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「味玉らぁめん ¥880」@らぁめん山と樹の写真平日 晴天 12:00 待ちなし 先客4名 後客6名

先日、荻窪で食べたラーメンの事が寝ても覚めても頭から離れず開店前の再訪を目指して早めに家を出る。今回は違うテイストのラーメンを食べようと思っていたが、もし嫌いな一面を見てしまってその店が苦手になってしまったらどうしようと乙女心ならぬオッサン心が揺れる。あんなに好きだった荻窪の老舗店が今ではダメになってしまった過去もあり慎重に考え直す。やはり今はまだ舞い上がっているだけかも知れないので熱が冷めるのを待とうと思い電車を飛び降りる。それが高円寺だった。

時間はまだ11時。行く当てもないので駅前のコーヒーショップで計画を立て直す。一度は諦めようとしたものの脳も口も胃袋も醤油ラーメンを求めている。駅付近で検索しても好みの写真が出てこない。思い返せば高円寺に昼間に来た事がないのだ。あるのは夜中に酔っ払ってROCK BARになだれ込んだ事が数回だけ。ノープランでアウェイの地に踏み込んだことを後悔する。そうこうしていると11時半を過ぎた。止むを得ずカテゴリーを整理してないブックマーク店を片っ端から見てみると駅からは離れるがこちらの店を見つけた。下調べしている時間は無いが自分でBMしてるのだから何らかの興味があったのだろうと訪問を決める。

今から向かったとして12時ジャストだ。超人気店なら大行列は必至で気温の高さもさる事ながら湿気を含んだ南風が不快な中で行列に耐えられるか不安だった。環七沿いに進むともの凄い人だかりがあったが立ち食いそば屋の行列だった。歩道で食べている人がいるくらいの人気ぶり。その先にもラーメン定食系の店に行列ができていた。どちらもパワフルな客層だった。するとその隣にひっそりと暖簾がなびく店を発見。暖簾には屋号が書かれてあり外待ちがいない事に安堵する。私が入店した後には行列が続いていたので幸いにもギリギリだった。

店内に入り券売機で基本メニューに味玉だけ追加する。食券を手に好きなカウンター席を選んで着席。入口付近には製麺機が設置されてて初めて自家製麺だと知る。その製麺機の前に座り店内を眺める。製麺機の切刃の番手が大きく見えるので太麺なのだろうと推測をしていた。ワンオペにしては広すぎる店内だがカウンターはゆったりと席を配置して客数を緩和しているようだ。都内なら四席は作るだろうカウンターに二席だけと贅沢。お水なども勿論セルフサービスでご主人はラーメン作りに集中できる。

そのご主人を見ていると麺箱の中で麺を揉んでいる。もしやの手揉み平打ち麺ではないか。これも先日の丸ノ内線沿いで出会った手打ち麺の店に感動してから餅は餅屋、麺は麺屋派の私に自家製の平打ち麺にはうまい店がある事を知ってから考えが変わったのでこの手揉みはうれしい。

着席後のロットが私の番だったので待ち時間はさほどなく太麺ながら6分で到着。簡単に言えば清湯醤油系平打ち麺で想像通り。ただし様子が違うのが螺旋状の青ねぎだ。白ねぎにも一部ねじりが加えられていて突飛な印象を受ける。

白磁の高台丼に盛られた姿は青ねぎを除けば素朴な顔立ちで好印象を受ける。油膜も厚みはなくさっぱりとした感じだ。ラーメンをいただく前に脳内と口内を初期化するために水を口にしてリセット完了。

都会的な洗練された透明感ではなく田舎っぽさが残る淡にごりのスープをひとくち。まずは豚の脂の香りと旨みが口の中に膜を張る。その隙をかいくぐって鷄ガラスープのコクとキレ、魚介系のサポートを得て全体のバランスのとれた良質のスープ。それを穏やかな醤油のカエシがまとめ上げる。そのカエシからだろうか焼豚の煮汁のような豚脂の香りがする。この香りがこのスープの骨組みとなっている。

自家製の麺を箸でつかむとツルッと逃げようとするがちぢれのウェーブに箸が引っかかり逃げるのを阻止する。そのまま口に放り込むと唇がブルブルっと振動し脳からの美味しい信号が発信される。モチモチ感は最大級ではないがその分しっかりとした歯ごたえが生まれる。小麦の香りも数回噛むとじんわりと溢れてくる。極度に太くもないのでゴワつかず喉元を過ぎるまで心地良い。

具材は柔らかすぎて箸で持てないので全容は不明だがかなり大きな豚肩ロースの煮豚。ホロホロに煮込まれてあるのだが肉の旨みが閉じ込めてあるではなく逆に煮汁に逃げ出しているように思った。ゆえにカエシの旨みが濃くなっていると感じた。それはそれで良いことだが焼豚にとっては少し寂しい。せっかくの美味しい肉質なのでもう少し食感を残した作りでも良いのではと思った。

追加の味玉は下茹でが申し分なく半熟具合は素晴らしい。味付けも控えてあり味玉単体で食べるよりスープを浸して食べる方が自分にとってはベストだった。メンマには他の具材に比べて仕事量が感じられなかった。天然スープや自家製麺と手仕事の数が多いので大変なのだろう。何気なく海苔が添えられてあるが肉厚で良質な海苔は香りよりも歯ごたえを楽しむタイプ。

第一印象で違和感のあった螺旋状の青ねぎが思わぬところで本領を発揮する。形状通り切り口の断念が少ないので辛味が抜けずネギ自体が辛味を秘めている。伸ばすとかなりの長さがあり麺に絡みつくとこの上ない一体感を生む。さらにホロホロの焼豚と共に頰張ると焼豚の甘みとネギの辛味が渾然一体となり柔らかな焼豚に新たな食感を与えてくれてまるで一品料理を食べているかのよう。まさにネギチャーシュー。

スープをひとくち飲んで出来た口内の油膜が流れ落ちてきた頃から少し強めの塩味が気になり始めた。塩っぱすぎるわけではないが麺との相性を考えての塩分だと思ったがスープは残してしまった。

ガッツリ系が立ち並ぶ通りで優しい味を維持するのは大変だろうがそれを求めてくる子供連れがたくさんいるという事は自然な旨味をこれからも大事にして欲しいと思うとともに再訪を願う一杯でした。

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