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平日 薄曇り 10:30 待ちなし 後客4名本日は課題店のひとつであるこちらへの初訪問を決定。昼夜の通し営業なので、いつでも行ける安心感から訪問が先送りになっていたのだ。11時オープン前の現着を目指して10時過ぎの銀座線に乗り込んだ。道中の車内で本日のお題を一考するためにRDBの皆さんの写真を参考にする。大好きな醤油ラーメンもあり麺の太さも選べるようで期待が高まるが、この時点ですでに心は決まっていた。渋谷から地下鉄に揺られること30分で最寄りの稲荷町駅に着いた。改札を抜け地上に出ると店はもうすぐのようだ。近い将来、世話になるであろう仏壇屋街を進むとインパクトのある黄色地に赤文字の看板が飛び込んできた。斜向かいにも雲呑が名物のラーメン屋があり、同じ通り沿いには喜多方ラーメンの店もあるようで10年前にはラーメン過疎地だったのが嘘のようなプチ激戦区である。さすがに開店30分前の現着は早すぎたようで近所を散策して時間をつぶす。定刻の10分前に店先に戻ったが人影もないので先頭で待機する。定刻になりオープンとなり券売機の前へと進み、お目当てのお題を迷うことなく発見してカウンターに座る。店内を眺めると奥にはテーブル席も設けられ席数も多いがツーオペで回している。スタッフ間の声がけのやりとりだけを耳にしているとフレンチの厨房内にいるような錯覚さえ覚える独特の緊張感のある雰囲気だ。フレンチ出身のシェフと聞いていただけに納得ができる。食券をカウンターに置いて待つこと5分もかからずに手際良く我が杯が到着した。受け皿に乗った双喜に龍の透かし彫りの入った白磁の切立丼の中からは昔懐かしい醤油ラーメンの香りが漂うが。最新式のレア焼豚の彩りがミスマッチにも思える不思議な世界観は古き良き時代と最先端を融合させた小林幸子さんの世界観と共通する。まずは鳶色のスープをひとくち。まったりとした鷄油のコクが口内を満たすと同時に現れたのは香り同様に昔懐かしい旨味だった。鶏ガラ主体の動物系スープに鰹節主体の魚介系スープの底上げとまとめ役の為に使われた例のアレが顔を出す。フレンチとは無縁の非天然由来の調味料を使わなければ昔ながらのラーメンは作る事が出来ないのだろうかと思うと残念な気持ちになる。醤油ダレの控えめな使い方などはとても中年好みなだけにもったいなく感じる。スープの不自然な旨味はさておき麺を楽しむ事とする。やや硬めに麺上げされた中細ストレート麺は微かに芯を残す茹で加減。加水も低いのでグルテン感も少なく、啜ってもボソッとした口当たりが最初の印象だ。初動ではスープとの一体感もなかったが一口食べるごとに麺肌は表情を変え折々の食感を与えてくれる。中盤からは小麦の風味が出てくるようになり甘みも感じるようになる。その自然な小麦の甘みを打ち消そうとするスープの不自然な旨味が邪魔をするのが心残りではあるが優秀な麺に思えた。具材は圧巻のビジュアルを誇る豚肩ロースの低温焼豚が二枚で認めるべき素晴らしい点は肉質の良さとハッキリとしたソミュール液の甘みと塩気のバランスだ。醤油などの旨味に頼らない下味だが豚肩ロースの赤身の持ち味を存分に引き出す味覚には感じない塩分の浸透の強さが素晴らしい。しかも厚切りなのでレアながら浸透圧で引き締まった肉質のを楽しめるのは恐れ入った。しかし厚切りゆえに豚肩ロースには特に多いスジの部分が嚙み切れずに口の中に残ってしまう。下処理の筋切りの悪さか低温加熱の時間不足だろうか最終的には不快に感じるレアチャーシューだった。追加の味玉は噛み付いた瞬間に冷たさが唇から伝わってきた。開店直後なので常温にも戻ってないのは良く経験するが、温めた味玉が好みなだけに不本意な結果となった。しかし味付けや熟成度は申し分ないだけに悔しさが残る。板メンマからは手仕事感が伝わってこなかった。メンマにまで手が掛けられないのは限定メニューに心血が注がれているからだろうか。薬味は香りと食感を白ねぎの小口切りが担当するが細やかな切り口が葱の香りを引き出し食感も大げさにならずに心地良さに徹する。青みのカイワレは色みだけしか自身を表現できずに、青みの王道であるほうれん草や小松菜には遠く及ばない。大判な海苔も品質も今ひとつで保管状態も悪いのか風味は飛んでしまっていた。終盤になると舌が痺れるような強さではなかったが不自然な旨味に口内も脳も占拠されてしまったのでスープを残して箸を置いた。確かに昔懐かしいイコール、あの謎の旨味という方程式は現代でも変えることの出来ない計算式なのかも知れない。私の親世代は簡単に旨味が付けられる調味料に慣らされた世代なので求める旨味が明確だ。その客層を取り込むには必要なのかも知れない。今後も謎の旨味と共存していかなければならない食社会の中で、たまには天然由来の旨味だけで満足できるものがある事を確認しなければいけないとIT系(意識高い系)な意見を投じたくなる一杯でした。
