レビューやランキングで探す、日本全国ラーメン情報
平日 晴天 10:35 先待ち1名 後待ち6名年の瀬も近づき街は一層も慌ただしさを増してきた。そんな世間に背を向けるように時間をもてあそぶ私は本日も〝今年の店は今年のうちに〟と銘打って今年オープンした店の中でまだ行ってない店を年内にどれだけ廻れるかを実行しているが終わりは見えず悪あがきを続けている、そこで今回スポットライトを当てたのが足立区だ。私の勝手なイメージでは足立区は田中組と牛骨一家の二大勢力が縄張り争いの抗争を繰り広げる危険な地域に思えて足を向けるのを拒んできた。現に足立区内のラーメン店を一度も訪れた事がない。これに気付いた時に知らず知らずの内に避けていた自身の勇気の無さを反省した。そこでRDBで足立区の新店情報を見てみると足立区内に今年オープンしたラーメン店は12店舗とかなり少ない。やはり二大勢力のシマだからなのかとガキの頃に見たヤクザ映画に思いを重ねてしまった。そんな少ない新店の中にオープンして一年近くにはなるが今年1月9日オープンのこちらを見つけた。以前より名前は知っていたが屋号の冠にある「つけ麺」の文字が訪問を躊躇させていた理由の一つでもある。つけ麺専門店だと思い込んでいたラーメン党の私はこちらの店の情報を得ようともせず今まで来たが、ちゃんと調べてみると限定なのだろうかラーメンの写真がアップされている。この写真を見た時に初の足立区上陸を決めた。11時開店前の現着を目指し自宅を9時半に出発。東武スカイツリーライン直通の半蔵門線に乗れば西新井駅での乗換えだけで一時間弱で最寄りの竹ノ塚駅に着く。道中の電車内で予習をするが塩清湯スープのラーメンはやはり限定のようだ。本日それが無かったとしたら初の足立区上陸作戦は大失敗に終わる事を心配しながら竹ノ塚に降り立った。駅からはすぐ近く迷わずに店先に着いた。開店25分前の現着でもすでに並びがあり人気の高さをうかがい知る。軒下の外待ちイスにて待機しながら店頭のメニューやポップに目をやる。全ての貼り紙がつけ麺に関するものでラーメンへの情報が無く心配になり外設置の券売機を覗き込むがラーメンのボタンがどこにもない。更に目を凝らして見ると手書きで塩ラーメンありますの貼り紙を見つけた。これで少し安堵したが食券はどれを購入すれば良いのだろうかと新たな不安が訪れた。すると中から店主さんが開店前に注文を取りに来てくれたのでラーメンを食べたいと告げると同額の900円の食券を買ってくださいとの事。これで全ての不安が解消された。定刻になり入店開始。指示通りに食券を購入し味玉を追加発券しカウンターに腰を下ろし店内を物色する。オープン1年目にしては年季の入った店内を三人体制で仕切っている。いささか乱雑に見えん店内だが、それだけラーメン作りに没頭している証でもあるのだろう。そんな店内にはつけ麺屋っぽい豚骨や煮干しの香りはなく爽やかな酸味が漂っている。もしかしたら卓上にある自家製のフルーツ酢の仕込み後なのだろうか。その香りに胃袋が反応して食欲がMAXに満ちた。入店前にオーダーを聞かれていたので提供時間は早く着席して3分程で我が杯が到着した。下皿に乗った白磁のシャープな切立丼の中の姿は同系色のグラデーションが美しい。食べる前に視覚からオーラを感じさせてくれる。まずは粒子のまばらな鶏油の浮かぶ砥粉色のスープをひとくち。寒空の下で待っていた身体には有難い熱々のスープの温度だ。味覚の先頭争いをするのは鶏清湯の滋味と貝出汁の旨みだが、貝出汁のスタートダッシュが効いている。重厚な貝のコクを感じるがエグ味にもなり兼ねないエキスを最大限に引き出している。その個性のある出汁の後ろで支えているのが鶏ガラなどの安定感の出汁の旨みだ。安定感を築いているのはそれだけではなく非天然由来の旨味成分の力も借りているが過剰な配合でないので私には有難い。香りよりも旨みが際立ったスープだ。塩ダレはかなり強めの設定になっているので初動からスープの完飲は諦めた。タイトルには鶏と貝と煮干しとあるのだが前者の二つは確認できるが煮干しの風味を感じない。スープにも煮干し特有の水泡が浮いてないので煮干しと貝は出汁ではなく塩ダレか香味油にエキスを抽出しているのかと思った。そのエキスを鶏清湯スープに合わせてあるのでクリアなキレのあるスープになっているのだろう。麺はスープよりも濃い色を放つ全粒粉入りの中細ストレート麺で麺上げまでは75秒ほど。箸で持ち上げると麺が互いに寄せ付け合うほどに麺肌にはグルテンが溶け出している。いざ口に運ぶと香りを抑えたスープよりも小麦の香りが口中に広がる。溢れ出したグルテンによってモッチリとした食感が噛みつぶす喜びに変わる。