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平日 薄曇り 13:30 店内満席 先待ち1名 本日の綱島巡り二軒目となるこちらを目指す。先ほどは綱島と言ってもバスで20分も離れた煮干しの人気店から帰って来たばかり。確かに美味しかったが後味は煮干しが残っているので口内リセットと時間つぶしを兼ねて綱島駅前でカフェを探す。しかし大手チェーン店も見当たらず小さな喫茶店に入った。多少タバコの臭いが気になったが出てきたコーヒーカップがオールドノリタケだったのには驚いた。街の喫茶店にはこういうサプライズがあるから好きだ。数年前に新聞の購読をやめてからは電子版が当たり前になり喫茶店にでも来ない限り新聞紙を広げる事がなくなった。ひと通り記事に目を通したら一時間ほど経っていたがまだお腹に余裕はない。珈琲一杯であまり長居も失礼なので席を立ち外へ出た。こちらの店も駅から近くはないがバスで行くほどでもなさそうだ。ゆっくりと歩いて腹ごなししながら向かってみる。先ほどのラーメンが少なかったので歩いてるうちに腹も減るだろう。のらりくらりと時間もあるのでナビも開けずに向かってみる。住宅街に入り込んだが郊外の店には良くある光景なので何も心配はない。何となくの方向は分かっているので大丈夫だと言い聞かす。そろそろと思った角を覗いてもそれらしき店がない。もう少し先を見てもまだない。思ったよりも駅からは遠く時間は稼げた。いよいよ次はT字路の突き当たりなのでそこになければ道を間違えているのだ。恐る恐る見てみるとラーメン店があるが営業してる様子はなく入口には臨時休業の貼り紙。朝からの壮大な作戦が宙に舞った。うなだれて引き返そうとしたら何と向かいのラーメン屋こそが目的の店ではないか。閉まっていたのは違う店で、まさかこんな所にラーメン屋が向かい合わせであるとは思わなかった。起死回生の思いで暖簾をくぐる。店内は満席で券売機で購入中の人がいる。それに続いて発券し店内にて待機する。木の温もりのあるキレイな店内には修行先とされる荏原中延の老舗人気店と同じ香りが漂う。一瞬でテレポテーションしたかのようだ。若夫婦がふたりで切り盛りされていて接客も素晴らしく心地良い雰囲気。待つ事しばし、席が空き丁寧に片付けられてから案内される。配管設備のせいか調理場が客席よりも高く位置しているのでカウンターの前には高い壁がそびえる。そこに書かれてあるウンチクにも二人の人柄が表れているようで一切の押し付けがましさがない。タイミングもあるだろうが提供時間は早くはなく駅前の店と違って時間に余裕のある人たちには何の問題もないだろう。私もその内のひとりなので問題ない。慌てて70点のラーメンを出されるよりはちゃんと100点のものを出して欲しい。ゆっくりと待つ事12分で我が杯が到着。その姿は修行先と同じタコ唐草の高台丼の中で人懐っこい表情を浮かべていてホッとする。若いお二人が作るとは思えない落ち着きがある。修行先と比べられるのは本意ではないと思うが、やはり似ている。しかし、より丁寧でキュートに感じた。さっそくスープをいただく。キラキラと銀皮が光る半濁のスープをひとくち。豚ゲンコツと鶏ガラと魚介類の三本柱を感じるスープで当たり前だが店内の香りとピッタリ合致する。非天然由来の旨みに頼っている店は香りと味が一致しないことが多い。先ほど食べた煮干し系のせいかも知れないが、香味や苦味よりも煮干しの旨みエキスを抽出してあり過剰な風味はない。スープも素晴らしいが特筆すべきはこの麺だ。自家製された胚芽色の全粒粉のやや縮れたストレート中細麺は強さとしなやかさを持ち合わせる。ピークの少し手前で引き上げられてあり時間経過で表情を変えていく。初めはワシャワシャとした食感が食べ応えをあおり、徐々にスープと馴染んでふくよかな小麦の甘みが顔を出してくる。残念なのはそれと共にほんの少しのかんすいの匂いも麺をすすると顔を出す。具材の焼豚は部位の違う二種類。しっかりとした赤身の肉質を楽しむなら豚ロースで歯応えがあるが肉の旨みが少し抜けていた。