レビューやランキングで探す、日本全国ラーメン情報
平日 曇天 11:30 先客3名 後客12名〝いよいよサウナの聖地へ〟昨日は横浜みなとみらいの温泉施設を出発して横浜市内の新店「つけ麺 山崎」を訪ねた後、我が〝サ道〟のサンクチュアリとも呼べる、静岡のサウナを目指して新横浜駅のホームに立っていた。それはサウナーなら誰しもが一度は訪れたいと願う、サウナの聖地と呼ばれる「サウナ しきじ」に初めて詣るためである。新横浜 11:45発 こだま651号 名古屋行きに乗り込むと、ほんの1時間と少しで静岡駅に着いた。〝サ活〟だけでなく勿論〝ラ活〟のためにも、RDB静岡市総合ランキング第1位の店を調べておいたのだが、残念な事に本日の月曜日は定休日となっていた。仕方なく翌日の初訪問へと気持ちを切り替えて、静岡に訪れる楽しみの一つでもある「炭焼きレストラン さわやか」の〝げんこつハンバーグ〟を食べるために、新静岡駅の商業施設「セノバ」を目指した。平日のお昼すぎでも1時間以上の待ち時間だったが、予約の番号券を発券して同施設内でコーヒーを飲みながら時間を過ごした。その予約券は、QRコードで待ち時間を知らせてくれるサービスにも対応しているので安心だ。予想よりも早く呼び出しメールが届いたので、慌ててレストランまで駆け上がって入店となった。このままハンバーグレビューを続けていると、肝心のサウナレビューが少なくなってしまうので、この辺りにしておくが、静岡を訪れた際は是非とも食べてもらいたいハンバーグだ。ソースは半分だけ、かけてもらうのがツウっぽく見える上に、赤身肉本来の旨みを味わえるのでオススメだ。ハンバーグをつまみに生ビールを楽しむという、子供おじさんのような楽しみを終えると、少しだけ静岡の街並みを散策してから聖地へと向かう準備をする。ハンバーグ店の入る商業施設前の新静岡伝馬町バス停から、しずてつジャストラインという洒落たネーミングの路線バスに30分揺られると、終点の登呂コープタウンバス停までやって来た。来てみて初めて知ったが、かの有名な登呂遺跡とは静岡にあったのだ。バス停を降りると大通りの後ろには、憧れの「サウナ しきじ」の大きな看板が飛び込んできた。サウナといえば繁華街にあるのが都内での常識だが、関東のサウナの聖地と呼ばれる木更津の「サウナきさらづ つぼや」同様に交通量の多い通り沿いにサウナを構えているのだ。期待を胸に店前の駐車場まで来てみると、平日の午後5時前なのに多くの車が停まっている。中には湘南ナンバーや八王子ナンバーも見られ、さらに遠くは奈良や群馬からの車もあった。今回は泊まり料金での利用を目的としていたので、17時になるのを待って館内に入った。こちらはラーメン店のように券売機が置かれたフロントで、目的の宿泊料金と17時以降のタイムサービスのチケットを発券して館内着を受け取った。とても肌触りの良い館内着に袖を通す前に、さっそく大浴場へと向かった。すると浴室内には薬草サウナから漏れてくる、独特の香りで満ちている。それはまるでハムを燻したような薫香のようで、この匂いだけでもビールが飲めそうだ。そう思うと浴室内に置かれた休憩用のビーチチェアやベンチが、ビアガーデンのように見えてきた。110℃と高温なのに苦しくないドライサウナや、60℃なのに息苦しくなる程の薬草スチームサウナなどと書き記したい事が山ほどあるのだが、そろそろラーメンの件に入らないと削除依頼が心配なので手短かに〝聖地たる所以〟である水風呂の事だけを残しておきたい。いつからか〝サウナの聖地〟と呼ばれるようになった理由の一つに、施設内で使われている良質の〝水〟が挙げられる。もちろん水風呂にも使われていて、サウナーからは〝奇跡の水風呂〟と語り継がれている天然水なのだ。水風呂にも入らずとも、その澄んだ透明感は一目瞭然であり、贅沢にも常に掛け流し状態で水が湧き出ている。絶えず天井から滝のように落ちてくる水は飲料用としても可能なので、そのまま飲めると説明書きがされてある。