きな相手と居られるからだと感じる一杯でした。
〝新春うまいものめぐり〟
と銘打って昨年お世話になって自分が美味しいと思った店だけを巡る贅沢な一週間を過ごそうと決め各地を巡っている最中なのだ。新店めぐりも楽しいが好みのラーメンに出会う機会はかなり少なく残念な思いをする事も多いので、今週は好きなラーメンだけを食べて一年の景気をつけようと思う。
本日は寝坊して昼過ぎに目が覚めてしまい遠出は難しいのでアクセスの良い港区にて検索してみる。昨年中に港区内で訪ねた店は11軒あるが美味しいと思う自己基準の85点を超えた店はたったの1軒しかない。その店がこちらで三度の訪問の度に美味しいラーメンを与えてくれる。
そこで最寄り駅を目指して都バス 01系統 新橋駅前行にてランチピークが終わった頃を見計らって向かった。渋谷駅前の再開発が進むビルを見上げながらバスに乗り込むと六本木通りを青山、西麻布、六本木、溜池、虎ノ門と人の多い場所をつなぐ路線バスの乗車率は高く都バス屈指の乗客数なのが分かる。
そんなモンスター路線に揺られ40分程すると最寄りの新橋駅北口バス停に着いた。そこから芝方面に10分ほど歩くと少しだけ馴染みのある店先が見えてきた。この時間帯でも行列は覚悟していたが人影もなく店内を覗くと空席もありそうだ。満席だったとしても先に食券を購入してから並び直すシステムなので、とりあえず店内の券売機の前に進んだ。するとお母様から、こちらが準備できますのでとの席の案内があった。
券売機の前で品定めをするが最上部に位置する醤油系が全て売切れとなっている。選択肢は塩系か冬季限定の坦々麺の二択となったが坦々耐性が乏しい私には塩系しか選ぶ余地はなく味玉を追加して発券し一席だけ空いていたカウンターに座り店内を眺める。
本日も二人営業での切り盛り。ピーク時は醤油系が品切れになるほど忙しかったのだろう。しかしこちらは醤油系も塩系も基本のスープは同じものを使っているので無くなったのは醤油ダレだろうか。スープ切れと言うのはあってもカエシ切れとはあまり聞いた事がないがカエシを熟成させる店なら有り得る事態かもしれない。
本日の客層も私以外は仕事の昼休みといったところだ。年齢層は若めで女性客も多く見られる。無化調を謳っているこちらへ集まる新橋女子もIT系(意識高い系)が多いようだ。
そんな事を考えていると着席後、次の、ロットで我が杯が到着した。ワンロット2杯の丁寧な仕事から生まれたラーメンの姿は白磁の切立丼の中で気品のある美しさを見せる。ひとつひとつの具材にも細やかな仕事ぶりが表れていて視覚からも脳を刺激する。
まずは薄香色のスープをひとくち。第一印象は塩ラーメンとは思えないような円やかな甘味が口内を覆い尽くす。丸鶏や野菜などの甘みに加え味醂のような甘みもあるが喉を刺すような尖ったしつこさは無くホッと落ち着かせてくれるスープだが上質な吸い地のようでもある。かと思えば鰹節を主とした血合い特有の酸味がある魚介系の出汁がスープにキレを持たせる。そこに穏やかながら味を決定づける塩ダレの塩味が加わることで甘 辛 酸が三位一体となって脳へ旨いという信号を送り続ける。さらには香味油から微かに香る魚介の風味も後押しする。清らかに澄んで見えるスープだが奥深さに圧倒されて、たったひとくちでスープの旨みに引き込まれる。
麺上げまでわずか35秒の中細ストレート麺は麺肌に見られる胚芽の粒からも全粒粉入りとすぐにわかる。中盤にピークを迎えるように設定されているのか最初に箸で持ち上げた時には少し硬めの表情をみせる。そのまま口に運ぶと予想通りにしっかりとしているがゴワつきは感じない。むしろ麺肌はツルッとして麺肌の胚芽の色からもサルスベリの木を思わせる。前半はハリとコシも残しながらスープを吸って変わる表情が楽しみだ。
具材は流行りのレアチャーシューだが他とは一線を画す出来映えで、鶏ムネ肉の低温調理焼豚はしっかりとした下味の良さが際立っている。白胡椒やローズマリーをきちんとムネ肉に擦り込んでから調理してあるので肉の中心部まで味が浸透している。砂糖と塩の浸透圧による計算式が成せる技だろう。しかもレアと言えどもタンパク質は変化しているので繊維を感じながらもしっとりと仕上がっている。
一方の豚肩ロースの低温調理も下味のマリネが浸み込んでいるので焼豚としての存在感がある。赤ワインのつまみにしたいのはマリネ液にワインが使われているからだとしたら相性は間違いない。
追加の味玉は美白肌で味玉としては物足りなさを感じる。いざ白身が唇に触れると黄身が弾ける程に柔らかく噛む事すら躊躇してしまう。そんな味玉を黄身が飛び散らないように慎重に箸で割ってみると驚くことにトロトロの黄身なのに形をとどめて流れ出してこない。美白ながらしっかりと熟成を重ねてゲル化されていた。全く醤油感のない味玉だが黄身には出汁の旨みが浸透し黄身の甘みを引き出す程度の塩気も入っている。どうすれば柔らかな白身の中で黄身だけを味付けし熟成させる事が出来るのだろう。味玉と言うよりは旨玉と呼ぶ方が適切な驚きのイリュージョン。
去年はアンチ穂先メンマ派を名乗っていたが、こちらの穂先メンマに出会って反体制が緩んできている。それは下処理の良さだと思うが適度な食感を残して発酵食品であるメンマの独特の発酵臭を抜きすぎてない所が好きな決め手でもある。他店では食感も香りも抜きすぎて何を食べているのか分からないような穂先メンマが多い中で食感、香り、味付けの全てを備えている数少ないメンマだと私は思う。
薬味は前回は焼豚と一緒に食すことで持ち味を発揮していたが今回は麺との相性を探ってみた。まずは麺とカイワレの相性だが、これまたアンチカイワレ派の私はボヤけた辛味の薬味よりもほうれん草や小松菜などの軽やかな苦味と食感の方が小麦粉の麺には合うと思う。
粗めに刻まれた大葉も細く切りすぎると大葉どうしが絡まり合ってしまうのを避ける為に粗切りなのだろうが食感の悪さがどうしても出てしまう。刻み柚子と大葉の清涼感は塩スープには非常に合うが食感的には残念だった。
青ねぎの小口切りはスープや麺との相性は良く薬味の定番である理由が裏付けられている。
今年に入って最近は好みのラーメンばかり食べているので課題であるニボ耐性や味噌耐性がますます欠如しているような気がする。しかし今週は体調もすこぶる良く毎日が楽しいのは好きな相手と居られるからだと感じる一杯でした。