とろりとした脂身を楽しむなら豚バラの煮豚型の方で柔らかくもあり旨みも閉じ込めてあった。追加の味玉も常温に戻してありスープの中にいても違和感がない。味の浸透もあっさりだがここが狙い所なのだろう。個人的にはあっさりしてるが黄身は熟成しているのが好みだ。メンマはクラシカルなタイプに見えるが固さを残しながらも繊維質は崩れてなくなる進化系。なかなか好みのメンマだった。大判な海苔も磯の香りが良く厚みもあり黒々として質の良さがわかる。多少、粗く切られたように見える白ねぎもスープで加熱され辛味と甘味のバランスが取れたところを焼豚と一緒に頬張ると得も言われぬ旨さが弾け飛ぶ。持論としてラーメンの白ねぎはスープや麺のために存在するのではなく全ては焼豚のためにあるのだ。関東には豚肉と白ねぎの文化が根本にあるので当然のことなのだ。逆に関西は牛肉と青ねぎの文化なので肉うどんに牛肉と青ねぎも当然の組み合わせなのだ。つい興奮してしまったが、連食なのにあっという間に平らげ丼の底が見えていた。身体にも優しく心にもうれしいラーメンに出会えたことを感謝する。周囲の客層も全員が同年代が求めているものが同じなのが分かる。今の若者たちはラーメンひとつに対しても選択肢が多く色んな経験をするのは大賛成だが忘れないで欲しいのはインパクトがあるのと印象に残ることは決して同じでは無いと言うこと。一口目でガツンと旨みを感じさせるラーメンと、食べ終えたあとに美味しかったと思えるラーメンとは違うのだから。ちなみに私の隣の席のおじさんが最後のスープをひとくち飲むたびに、ふぅっと吐息を吐いて美味しさを確かめているのが心に残った。本当においしいラーメンだったのだが若いお二人の伸びしろは計り知れず、更なる期待をしてしまいこの採点となった。こういう店は三十年後も残っているんだろうなと伝統の継承を感じながら、他人のことを考える前に自身の生命の事も考えろよと自分にツッコミを入れていた。次回は必ず腹ペコで特製を食べようと思う。益々のご繁盛は間違いないが、いつまでも温かく優しい雰囲気は残してくださいねと心から願う一杯でした。美味しかったです。
本日の綱島巡り二軒目となるこちらを目指す。先ほどは綱島と言ってもバスで20分も離れた煮干しの人気店から帰って来たばかり。確かに美味しかったが後味は煮干しが残っているので口内リセットと時間つぶしを兼ねて綱島駅前でカフェを探す。しかし大手チェーン店も見当たらず小さな喫茶店に入った。多少タバコの臭いが気になったが出てきたコーヒーカップがオールドノリタケだったのには驚いた。街の喫茶店にはこういうサプライズがあるから好きだ。
数年前に新聞の購読をやめてからは電子版が当たり前になり喫茶店にでも来ない限り新聞紙を広げる事がなくなった。ひと通り記事に目を通したら一時間ほど経っていたがまだお腹に余裕はない。珈琲一杯であまり長居も失礼なので席を立ち外へ出た。
こちらの店も駅から近くはないがバスで行くほどでもなさそうだ。ゆっくりと歩いて腹ごなししながら向かってみる。先ほどのラーメンが少なかったので歩いてるうちに腹も減るだろう。のらりくらりと時間もあるのでナビも開けずに向かってみる。
住宅街に入り込んだが郊外の店には良くある光景なので何も心配はない。何となくの方向は分かっているので大丈夫だと言い聞かす。そろそろと思った角を覗いてもそれらしき店がない。もう少し先を見てもまだない。思ったよりも駅からは遠く時間は稼げた。いよいよ次はT字路の突き当たりなのでそこになければ道を間違えているのだ。恐る恐る見てみるとラーメン店があるが営業してる様子はなく入口には臨時休業の貼り紙。朝からの壮大な作戦が宙に舞った。
うなだれて引き返そうとしたら何と向かいのラーメン屋こそが目的の店ではないか。閉まっていたのは違う店で、まさかこんな所にラーメン屋が向かい合わせであるとは思わなかった。起死回生の思いで暖簾をくぐる。
店内は満席で券売機で購入中の人がいる。それに続いて発券し店内にて待機する。木の温もりのあるキレイな店内には修行先とされる荏原中延の老舗人気店と同じ香りが漂う。一瞬でテレポテーションしたかのようだ。若夫婦がふたりで切り盛りされていて接客も素晴らしく心地良い雰囲気。
