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「味玉ソバ ¥800」@支那ソバ 小むろの写真平日 晴天 10:50 先待ち2名 後待ち2名

本日は敬意を持って〝支那そば〟巡りをしようと思う。政界や文学界などでは時代ごとに支那論争が起こっているが、現代の食文化の中では支那という言葉に対しての軽侮の思いを持っている人などいるのだろうかと個人的には思ってしまう。支那を屋号に付ける店主さん達も日本蕎麦にはない中国大陸の麺文化を持ち込んで生まれた日本独自のラーメンに支那と付ける事でルーツへの敬意を表しているのだと思う。

そんな支那そばに触れたくて初訪問を決めたのがこちらの店だ。RDBで支那そば入力し検索すると無数の店が挙がってくる。それは店名に入ってなくてもいづれかの条件で引っ掛かるのだろう。その中の上位にBM済みのこちらを見つけたので昼の部の開店前を目指して家を出た。

銀座線から東西線へ乗り継ぎ50分ほどで最寄り駅の行徳駅の予定だ。浦安より先の駅には行ったことがなく行徳駅も初上陸となる。地下鉄と言えど台風や大雨の時に真っ先に運休になるのが理解できるような高架線で、もう冬の始まりだが車内に差し込む日差しは暖かく眠気を誘う。

眠気をふりほどき行徳駅に着き、ここからは歩いて店を目指す。駅前ではないが魚屋や洋菓子店、飲食店が並ぶ一角にこちらを見つけた。開店前に行列もあり人気の高さが伺える。外待ち椅子の三番目を保守しオープンを待つ。本日のお題を考えながら下調べしていると中目黒の老舗店のご出身のようだ。となればワンタンも気になり始めたが更年期の胃袋に相談したら即却下かれた。

定刻になり入店。券売機はなく卓上メニューから基本であろう醤油系を選び味玉だけは追加で口頭注文しカウンターに座り店内を眺める。かなり広い店内を三人体制で仕切る。店の奥には製麺室もありこだわりが随所に見られ期待大。開店直後には満席になり客層も年配層が多く更に期待は高まる。

調理場ではご主人のショータイムが始まった。いきなり丼を五つも並べた。これが全ての始まりだったのだ。醤油ダレと塩ダレを注文通りに丼に注いだら5人前の麺を沸騰した釜に投入し菜箸で幾度か麺を対流させた。今度は丼にスープを注ぎ各具材を準備して麺の茹で上がりを待つとラーメンでは珍しい差し水をしている。すると茹で時間90秒で麺上げ作業に入った。丁寧に一人前ずつ麺線をきれいに整えて盛り付けていく。5人前の麺上げを完了するまでの150秒の間に最初の麺は伸びてしまったいるのではないだろうかと心配になってきた。それと最後の麺はずっと茹でられたままで、茹で過ぎないための差し水なのだろう。

そこから提供されるまでの時間は茹で時間90秒に対して麺と具材を全て盛り付けるまでの時間は210秒と信じられない時間差だった。この全ての時間を計算してのワンロット5杯の作業だとしたら問題はないので冷静になりラーメンだけに集中する。

白磁の反高台丼の中の姿からは、これぞ支那そばと言わんばかりの表情で中年層には馴染みやすく流行りに乗らない健気な姿だ。

まずは霞みがかった紅鳶色のスープをひとくち。これもまた支那そばらしい動物系と魚介系のバランスが取れたスープ。香りなどで個性を主張するのではなく個性を打ち消すことで一体感を醸し出している。そこには非天然のまとめ薬も顔を出すが許容範囲内なので助かった。醤油ダレも鮮度よりも落ち着きを重視して地味ながらこのスープを支えている。

ここからは伸びが懸念される麺だが予想通りと言うか予想以上にひどい仕上がりだった。加水率は普通と思われるストレート中細麺だが食べる前からスープを吸ってパンパンに膨らみ、溶け出したグルテンが一本一本の麺肌をくっ付けてしまいスープの中で束となっている始末。ひとくち目から麺をほぐしながら食べないといけないとはあまりにも寂しいではないかと悲しくなった。箸先からも伝わってくるコシ抜けの麺は口当たりも歯応えも喉ごしの全てが残念。まして麺の量が多く食べる楽しみはなく苦痛すら感じた。すべてはワンロット5杯の提供スピードの仕業であろう。

具材は修行先譲りの釜焼き焼豚が二枚で昔ながらの広東式叉焼。豚ロースの赤身の肉質を引き出し果実系の蜜ダレの甘さを利かせた抜群の安定感に少し心が落ち着いた。

追加した味玉は修行先の台式煮玉子のルータンとは違う日式の半熟味玉だった。下茹でも味の浸みも良くこの支那そばの中では唯一の最新式で追加して良かったと思える味玉。

メンマは今回は敢えて支那竹と呼ぼう。細切りの支那竹は表面が滑りを持つ柔らかな仕上げで懐かしい味付け。本来ならコシのある麺との相性を楽しみたかったが今回はおあずけだ。

薬味は白ねぎが香りシャキッとした食感か所々に現れて持ち味を出し、海苔は口溶けよりも噛み応えと磯の香りが強くアクセント役を好演していた。

この時点で麺は肥大化を続けスープの中でヌシの如くのさばっていた。残念だが食べきることは出来ず箸とレンゲを置いた。

今回は麺の仕上がりだけが問題で悲しい結果となったが次回は開店直後を狙わずに落ち着いた時間帯でご主人との一対一のタイ麺勝負を挑みたいと思った。

本日の〝支那そば〟巡りは不本意なままに終わったが、改めて支那そばという言葉の響きや受け継がれた食文化に触れられて良かった。子供の頃に学んだ南シナ海の表記も問題視されてる世の中で支那ハラなどと言う言葉が生まれて来なければ良いのだがと心配してしまう一杯でした。

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