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平日 曇天 13:40 先客3名 後客1名〝ニューオープン パトロール〟前食の東武線の塚田駅から船橋駅まで戻ってくると、本日のメインイベントでもあるコチラでの連食のために駅構内でコーヒーを飲みながら腹が減るのを待った。本日の連食先に決めていたのがコチラなのだが、実は昨日に初訪問を果たしており二日続けての訪問となるのだ。昨日は具材が私の好みと違っただけで評価が伸びなかったのだが、スープと麺の相性が非常に良かったので近々の再訪を固く望んでいたのだ。そこで本日は再訪ありきで船橋に前泊して、連食計画を立ててまでも食べたいと思えるこちらを目指した。船橋駅の構内にて前食から二時間も過ぎると胃袋に空きスペースが出来てきたので、京成線を高砂駅で乗り継いで最寄りの京成立石駅へと向かった。あまり乗り慣れない京成線の上に、昨日とは違うルートになるので乗り換えを間違えないように注意しながら20分ほどで二日連続の立石駅に降り立った。ここまでくれば道に迷う事もなく店先に着いた。昨日の訪問時に「6月中は昼の部のみの60食限定」となっていたので早じまいを心配していたが、昨日と同じ藍色の暖簾が掛かっており一安心して店内に入った。船橋からの移動の最中だけでなく、昨晩から塩ラーメンのデフォルトを食べようと心に決めておいたので迷う事なくボタンを押した。基本設定なのでトッピングが少なく、昨日の減点理由となった味玉は除く事ができた。時間帯を遅くして訪れたせいか先客は少なく、好きな席へと案内されるとカウンターに腰を下ろして昨日同様に店内を観察する。本日も三人体制で回しているが、アイドルタイムを利用して明日分のスープの仕込みも並行して行われていた。奥のシンクでは冷凍ではない生の胴ガラの下処理の最中で、割り箸の先を使いながら肋骨間の血合いや肺などの灰汁となる不要な汚れを丁寧に取り除き洗い流している。その胴ガラ一羽あたりに3分近くも時間をかけて掃除された鶏ガラを見た時に、昨日のスープが透明感にあふれた美しすぎる姿にも納得ができた。そんな表には表れない裏方の細やかな仕事ぶりの大切さを思いながら待っていると、着席して12分で我が杯が到着した。今回は先客のロットを待ってからの私だけのロットでの提供となった。混雑時ではなかったのでスープ張りから麺上げと盛り付けまでの全行程をご主人自らが担っていて、さらには配膳までも行られていた。そんな店主渾身のラーメンの姿は、白磁の鳴門丼の中で煌びやかな輝きを見せながら目の前に登場した。前日の醤油系と器こそ同じだが第一印象は大きく異なる景色を見せてくれ、昨日の経験値も先入観も脱ぎ去ってレンゲを手にとれた。まずは明るい花葉色のスープをひとくち。非常にきめ細やかな粒子の鶏油が浮かんだ液面は、店内やスポットライトを乱反射してキラキラとまぶしく映える。ドットは細かいが、たっぷりと表層を覆った油膜を破るようにレンゲを沈めると更に粒子が分裂した。そんな鶏油も多く含んだスープを口にすると、レンゲの中のスープに対する鶏油のバランスが多すぎて油っぽさを感じてしまった。なので二口目はレンゲに浮かんだ油膜を息で吹き飛ばしてから、無垢の状態のスープを味わってみる。鶏油を除いた丸裸のスープは油膜の黄色みを失うと、本当の透明感だけが残っている。するとそこには純真な鶏出汁の旨みだけが詰め込まれていた。繊細でありながらも深みも兼ね備えたスープは清流と深海を併せ持つ、本来ならば共存するはずのない異世界が同居している。カエシの塩ダレも鶏出汁の旨みを引き立てる程度にアジャストされていて、飲み込んだ後の清涼感が心地良い。再訪時の楽しみの一つの要素でもあった自家製麺は、本日分に限ってかもしれないが国内産の〝春よ恋〟を使った中細のストレート麺だった。 ※ もちろん原材料の小麦粉を判別できる訳もないので券売機に貼られた説明書きで知りましたそんな高級銘柄の小麦粉に左右されないように気を引き締めて麺を持ち上げてみると、昨日よりは透明感の少ない麺肌には全粒粉のフスマが浮かび上がっている。麺上げまでは昨日と同じジャスト60秒で茹でられた麺は、箸先からでも強いハリやコシを感じられる。そんな見た目にも美しく美味そうな麺を一気にすすり込むと、切刃のエッジが鋭いキレのある口当たりを生み出している。ここまでは昨日の麺と大きな差はなかったが、明らかな違いが小麦の香り方から感じられた。本日の麺は非常に香り高くて、すすった瞬間から喉の奥に落ちていくまで気高い小麦の香りが持続していた。しかし奥歯を押し返すような弾力はなく、歯応えは弱くなっていた。