現に地元の入浴客は大きなポリタンクを風呂場に持ち込んで、蛇口から水を汲んで持って帰る人も多くいた。実際にサウナの後で水風呂に入ってみたが水温とは関係なく、肌当たりの良さから通常の水風呂よりも長く入っていられるのだ。決して18℃の水温が高いわけではなく、むしろ同レベルの水温の水風呂と比べても冷たく感じるくらいだ。そのまま私も水を飲んでみたが、非常に柔らかな口当たりで一切の角を感じない名水だった。ようやく〝奇跡の水風呂〟を体感できた至高の悦びを得ると、さらなる高みを求めて、お決まりの食事処へと向かった。※ ここら辺りでラーメンの話題を入れておきたい。静岡では東京 高円寺発祥の「麺処 田ぶし」のテレビCMが流れていたが、関東でも放映されているのだろうか。私の中で静岡県内で飲む「キリン一番搾り」は都内で飲むものよりも美味いと常々思っているのだが、それも富士山麓からの天然水が由来するのだろうか。日本中を回って生ビールを飲んでいるが、キリン静岡工場の一番搾り樽生は群を抜いて美味いと思う。こちらは食事処と言っても特別な部屋があるわけではなく、休憩所の端にカウンターと円卓が数席だけ設けてある。ほとんどの入浴客は車で来ているので生ビールを飲んでいる人はおらず、大体の方は定食を目当てに来ているようだ。豊富なメニューの中でも圧倒的人気なのが「生姜焼き定食」のようで、半数以上の方がオーダーしていた。その定食の「まんが日本昔ばなし」に出てくるような大盛りの白めしが印象的だ。あの天然水で炊かれた白めしならば間違いなく美味いはずだが、夜中のタンパク質を控えているので泣く泣く断念した。定食は諦めたが、限定メニューのホワイトボードに書かれた「茄子のはさみ揚げ」を、つまみにしながら夜更けまで生ビールを楽しんでリクライニングチェアーに身を沈めた。翌朝に目が覚めて一番最初に飲んだ水の味が忘れられないくらいに、身体だけでなく心にも沁み渡るような味わいだった。人間の身体の約 60% は水である事を、生まれて初めて実感できた貴重な体験だった。いつまでも、ここの水に触れていたいと思いながら、静岡市総合ランキングの頂点に輝いているラーメン店に向かってみたが、まさかの定休日だった。RDBのお店情報によると定休日は月曜日だけだったが、火曜日の本日もシャッターは閉ざされたままだった。静岡まで遥々やって来た目的が〝サ活〟の為だったバチが当たったとのだと、反省しながら〝ラ活〟を中心に置いた店探しを始めると、最有力候補として挙がってきたのがコチラだった。ようやくラーメンレビューに入れる事を、我ながら嬉しく思いながら店を目指した。再び、しずてつジャストラインで新静岡駅まで戻ってくると、駅前の大通り沿いに屋号の書かれた白提灯を見つけた。黒壁の重厚な外観がシックで落ち着いた印象を与えてくれ、玄関に掛かった長のれんをくぐって店内に入った。入口正面に置かれた最先端のタッチパネル式券売機に戸惑いながらも、何とかマイスタンダードの醤油系を発券できた。商品写真を見ると基本でも味玉が入っているようなので、今回は追加なしの初期設定のみとした。ここで目に入ってきたのが券売機の横に飾られた有名人のサイン色紙で、その中に十数年前に書かれた RDBの御大のサインもあった。全国めぐりでも御大のサインは見た事がなかったので、いささか感動してしまった。ホールスタッフからカウンターへの誘導があったので、二ヶ所あるカウンターから調理場が少しだけ見える方のカウンターに腰を下ろした。お冷と紙おしぼりが配られ、食券を手渡す際に「大盛り無料」の案内があったが辞退して店内を見渡してみる。客席と調理場が完全に独立した店内を本日は三人体制で回しているが、調理工程が眺められないのが残念である。黒を基調とした客席には二枚のカウンターの他にも多くのテーブル席があり、入口には中待ち席まで用意された中規模クラスのラーメン店だ。店名が静岡店となっているのでチェーン店かと思っていたが、店内の貼り紙によると焼津に本店があるだけのようだ。チェーン店ではないにしろ安定感のあるオペレーションを眺めていると、着席して5分で我が杯が到着した。