噛むたびに甘みは旨みに変化し箸のスピードが加速する。その麺の甘みとスープの塩気が肩を組んで喉元を過ぎて行くときにスープの強めな塩分の理由が把握できた。それほどにスープと麺のマッチングは素晴らしい。具材は鶏出汁に合わせた鶏ムネ肉のレアチャーシューが二枚。適度な厚みでスライスされていて繊維質を感じる食感も良し。火の通し加減もさる事ながら抜群のセンスを見せつけるのがソミュール液の味付けだ。浸透圧を考慮した糖分と塩分のバランスもそうだが、何よりスパイスの使い方が絶妙だ。淡白で無味になりがちな鶏ムネチャーシューに香辛料で爽やかな旨みと香りを移している。ローズマリーの清涼感と鶏肉の組み合わせは世界中で認められるコンビだが見事に再現してある。過ぎるでも足りないでもないスパイスの使い方には唸ってしまった。焼豚は豚肩ロースの低温焼豚も添えてあるが、かなりの薄切りゆえの加熱の速さが熱々のスープで裏目に出てしまった。冒頭では鮮やかなロゼ色を放っていたが麺を食べているうちに加熱されてしまい本来のしっとり感を楽しむ事が出来なかった。先に避難させなかったことを悔やんだ。薄切りなので赤身の旨みはさほど感じなかったので追加料金を払ってでも厚切りでしっとりとした焼豚を食べてみたい。追加の味玉はスープとの相性は今ひとつに思った。敢えて色素を付けてない点や味付けとしては珍しい練乳を使ってミルキーな甘みを浸み込ませた味玉は基本のつけ汁には間違いなく映えるだろうが鶏清湯スープの中では異質で浮いていると思った。下茹での半熟加減が絶妙だっただけに違う熟成タイプの味玉を期待する。太メンマは特筆する点がない優等生。こちらもよくある味付けと非の無い食感なので業務用メンマなのではと思ってしまった。薬味はシンプルに白ねぎの笹切りのみと潔い決断をなさっている。つい柚子皮や三つ葉で色彩と香りのアクセントを加えたくなるような構成のスープだが敢えて香りを付けずに旨味を重ねることで完結している。その思いに呼応して一気に麺と具材は完食した。気持ち重ための塩分と不自然な旨味はあるが満足で箸を置いた。これ以下の塩分だと麺の旨みが呆けるかも知れないのでスープを最後まで楽しむ為に鰹出汁でスープ割をしてみたいとワガママな望みが出てしまった。またそれを許してくれそうな若主人の親切な応対が気持ちの良い一杯でした。
年の瀬も近づき街は一層も慌ただしさを増してきた。そんな世間に背を向けるように時間をもてあそぶ私は本日も
〝今年の店は今年のうちに〟
と銘打って今年オープンした店の中でまだ行ってない店を年内にどれだけ廻れるかを実行しているが終わりは見えず悪あがきを続けている、
そこで今回スポットライトを当てたのが足立区だ。私の勝手なイメージでは足立区は田中組と牛骨一家の二大勢力が縄張り争いの抗争を繰り広げる危険な地域に思えて足を向けるのを拒んできた。現に足立区内のラーメン店を一度も訪れた事がない。これに気付いた時に知らず知らずの内に避けていた自身の勇気の無さを反省した。
そこでRDBで足立区の新店情報を見てみると足立区内に今年オープンしたラーメン店は12店舗とかなり少ない。やはり二大勢力のシマだからなのかとガキの頃に見たヤクザ映画に思いを重ねてしまった。そんな少ない新店の中にオープンして一年近くにはなるが今年1月9日オープンのこちらを見つけた。
以前より名前は知っていたが屋号の冠にある「つけ麺」の文字が訪問を躊躇させていた理由の一つでもある。つけ麺専門店だと思い込んでいたラーメン党の私はこちらの店の情報を得ようともせず今まで来たが、ちゃんと調べてみると限定なのだろうかラーメンの写真がアップされている。この写真を見た時に初の足立区上陸を決めた。
11時開店前の現着を目指し自宅を9時半に出発。東武スカイツリーライン直通の半蔵門線に乗れば西新井駅での乗換えだけで一時間弱で最寄りの竹ノ塚駅に着く。道中の電車内で予習をするが塩清湯スープのラーメンはやはり限定のようだ。本日それが無かったとしたら初の足立区上陸作戦は大失敗に終わる事を心配しながら竹ノ塚に降り立った。
駅からはすぐ近く迷わずに店先に着いた。開店25分前の現着でもすでに並びがあり人気の高さをうかがい知る。軒下の外待ちイスにて待機しながら店頭のメニューやポップに目をやる。全ての貼り紙がつけ麺に関するものでラーメンへの情報が無く心配になり外設置の券売機を覗き込むがラーメンのボタンがどこにもない。更に目を凝らして見ると手書きで塩ラーメンありますの貼り紙を見つけた。これで少し安堵したが食券はどれを購入すれば良いのだろうかと新たな不安が訪れた。すると中から店主さんが開店前に注文を取りに来てくれたのでラーメンを食べたいと告げると同額の900円の食券を買ってくださいとの事。これで全ての不安が解消された。
