なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 
2015年8月7日の大崎裕史の今日の一杯

東京都品川区荏原中延

粟国の塩そば

ラーメン業界に「96年組」という言葉がある。これは1996年にオープンした「麺屋武蔵」「くじら軒」「青葉」が後にラーメン業界に与えた影響が大きく、時代を大きく変えていった。そこでその3軒を称してそう呼んでいる。しかし、1996年にオープンした店はこの3軒だけではない。荏原中延にある「多賀野」もそう。前記の3軒は店舗展開をして勢力を伸ばしていったが、「多賀野」は1店舗のみ。スタッフこそ使っているが夫婦の二人三脚で安定したおいしさを提供し続けている。「安定」と言っても同じ味を継続しているわけではなく、常に改良・進化させている。いつ食べに行っても何を食べても「おいしい」のだ。それをもう20年近くも続けている。「96年組」の3軒は創業者がとっくに厨房を卒業しているが、「多賀野」の厨房にはいつも夫婦の姿がある。私は年に数回しか行けないがだいたいいつも2杯食べることにしている。どれもおいしくて1品に絞れないからだ。だいたいラーメン系とつけめん系を各一つずつ頼むことが多い。そして毎回新しい発見がある。それは常においしいものを提供したいと考えて改良しているからだ。メニューもラーメン系で基本4種類。つけそば系が3種類。来年20年目を迎える老舗になるが、ここ20年で今が一番うまいと思わせてくれる努力と工夫が素晴らしい。うまい店と好きな店は違うと思うがここだけは「うまい店」であり、「好きな店」である。年に数回ではあるが私が20年間通い続けている数少ないラーメン店。まだまだ今のスタイルで続けていって欲しい。
今回紹介するのは地味ながら脇役になっているが、実に見た目も綺麗!そして食べても美味しい!「粟国の塩そば」750円。一般的には醤油味の「中華そば」でマスコミに出ることが多いがこの「粟国の塩そば」もうまい。なんで塩ジャンルで上位に来ないのか?不思議なくらい。今日は「粟国の塩そば」オススメ!

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。