その姿はステンレス製の受け皿に乗せられた白磁の切立丼の中で、田舎っぽさを残した素朴な表情で出迎えてくれた。華美な要素や外連味のない景色を見ているだけで、自然と穏やかな気持ちになった。決して丁寧な盛り付けではないが、それも味わいの一つと感じられるから地方遠征は不思議だ。使われている器には、オリジナルのロゴが入っていたりと今っぽさがあるので、中身の素朴さとのギャップを楽しみながらレンゲを手にした。まずは照度の高い赤朽葉色のスープをひとくち。完全なる清湯ではないが透明度が、かなり高いスープの表層にはランダムなドットの香味油が薄っすらと浮かんでいる。油膜の層は薄いのでオイリーな印象は受けず、清湯野郎を自負している私向きに見えるスープに期待してレンゲを沈めてみた。そこには鶏出汁を思わせる香りを漂わせながら、サラリとしたスープがレンゲの中に注がれてきた。穏やかな様子のままのスープを口に含むと、鶏主体の旨みの中に鰹節などの魚介系のキレのある旨みも含まれている。見た目通りに派手さはないが、しっかりとバランスのとれた味わい深さがある。そこに合わせるカエシの塩分も程よく、際立った醤油香なども感じさせない優しいスープに仕上がっている。続いて麺をスープの中から引き上げてみると、麺上げまでジャスト50秒の中細ストレート麺が現れた。箸先には切刃のエッジやハリの強さが見られるが、変化の早そうな弱々しさも持ち合わせている。それを知り慌てて麺をすすり上げると、麺質よりも気になるクセが感じられた。それは麺に含まれるカンスイの臭いで、すすり込むたびに吸気に伴って入ってくる。麺の切り出しが随分と長いので、麺をすする事が必然と多くなるのが災いとなってしまった。本来ならば滑らかな麺肌の口当たりを楽しめそうな麺だけに、アンモニア臭にも似た不快な臭いは不必要だ。食べ応えとしては提供時がベスト麺ディションと思われ、アシが早そうな麺質なので麺がダレるのを懸念して早めに食べ進め、麺だけを八割ほど食べてから各種具材陣に取り掛かってみた。具材のチャーシューは基本でも二種類の豪華仕様で盛り付けてあり、鶏と豚肉の両者がそれぞれの個性を主張している。先に鶏モモ肉の方から食べてみると、しっかりと弾力感の歯応えが、麺の食べ応えの弱さをサポートしてくれる。微かに薫るスモーク香も過剰なアピールをせずに、ラーメン全体の中で密やかなスパイスとなっている。もう一枚の豚バラで仕込まれた巻き煮豚は、苦手な脂身が大半を占める部位だったが、とろけるような脂質ではなく、小ぶりで薄切りなのも手伝って印象には残らないチャーシューだった。後味として残ったのは、丁子や八角などの中華香辛料の独特の風味だったが、過度な主張をする訳ではなかった。初期値で入っている味玉なので批判するのは気が引けるが、残念ながら味玉ではなく色付き半熟ゆで卵だった。追加トッピングのボタンは「味玉」となっていたので押そうかと思ったが、追加しなくて良かったと思った味玉だった。メンマは食感を楽しむ為に硬めに仕込んであり噛み切れない程ではないが、麻竹の繊維が残り歯切れの悪さを生んでいた。薬味には青ネギの葉先の緑の部分と、茎元の白い部分が小口切りで添えてあると思ったが、白い方を良く見てみると白ネギが混ざっている事に気が付いた。大手食品メーカーは試作品をモニターする時に静岡県で行う事が多いと聞いたが、薬味にしても関東の白ネギと関西の青ネギの両方を添えて中立的な土地柄なのが納得できた。終盤には再び麺に戻ったが予想通りに劣化が進んでおり、弱々しい歯応えに拍車がかかり軟弱な麺へと変化していた。静岡市総合ランキング第1位への初訪問が失敗に終わり起死回生のリカバリーを狙ってみたが、渾身のショットとはならなかった。麺から感じたカンスイ臭は湯切り不足が原因だったのかもしれないが、それ以外に安定感があっただけに悔いが残った。しかし今回はフラれた第1位のラーメン店に再挑戦する為に、また〝奇跡の水風呂〟を訪れる大義名分が出来た事を、うれしく思いながら店を後にした一杯でした。
