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「濃厚蟹みそらーめん ¥880+味玉 ¥100」@濃厚蟹みそラーメン 石黒商店の写真平日 曇天 12:15 店内満席 先待ち2名 後客1名

〝ニューオープン 探検記〟

昨晩も最近のアジトとして活躍してくれている駒込のサウナ上がりに RDBを見ていると、新たな情報が挙がっていた。そこで初詣に参るために移動ルート諸々の計画を立てた。

駒込のサウナ「カプセル & サウナ ロスコ」は水風呂を含め、料理や飲料水にも地下より汲み上げた天然水を使用している。なので朝食に付く味噌汁が抜群に美味しいので、ついつい朝サウナ後に朝定食を食べてしまうのだ。本来ならば神保町でオープンした新店には、開店前の現着を目指すところだが、朝メシを食べたせいでスタートが出遅れて正午前の出発となってしまった。

このまま予定通りに神保町に着くとランチタイムのピークに遭遇してしまうので、ある程度の行列を覚悟して店へと向かった。駒込駅から巣鴨を経由して都営三田線に乗車して神保町駅に着くと、白山通りを後楽園方向へと歩いていく。

さすがに平日なので学生やサラリーマンで賑わっている大通り沿いにある、神保町名物となっている食べ放題の焼肉屋の大行列と、焼きそば屋の大行列の間の路地に佇む店先があった。知っていても通り過ぎてしまうような路地なので、開店祝いの花が並んでなければ見過ごしていたかもしれない。

昼時の真っ最中の現着となったが、心配された並びも少なく三番手で待機となった。多くの花の中には修行先と思われる有名味噌ラーメン店や、遠くは札幌からのお祝いも届いていた。やはり蟹を打ち出したメニューなので、北海道と縁があるのだろう。

店先にも蟹の匂いが漏れてきて食欲を刺激するが、大通りのイチョウ並木の銀杏が踏みつぶされた独特の臭いと重なって不快な臭いとなっている。早く季節が変わり、純粋な蟹の匂いだけを嗅ぎながら行列に並びたいものだ。

タイミングが良かったのか、店内から続々と先客陣が出てきて入店となった。先に食券の購入を案内されていたので、入口右手の券売機にて発券して回収されている。大きく〝蟹〟と書かれた、白のれんをくぐってカウンターに陣取った。

客層のほとんどが若い男性サラリーマンが占めているL字カウンター越しに店内を見渡すと、居抜き物件のような味わいが見られる。厨房設備こそ新しさがあるが、カウンターなどの設えは以前の飲食店の名残りがある。そんな店内を本日はオープン2日目という事で、万全の四人体制で回している。その内の、お二人が主に調理を担当していて本来ならばツーオペくらいが適当な客席数だろう。まだオープン直後で認知度が低いのか、私の来店後は昼時なのに客足が途絶えがちだ。なので私だけのロットで仕上がった我が杯が到着した。

その姿は屋号の書かれた赤色の高台丼の中で「これでもか!」と言わんばかりの盛りだくさんを見せつける。器を含めた、色とりどりの派手なビジュアルが印象的に映る。自称〝ラーメン保守党 清湯醤油大臣〟の肩書きを持つ私には、強い圧力を押し付けてくるガッツリ改革党の一員に見えた。そんな第一印象を受けながら、黒のレンゲを手にした。

まずはスープをひとくち。表層には多くの具材陣が盛り付けられているのでスープの本性が分かりづらいが、押し込むようにしてレンゲの中にスープを注ぎ込んだ。すると液体よりも油分の方が多く入ってきて、レンゲの中の半分近くを油膜が覆い尽くした。それだけ多くの香味油が使われているのだと推測する。確かに厨房内のガス台では、本日分と翌日分と思われる二台の中型寸胴鍋でスープが炊かれている。それよりも大きな寸胴鍋の中では大量の香味油を仕込んでいるので、それがスープに使われているのだろう。ひとまずはレンゲに注がれたままのスープを口にしてみると、灼熱の香味油が唇を襲ってくる。油分としてはサラリとしているが、凝縮された蟹のエキスを強く感じた。商品名の〝蟹みそ〟ではなく〝蟹の甲羅焼き〟のような甲殻類特有の香ばしさが先行するので、蟹の殻で抽出した蟹油と思われる。その油分を取り除けば、初めて蟹味噌の風味を持ったスープが顔を出した。土台となっているのは豚骨主体と思われる動物系の白濁スープで、寸胴鍋の中では蟹由来の赤い水泡が沸き立って見られた。濃厚というよりはオイリーといったスープに合わせる味噌は、油分の甘みに負けないように強めの塩分が潜んでいそうだ。全ての配合バランスは、麺のためにあると信じてレンゲを箸に持ち替えた。

麺上げまで170秒前後の中太ちぢれ麺はをスープの中から引き上げると、麺幅と麺厚のバランスから平打ち麺のようにも見える。18センチ程度に切り出しされた麺には、独特の黄色みのある麺肌を持っている。腕っぷしの強そうな麺を一気にすすり上げると、ちぢれ具合と麺の短さが生み出す口当たりが心地良い。ややハードに唇を刺激しながら飛び込んできた麺は、口の中でハリの強さをアピールする。暴れん坊なゴワつきを主張し続ける強麺を抑え込むように噛みつぶすと、モッチリとした歯切れの良さで答えてくれる。茹で麺機の横には太麺を得意とする浅草の製麺所の麺箱が積まれているので、北海道を思わせるスープと、東京屈指の太麺が見事にタッグを組んでいる。ストロングスタイル同士のスープと麺の組み合わせで、より最強タッグを目指して、激戦区である神田神保町に殴り込んできたようである。この強麺ならば時間が経ってもダレる心配はなさそうなので、豊富な具材たちを味わっていく。

具材のチャーシューには豚バラ肉の巻き煮豚が厚切りで盛り付けてあり、小ぶりながらも見た目の存在感は十分ある。箸で掴んでも崩れるような軟弱なタイプではなく、ずっしりとした重量級のチャーシューだ。味付けは煮汁の醤油感が立った仕上げとなっており、赤身と脂身のバランスが良い食べ応えを味わえる。

見た目には、まばらな染み方の浸透具合が心配になる味玉だ。いざ食べてみると、しっかりと温め直されているので熱いスープの中でも違和感なく味わえる。かなり小玉の卵で仕込まれているが、オレンジ色の黄身が熟成した旨みを放っている。見た目の心配をよそに、追加して良かったと思える味玉だった。

味噌ラーメンと相性の良いモヤシも茹で置きせずに、麺上げ作業と同時にモヤシを茹でていた。さすがに茹でたてなのでシャキッとした歯応えが残っており、食感でのサポートを見事にこなしていた。

これまた相性の良さは抜群である粒コーンが、強気なスープの塩気の中で自然な甘みで安らぎを与えてくれた。

大量に添えられた岩海苔は質の良さは香りや口溶けから分かったが、個人的には半分以下も入っていれば十分だったかと。終盤になると海苔の品質が良いだけに、海苔の印象しか残らないようになっていた。

薬味の赤タマネギとカイワレは彩り要員の役目が強く、味わいの点では貢献度は低かった。ただ赤タマネギの手切りの食感の良さは素晴らしかった。

最終的には岩海苔が液面を覆い尽くしたスープには手を付けずに、レンゲを置いてしまった。食べ終えて席を立ったのは 12時半すぎだったが、店内にはスタッフよりも少ない客数だけとなっていた。これから冬場を迎え、味噌ラーメンが恋しい季節がやって来る。その頃には通りの二大行列にも負けないような人気店になっている事を願いながら店を後にした一杯でした。

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