定刻になり入店開始。指示通りに食券を購入し味玉を追加発券しカウンターに腰を下ろし店内を物色する。オープン1年目にしては年季の入った店内を三人体制で仕切っている。いささか乱雑に見えん店内だが、それだけラーメン作りに没頭している証でもあるのだろう。そんな店内にはつけ麺屋っぽい豚骨や煮干しの香りはなく爽やかな酸味が漂っている。もしかしたら卓上にある自家製のフルーツ酢の仕込み後なのだろうか。その香りに胃袋が反応して食欲がMAXに満ちた。
入店前にオーダーを聞かれていたので提供時間は早く着席して3分程で我が杯が到着した。下皿に乗った白磁のシャープな切立丼の中の姿は同系色のグラデーションが美しい。食べる前に視覚からオーラを感じさせてくれる。
まずは粒子のまばらな鶏油の浮かぶ砥粉色のスープをひとくち。寒空の下で待っていた身体には有難い熱々のスープの温度だ。味覚の先頭争いをするのは鶏清湯の滋味と貝出汁の旨みだが、貝出汁のスタートダッシュが効いている。重厚な貝のコクを感じるがエグ味にもなり兼ねないエキスを最大限に引き出している。その個性のある出汁の後ろで支えているのが鶏ガラなどの安定感の出汁の旨みだ。安定感を築いているのはそれだけではなく非天然由来の旨味成分の力も借りているが過剰な配合でないので私には有難い。香りよりも旨みが際立ったスープだ。
塩ダレはかなり強めの設定になっているので初動からスープの完飲は諦めた。タイトルには鶏と貝と煮干しとあるのだが前者の二つは確認できるが煮干しの風味を感じない。スープにも煮干し特有の水泡が浮いてないので煮干しと貝は出汁ではなく塩ダレか香味油にエキスを抽出しているのかと思った。そのエキスを鶏清湯スープに合わせてあるのでクリアなキレのあるスープになっているのだろう。
麺はスープよりも濃い色を放つ全粒粉入りの中細ストレート麺で麺上げまでは75秒ほど。箸で持ち上げると麺が互いに寄せ付け合うほどに麺肌にはグルテンが溶け出している。いざ口に運ぶと香りを抑えたスープよりも小麦の香りが口中に広がる。溢れ出したグルテンによってモッチリとした食感が噛みつぶす喜びに変わる。噛むたびに甘みは旨みに変化し箸のスピードが加速する。その麺の甘みとスープの塩気が肩を組んで喉元を過ぎて行くときにスープの強めな塩分の理由が把握できた。それほどにスープと麺のマッチングは素晴らしい。
具材は鶏出汁に合わせた鶏ムネ肉のレアチャーシューが二枚。適度な厚みでスライスされていて繊維質を感じる食感も良し。火の通し加減もさる事ながら抜群のセンスを見せつけるのがソミュール液の味付けだ。浸透圧を考慮した糖分と塩分のバランスもそうだが、何よりスパイスの使い方が絶妙だ。淡白で無味になりがちな鶏ムネチャーシューに香辛料で爽やかな旨みと香りを移している。ローズマリーの清涼感と鶏肉の組み合わせは世界中で認められるコンビだが見事に再現してある。過ぎるでも足りないでもないスパイスの使い方には唸ってしまった。
焼豚は豚肩ロースの低温焼豚も添えてあるが、かなりの薄切りゆえの加熱の速さが熱々のスープで裏目に出てしまった。冒頭では鮮やかなロゼ色を放っていたが麺を食べているうちに加熱されてしまい本来のしっとり感を楽しむ事が出来なかった。先に避難させなかったことを悔やんだ。薄切りなので赤身の旨みはさほど感じなかったので追加料金を払ってでも厚切りでしっとりとした焼豚を食べてみたい。
追加の味玉はスープとの相性は今ひとつに思った。敢えて色素を付けてない点や味付けとしては珍しい練乳を使ってミルキーな甘みを浸み込ませた味玉は基本のつけ汁には間違いなく映えるだろうが鶏清湯スープの中では異質で浮いていると思った。下茹での半熟加減が絶妙だっただけに違う熟成タイプの味玉を期待する。
太メンマは特筆する点がない優等生。こちらもよくある味付けと非の無い食感なので業務用メンマなのではと思ってしまった。
薬味はシンプルに白ねぎの笹切りのみと潔い決断をなさっている。つい柚子皮や三つ葉で色彩と香りのアクセントを加えたくなるような構成のスープだが敢えて香りを付けずに旨味を重ねることで完結している。その思いに呼応して一気に麺と具材は完食した。
気持ち重ための塩分と不自然な旨味はあるが満足で箸を置いた。これ以下の塩分だと麺の旨みが呆けるかも知れないのでスープを最後まで楽しむ為に鰹出汁でスープ割をしてみたいとワガママな望みが出てしまった。またそれを許してくれそうな若主人の親切な応対が気持ちの良い一杯でした。