〝いよいよサウナの聖地へ〟
昨日は横浜みなとみらいの温泉施設を出発して横浜市内の新店「つけ麺 山崎」を訪ねた後、我が〝サ道〟のサンクチュアリとも呼べる、静岡のサウナを目指して新横浜駅のホームに立っていた。
それはサウナーなら誰しもが一度は訪れたいと願う、サウナの聖地と呼ばれる「サウナ しきじ」に初めて詣るためである。新横浜 11:45発 こだま651号 名古屋行きに乗り込むと、ほんの1時間と少しで静岡駅に着いた。〝サ活〟だけでなく勿論〝ラ活〟のためにも、RDB静岡市総合ランキング第1位の店を調べておいたのだが、残念な事に本日の月曜日は定休日となっていた。仕方なく翌日の初訪問へと気持ちを切り替えて、静岡に訪れる楽しみの一つでもある「炭焼きレストラン さわやか」の〝げんこつハンバーグ〟を食べるために、新静岡駅の商業施設「セノバ」を目指した。
平日のお昼すぎでも1時間以上の待ち時間だったが、予約の番号券を発券して同施設内でコーヒーを飲みながら時間を過ごした。その予約券は、QRコードで待ち時間を知らせてくれるサービスにも対応しているので安心だ。予想よりも早く呼び出しメールが届いたので、慌ててレストランまで駆け上がって入店となった。このままハンバーグレビューを続けていると、肝心のサウナレビューが少なくなってしまうので、この辺りにしておくが、静岡を訪れた際は是非とも食べてもらいたいハンバーグだ。ソースは半分だけ、かけてもらうのがツウっぽく見える上に、赤身肉本来の旨みを味わえるのでオススメだ。
ハンバーグをつまみに生ビールを楽しむという、子供おじさんのような楽しみを終えると、少しだけ静岡の街並みを散策してから聖地へと向かう準備をする。ハンバーグ店の入る商業施設前の新静岡伝馬町バス停から、しずてつジャストラインという洒落たネーミングの路線バスに30分揺られると、終点の登呂コープタウンバス停までやって来た。来てみて初めて知ったが、かの有名な登呂遺跡とは静岡にあったのだ。バス停を降りると大通りの後ろには、憧れの「サウナ しきじ」の大きな看板が飛び込んできた。サウナといえば繁華街にあるのが都内での常識だが、関東のサウナの聖地と呼ばれる木更津の「サウナきさらづ つぼや」同様に交通量の多い通り沿いにサウナを構えているのだ。
期待を胸に店前の駐車場まで来てみると、平日の午後5時前なのに多くの車が停まっている。中には湘南ナンバーや八王子ナンバーも見られ、さらに遠くは奈良や群馬からの車もあった。今回は泊まり料金での利用を目的としていたので、17時になるのを待って館内に入った。こちらはラーメン店のように券売機が置かれたフロントで、目的の宿泊料金と17時以降のタイムサービスのチケットを発券して館内着を受け取った。
とても肌触りの良い館内着に袖を通す前に、さっそく大浴場へと向かった。すると浴室内には薬草サウナから漏れてくる、独特の香りで満ちている。それはまるでハムを燻したような薫香のようで、この匂いだけでもビールが飲めそうだ。そう思うと浴室内に置かれた休憩用のビーチチェアやベンチが、ビアガーデンのように見えてきた。
110℃と高温なのに苦しくないドライサウナや、60℃なのに息苦しくなる程の薬草スチームサウナなどと書き記したい事が山ほどあるのだが、そろそろラーメンの件に入らないと削除依頼が心配なので手短かに〝聖地たる所以〟である水風呂の事だけを残しておきたい。
いつからか〝サウナの聖地〟と呼ばれるようになった理由の一つに、施設内で使われている良質の〝水〟が挙げられる。もちろん水風呂にも使われていて、サウナーからは〝奇跡の水風呂〟と語り継がれている天然水なのだ。水風呂にも入らずとも、その澄んだ透明感は一目瞭然であり、贅沢にも常に掛け流し状態で水が湧き出ている。絶えず天井から滝のように落ちてくる水は飲料用としても可能なので、そのまま飲めると説明書きがされてある。現に地元の入浴客は大きなポリタンクを風呂場に持ち込んで、蛇口から水を汲んで持って帰る人も多くいた。
