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「つけ麺 並 + 玉子」@忍八の写真 2日前に夜営業を狙ってフラれた大門「忍八」、確実を期してお昼時に再訪店(24日)。
 それにしてもこのお店、表通りからはまず気付かない薄暗い路地裏にある上、シャッターケースを赤く塗って店名を記しただけの看板で、さらに入口も狭く、ドアはなんと安アパートのようなべニア製。いくら地下鉄駅入口に近いからといっても、商売的にはかなりキビしい物件ですな……13時過ぎの入店で、先客ゼロ。
 白を基調とした内装、カウンターも真っ白で、どうしても汚れやすいラーメン屋としては珍しいチョイス。厨房のご主人を見れば……お、ちょっと「高嶋政宏」似の精悍な顔つき。有名ホテルのコック歴もあるとかで、確かにどこか「凛」とした雰囲気があり、意外とこの「白」も、ご主人の「心意気」の表れかも。注文は「つけ麺 並」(750円)と「玉子」(100円)、麺のゆで時間が少々長く、丼は約10分で到着。
 まずは、つけ汁を一口……うん、これはいい。ベースは豚骨・鶏ガラと聞く動物系ですが、バランスとしては鶏が少し強め。しかし、他店の豚骨・鶏ガラとは雰囲気が違い、筋も含めて煮詰めたような、いわゆる「フォン」のような洋風の味わい。強いて例えれば、スタイルが「ajito」に少し似ていますが、あちらが脂肪のフワフワ感を前面に押し出すのに対し、こちらはモミジ由来と思われるコラーゲンでサラリとした口あたりで、より繊細なスタイル。この動物系のベースに魚粉を加えて程よく味を調え、さらにトマトでスキッとした酸味を加えた上に、微妙な辛味で味の輪郭を引き締めています。実に丁寧でそれゆえ奥深く、あまりに予定調和的なバランスに、思わず唸ります。
 麺は屈曲した太麺、表面のツブツブが全粒粉使用を物語ります。取りあえず一本いただきますと……ギシッと歯を受け止めるような逞しい歯応え、前歯をあてても素直には噛み切れないほどの弾力で、「奥歯でよく噛め」と主張する麺。お望み通り、ジックリと咀嚼しますと……国産小麦の淡麗な甘みを中心に、ふっくら・ホクホクした甘みが口の中に広がります。コイツをつけ汁につけて「ズバァ~~ッ」とすすり、よくよく噛みますと……なんかこう、夕日に照らされた南欧の農場を眺めているような、実に穏やかで、豊かな世界。華美な派手さとは程遠く、かといって過度な質素感もなく、「干し草のベッド」に大の字になり、大きく息を吸い込むような……実に「牧歌的」な解放感。
 さらに、スープ割りも秀逸。つけ汁に、半透明の洋風ソース状のスープがかけられて、これを混ぜ込んですすりますと、グッと豚骨の風味が立ちあがると同時に、鶏もシナジーしてますます強く感じられ、なんとも力強い「ラスト・シーン」。スタンディング・オベーションものですな。
 ―――味玉は文句なしの一級品ですが、その他目立った具材は少量のチャーシューのみと、サラリーマンが多いこの場所でこの値段は、ウケがイマイチかも知れませんが……この一品は、食事というより「芸術品」、欲望ではなく「感性」で食べる一品ですな。「自己実現」としての味を貫く、ご主人の「凛」とした姿勢が心地よい、そんな路地裏のお店でした。

投稿(更新) | コメント (1) | このお店へのレビュー: 4件

コメント

こんばんは。
先日は期せずしてオフ会?を実施してしまいましたね(笑)
トマトを使用した酸味のきかせ方は、酢や柑橘類に頼らない点で僕の中
ではポイントが高かったです。あとは何と言っても全粒粉の麺ですかね。
あのような目立たない場所ながら近所のラーメンタワーに同じく今後が
楽しみなお店だと思っています。
ラーメンも食べてみたくなりましたが、ちょうど我々が食べている時に
「ラーメンOK」という声が厨房から聞こえたので、運が良ければ昼の部
で食べられるかもしれませんね。

Killa Queens | 2009年12月29日 19:45