本日は課題店のひとつであるこちらへの初訪問を決定。昼夜の通し営業なので、いつでも行ける安心感から訪問が先送りになっていたのだ。11時オープン前の現着を目指して10時過ぎの銀座線に乗り込んだ。
道中の車内で本日のお題を一考するためにRDBの皆さんの写真を参考にする。大好きな醤油ラーメンもあり麺の太さも選べるようで期待が高まるが、この時点ですでに心は決まっていた。渋谷から地下鉄に揺られること30分で最寄りの稲荷町駅に着いた。改札を抜け地上に出ると店はもうすぐのようだ。
近い将来、世話になるであろう仏壇屋街を進むとインパクトのある黄色地に赤文字の看板が飛び込んできた。斜向かいにも雲呑が名物のラーメン屋があり、同じ通り沿いには喜多方ラーメンの店もあるようで10年前にはラーメン過疎地だったのが嘘のようなプチ激戦区である。さすがに開店30分前の現着は早すぎたようで近所を散策して時間をつぶす。
定刻の10分前に店先に戻ったが人影もないので先頭で待機する。定刻になりオープンとなり券売機の前へと進み、お目当てのお題を迷うことなく発見してカウンターに座る。店内を眺めると奥にはテーブル席も設けられ席数も多いがツーオペで回している。スタッフ間の声がけのやりとりだけを耳にしているとフレンチの厨房内にいるような錯覚さえ覚える独特の緊張感のある雰囲気だ。フレンチ出身のシェフと聞いていただけに納得ができる。
食券をカウンターに置いて待つこと5分もかからずに手際良く我が杯が到着した。受け皿に乗った双喜に龍の透かし彫りの入った白磁の切立丼の中からは昔懐かしい醤油ラーメンの香りが漂うが。最新式のレア焼豚の彩りがミスマッチにも思える不思議な世界観は古き良き時代と最先端を融合させた小林幸子さんの世界観と共通する。
まずは鳶色のスープをひとくち。まったりとした鷄油のコクが口内を満たすと同時に現れたのは香り同様に昔懐かしい旨味だった。鶏ガラ主体の動物系スープに鰹節主体の魚介系スープの底上げとまとめ役の為に使われた例のアレが顔を出す。フレンチとは無縁の非天然由来の調味料を使わなければ昔ながらのラーメンは作る事が出来ないのだろうかと思うと残念な気持ちになる。醤油ダレの控えめな使い方などはとても中年好みなだけにもったいなく感じる。
スープの不自然な旨味はさておき麺を楽しむ事とする。やや硬めに麺上げされた中細ストレート麺は微かに芯を残す茹で加減。加水も低いのでグルテン感も少なく、啜ってもボソッとした口当たりが最初の印象だ。初動ではスープとの一体感もなかったが一口食べるごとに麺肌は表情を変え折々の食感を与えてくれる。中盤からは小麦の風味が出てくるようになり甘みも感じるようになる。その自然な小麦の甘みを打ち消そうとするスープの不自然な旨味が邪魔をするのが心残りではあるが優秀な麺に思えた。
具材は圧巻のビジュアルを誇る豚肩ロースの低温焼豚が二枚で認めるべき素晴らしい点は肉質の良さとハッキリとしたソミュール液の甘みと塩気のバランスだ。醤油などの旨味に頼らない下味だが豚肩ロースの赤身の持ち味を存分に引き出す味覚には感じない塩分の浸透の強さが素晴らしい。しかも厚切りなのでレアながら浸透圧で引き締まった肉質のを楽しめるのは恐れ入った。しかし厚切りゆえに豚肩ロースには特に多いスジの部分が嚙み切れずに口の中に残ってしまう。下処理の筋切りの悪さか低温加熱の時間不足だろうか最終的には不快に感じるレアチャーシューだった。
追加の味玉は噛み付いた瞬間に冷たさが唇から伝わってきた。開店直後なので常温にも戻ってないのは良く経験するが、温めた味玉が好みなだけに不本意な結果となった。しかし味付けや熟成度は申し分ないだけに悔しさが残る。
板メンマからは手仕事感が伝わってこなかった。メンマにまで手が掛けられないのは限定メニューに心血が注がれているからだろうか。
薬味は香りと食感を白ねぎの小口切りが担当するが細やかな切り口が葱の香りを引き出し食感も大げさにならずに心地良さに徹する。青みのカイワレは色みだけしか自身を表現できずに、青みの王道であるほうれん草や小松菜には遠く及ばない。大判な海苔も品質も今ひとつで保管状態も悪いのか風味は飛んでしまっていた。
終盤になると舌が痺れるような強さではなかったが不自然な旨味に口内も脳も占拠されてしまったのでスープを残して箸を置いた。
確かに昔懐かしいイコール、あの謎の旨味という方程式は現代でも変えることの出来ない計算式なのかも知れない。私の親世代は簡単に旨味が付けられる調味料に慣らされた世代なので求める旨味が明確だ。その客層を取り込むには必要なのかも知れない。今後も謎の旨味と共存していかなければならない食社会の中で、たまには天然由来の旨味だけで満足できるものがある事を確認しなければいけないとIT系(意識高い系)な意見を投じたくなる一杯でした。