実際にサウナの後で水風呂に入ってみたが水温とは関係なく、肌当たりの良さから通常の水風呂よりも長く入っていられるのだ。決して18℃の水温が高いわけではなく、むしろ同レベルの水温の水風呂と比べても冷たく感じるくらいだ。そのまま私も水を飲んでみたが、非常に柔らかな口当たりで一切の角を感じない名水だった。ようやく〝奇跡の水風呂〟を体感できた至高の悦びを得ると、さらなる高みを求めて、お決まりの食事処へと向かった。※ ここら辺りでラーメンの話題を入れておきたい。静岡では東京 高円寺発祥の「麺処 田ぶし」のテレビCMが流れていたが、関東でも放映されているのだろうか。
私の中で静岡県内で飲む「キリン一番搾り」は都内で飲むものよりも美味いと常々思っているのだが、それも富士山麓からの天然水が由来するのだろうか。日本中を回って生ビールを飲んでいるが、キリン静岡工場の一番搾り樽生は群を抜いて美味いと思う。こちらは食事処と言っても特別な部屋があるわけではなく、休憩所の端にカウンターと円卓が数席だけ設けてある。ほとんどの入浴客は車で来ているので生ビールを飲んでいる人はおらず、大体の方は定食を目当てに来ているようだ。豊富なメニューの中でも圧倒的人気なのが「生姜焼き定食」のようで、半数以上の方がオーダーしていた。その定食の「まんが日本昔ばなし」に出てくるような大盛りの白めしが印象的だ。あの天然水で炊かれた白めしならば間違いなく美味いはずだが、夜中のタンパク質を控えているので泣く泣く断念した。定食は諦めたが、限定メニューのホワイトボードに書かれた「茄子のはさみ揚げ」を、つまみにしながら夜更けまで生ビールを楽しんでリクライニングチェアーに身を沈めた。
翌朝に目が覚めて一番最初に飲んだ水の味が忘れられないくらいに、身体だけでなく心にも沁み渡るような味わいだった。人間の身体の約 60% は水である事を、生まれて初めて実感できた貴重な体験だった。いつまでも、ここの水に触れていたいと思いながら、静岡市総合ランキングの頂点に輝いているラーメン店に向かってみたが、まさかの定休日だった。RDBのお店情報によると定休日は月曜日だけだったが、火曜日の本日もシャッターは閉ざされたままだった。
静岡まで遥々やって来た目的が〝サ活〟の為だったバチが当たったとのだと、反省しながら〝ラ活〟を中心に置いた店探しを始めると、最有力候補として挙がってきたのがコチラだった。
ようやくラーメンレビューに入れる事を、我ながら嬉しく思いながら店を目指した。再び、しずてつジャストラインで新静岡駅まで戻ってくると、駅前の大通り沿いに屋号の書かれた白提灯を見つけた。黒壁の重厚な外観がシックで落ち着いた印象を与えてくれ、玄関に掛かった長のれんをくぐって店内に入った。
入口正面に置かれた最先端のタッチパネル式券売機に戸惑いながらも、何とかマイスタンダードの醤油系を発券できた。商品写真を見ると基本でも味玉が入っているようなので、今回は追加なしの初期設定のみとした。ここで目に入ってきたのが券売機の横に飾られた有名人のサイン色紙で、その中に十数年前に書かれた RDBの御大のサインもあった。全国めぐりでも御大のサインは見た事がなかったので、いささか感動してしまった。
ホールスタッフからカウンターへの誘導があったので、二ヶ所あるカウンターから調理場が少しだけ見える方のカウンターに腰を下ろした。お冷と紙おしぼりが配られ、食券を手渡す際に「大盛り無料」の案内があったが辞退して店内を見渡してみる。客席と調理場が完全に独立した店内を本日は三人体制で回しているが、調理工程が眺められないのが残念である。黒を基調とした客席には二枚のカウンターの他にも多くのテーブル席があり、入口には中待ち席まで用意された中規模クラスのラーメン店だ。店名が静岡店となっているのでチェーン店かと思っていたが、店内の貼り紙によると焼津に本店があるだけのようだ。チェーン店ではないにしろ安定感のあるオペレーションを眺めていると、着席して5分で我が杯が到着した。