待つ事しばし、席が空き丁寧に片付けられてから案内される。配管設備のせいか調理場が客席よりも高く位置しているのでカウンターの前には高い壁がそびえる。そこに書かれてあるウンチクにも二人の人柄が表れているようで一切の押し付けがましさがない。
タイミングもあるだろうが提供時間は早くはなく駅前の店と違って時間に余裕のある人たちには何の問題もないだろう。私もその内のひとりなので問題ない。慌てて70点のラーメンを出されるよりはちゃんと100点のものを出して欲しい。
ゆっくりと待つ事12分で我が杯が到着。その姿は修行先と同じタコ唐草の高台丼の中で人懐っこい表情を浮かべていてホッとする。若いお二人が作るとは思えない落ち着きがある。修行先と比べられるのは本意ではないと思うが、やはり似ている。しかし、より丁寧でキュートに感じた。
さっそくスープをいただく。キラキラと銀皮が光る半濁のスープをひとくち。豚ゲンコツと鶏ガラと魚介類の三本柱を感じるスープで当たり前だが店内の香りとピッタリ合致する。非天然由来の旨みに頼っている店は香りと味が一致しないことが多い。先ほど食べた煮干し系のせいかも知れないが、香味や苦味よりも煮干しの旨みエキスを抽出してあり過剰な風味はない。
スープも素晴らしいが特筆すべきはこの麺だ。自家製された胚芽色の全粒粉のやや縮れたストレート中細麺は強さとしなやかさを持ち合わせる。ピークの少し手前で引き上げられてあり時間経過で表情を変えていく。初めはワシャワシャとした食感が食べ応えをあおり、徐々にスープと馴染んでふくよかな小麦の甘みが顔を出してくる。残念なのはそれと共にほんの少しのかんすいの匂いも麺をすすると顔を出す。
具材の焼豚は部位の違う二種類。しっかりとした赤身の肉質を楽しむなら豚ロースで歯応えがあるが肉の旨みが少し抜けていた。とろりとした脂身を楽しむなら豚バラの煮豚型の方で柔らかくもあり旨みも閉じ込めてあった。
追加の味玉も常温に戻してありスープの中にいても違和感がない。味の浸透もあっさりだがここが狙い所なのだろう。個人的にはあっさりしてるが黄身は熟成しているのが好みだ。
メンマはクラシカルなタイプに見えるが固さを残しながらも繊維質は崩れてなくなる進化系。なかなか好みのメンマだった。大判な海苔も磯の香りが良く厚みもあり黒々として質の良さがわかる。
多少、粗く切られたように見える白ねぎもスープで加熱され辛味と甘味のバランスが取れたところを焼豚と一緒に頬張ると得も言われぬ旨さが弾け飛ぶ。持論としてラーメンの白ねぎはスープや麺のために存在するのではなく全ては焼豚のためにあるのだ。関東には豚肉と白ねぎの文化が根本にあるので当然のことなのだ。逆に関西は牛肉と青ねぎの文化なので肉うどんに牛肉と青ねぎも当然の組み合わせなのだ。
つい興奮してしまったが、連食なのにあっという間に平らげ丼の底が見えていた。身体にも優しく心にもうれしいラーメンに出会えたことを感謝する。
周囲の客層も全員が同年代が求めているものが同じなのが分かる。今の若者たちはラーメンひとつに対しても選択肢が多く色んな経験をするのは大賛成だが忘れないで欲しいのはインパクトがあるのと印象に残ることは決して同じでは無いと言うこと。一口目でガツンと旨みを感じさせるラーメンと、食べ終えたあとに美味しかったと思えるラーメンとは違うのだから。
ちなみに私の隣の席のおじさんが最後のスープをひとくち飲むたびに、ふぅっと吐息を吐いて美味しさを確かめているのが心に残った。
本当においしいラーメンだったのだが若いお二人の伸びしろは計り知れず、更なる期待をしてしまいこの採点となった。
こういう店は三十年後も残っているんだろうなと伝統の継承を感じながら、他人のことを考える前に自身の生命の事も考えろよと自分にツッコミを入れていた。
次回は必ず腹ペコで特製を食べようと思う。益々のご繁盛は間違いないが、いつまでも温かく優しい雰囲気は残してくださいねと心から願う一杯でした。美味しかったです。