その姿はステンレス製の受け皿に乗せられた白磁の切立丼の中で、田舎っぽさを残した素朴な表情で出迎えてくれた。華美な要素や外連味のない景色を見ているだけで、自然と穏やかな気持ちになった。決して丁寧な盛り付けではないが、それも味わいの一つと感じられるから地方遠征は不思議だ。使われている器には、オリジナルのロゴが入っていたりと今っぽさがあるので、中身の素朴さとのギャップを楽しみながらレンゲを手にした。
まずは照度の高い赤朽葉色のスープをひとくち。完全なる清湯ではないが透明度が、かなり高いスープの表層にはランダムなドットの香味油が薄っすらと浮かんでいる。油膜の層は薄いのでオイリーな印象は受けず、清湯野郎を自負している私向きに見えるスープに期待してレンゲを沈めてみた。そこには鶏出汁を思わせる香りを漂わせながら、サラリとしたスープがレンゲの中に注がれてきた。穏やかな様子のままのスープを口に含むと、鶏主体の旨みの中に鰹節などの魚介系のキレのある旨みも含まれている。見た目通りに派手さはないが、しっかりとバランスのとれた味わい深さがある。そこに合わせるカエシの塩分も程よく、際立った醤油香なども感じさせない優しいスープに仕上がっている。
続いて麺をスープの中から引き上げてみると、麺上げまでジャスト50秒の中細ストレート麺が現れた。箸先には切刃のエッジやハリの強さが見られるが、変化の早そうな弱々しさも持ち合わせている。それを知り慌てて麺をすすり上げると、麺質よりも気になるクセが感じられた。それは麺に含まれるカンスイの臭いで、すすり込むたびに吸気に伴って入ってくる。麺の切り出しが随分と長いので、麺をすする事が必然と多くなるのが災いとなってしまった。本来ならば滑らかな麺肌の口当たりを楽しめそうな麺だけに、アンモニア臭にも似た不快な臭いは不必要だ。食べ応えとしては提供時がベスト麺ディションと思われ、アシが早そうな麺質なので麺がダレるのを懸念して早めに食べ進め、麺だけを八割ほど食べてから各種具材陣に取り掛かってみた。
具材のチャーシューは基本でも二種類の豪華仕様で盛り付けてあり、鶏と豚肉の両者がそれぞれの個性を主張している。先に鶏モモ肉の方から食べてみると、しっかりと弾力感の歯応えが、麺の食べ応えの弱さをサポートしてくれる。微かに薫るスモーク香も過剰なアピールをせずに、ラーメン全体の中で密やかなスパイスとなっている。もう一枚の豚バラで仕込まれた巻き煮豚は、苦手な脂身が大半を占める部位だったが、とろけるような脂質ではなく、小ぶりで薄切りなのも手伝って印象には残らないチャーシューだった。後味として残ったのは、丁子や八角などの中華香辛料の独特の風味だったが、過度な主張をする訳ではなかった。
初期値で入っている味玉なので批判するのは気が引けるが、残念ながら味玉ではなく色付き半熟ゆで卵だった。追加トッピングのボタンは「味玉」となっていたので押そうかと思ったが、追加しなくて良かったと思った味玉だった。
メンマは食感を楽しむ為に硬めに仕込んであり噛み切れない程ではないが、麻竹の繊維が残り歯切れの悪さを生んでいた。
薬味には青ネギの葉先の緑の部分と、茎元の白い部分が小口切りで添えてあると思ったが、白い方を良く見てみると白ネギが混ざっている事に気が付いた。大手食品メーカーは試作品をモニターする時に静岡県で行う事が多いと聞いたが、薬味にしても関東の白ネギと関西の青ネギの両方を添えて中立的な土地柄なのが納得できた。
終盤には再び麺に戻ったが予想通りに劣化が進んでおり、弱々しい歯応えに拍車がかかり軟弱な麺へと変化していた。
静岡市総合ランキング第1位への初訪問が失敗に終わり起死回生のリカバリーを狙ってみたが、渾身のショットとはならなかった。麺から感じたカンスイ臭は湯切り不足が原因だったのかもしれないが、それ以外に安定感があっただけに悔いが残った。
しかし今回はフラれた第1位のラーメン店に再挑戦する為に、また〝奇跡の水風呂〟を訪れる大義名分が出来た事を、うれしく思いながら店を後にした一杯でした。