店内には日清製粉の「荒武者」「麺無双」「筋斗雲 」などの外国産小麦の粉袋も置かれてあるので、日々違った小麦粉で麺を打っているのだろうか。そう思えば昨日の麺はもっちりとして外麦で打たれたような歯応えにも思える。スープによって麺を使い分けているようには見えなかったので、こちらの自家製麺は日々変化しているのだろう。これは益々再訪の機会が増えてしまいそうだ。いずれは、内麦特有の香りを残しながらも外麦の歯応えも感じられるような小麦粉のブレンド麺も味わえる日がやってきそうだ。具材のチャーシューは鶏ムネ肉の低温調理が小ぶりながら二枚入っている。それは低温調理が何たるかを熟知した仕上がりとなっていて、レアと半ナマを履き違えた偽物とは大違いのチャーシューだ。塩気を抑えた薄味ながらも下味のソミュール液には清涼感のあるスパイスが利いているので味がボヤけるような事はなく、噛むたびに素材の旨みとマリネ液の味わいを楽しむ事ができた。もう一つの肉部門の具材として鶏のツミレが醤油系と同じく入っている。今までレビューの中で何度か〝ツクネ〟と〝ツミレ〟の違いを説いてきたが、やはりラーメンの中に入るならば断固として〝ツミレ〟だと私は思う。それはさておき本題のツミレの味の方は、昨日分との比較になってしまうが全く別物と思ってしまうような仕上がりだった。茹でたてではないがツミレの中心部には薄っすらとピンク色で肉汁も残っている。それによって、しっとりとした歯触りと潤いのある食感が心地よい。味付け自体は大葉と薬研軟骨のアクセントは変わらないのだが、食感だけで全く別次元とツミレとなっていた。穂先メンマは変わらずの細裂きタイプで、控えめな味付けと誇張しすぎない歯応えが適度にアクセントとなってくれる。薬味はシンプルな青ネギが笹切りで添えてあり、切り口の潤いからも鮮度の良さが伝わってくる。塩系のスープの中でも香り穏やかに風味と、軽やかなシャキッとした食感を与えてくれる名脇役だ。さらには上質な海苔も塩系スープにも見事に合っていた。気が付けば、すでに丼の底が見えているくらいに完食完飲していた。スープを飲み干す際に、三つ葉や柚子皮で香りを足したくなるスープなにもかかわらず、敢えて余計な香りに逃げない道を選んだ店主さんのこだわりが心に刺さってスープを飲み干していた。最終的には昨日の醤油系で評価を下げる要因となった、味玉や豚肩ロースチャーシューを除外したのでマイナス材料は減ったが、個人的な主観だけを言えば醤油系の方が鶏油の脂質を感じずに済んだかとは思ってしまう。両日の自家製麺に関しては甲乙つけがたい仕上がりで好みが別れるところではあるが、どちらもハイレベルだったことは紛れもない事実だ。しかしながら食べ終えた後も謎が深まるばかりの新店なので、麺や具材の微調整を確認する再訪のために上野駅前のサウナに泊まる機会が増える事を予感させる一杯でした。
〝ニューオープン パトロール〟
前食の東武線の塚田駅から船橋駅まで戻ってくると、本日のメインイベントでもあるコチラでの連食のために駅構内でコーヒーを飲みながら腹が減るのを待った。
本日の連食先に決めていたのがコチラなのだが、実は昨日に初訪問を果たしており二日続けての訪問となるのだ。昨日は具材が私の好みと違っただけで評価が伸びなかったのだが、スープと麺の相性が非常に良かったので近々の再訪を固く望んでいたのだ。そこで本日は再訪ありきで船橋に前泊して、連食計画を立ててまでも食べたいと思えるこちらを目指した。
船橋駅の構内にて前食から二時間も過ぎると胃袋に空きスペースが出来てきたので、京成線を高砂駅で乗り継いで最寄りの京成立石駅へと向かった。あまり乗り慣れない京成線の上に、昨日とは違うルートになるので乗り換えを間違えないように注意しながら20分ほどで二日連続の立石駅に降り立った。ここまでくれば道に迷う事もなく店先に着いた。
昨日の訪問時に「6月中は昼の部のみの60食限定」となっていたので早じまいを心配していたが、昨日と同じ藍色の暖簾が掛かっており一安心して店内に入った。船橋からの移動の最中だけでなく、昨晩から塩ラーメンのデフォルトを食べようと心に決めておいたので迷う事なくボタンを押した。基本設定なのでトッピングが少なく、昨日の減点理由となった味玉は除く事ができた。
時間帯を遅くして訪れたせいか先客は少なく、好きな席へと案内されるとカウンターに腰を下ろして昨日同様に店内を観察する。本日も三人体制で回しているが、アイドルタイムを利用して明日分のスープの仕込みも並行して行われていた。奥のシンクでは冷凍ではない生の胴ガラの下処理の最中で、割り箸の先を使いながら肋骨間の血合いや肺などの灰汁となる不要な汚れを丁寧に取り除き洗い流している。その胴ガラ一羽あたりに3分近くも時間をかけて掃除された鶏ガラを見た時に、昨日のスープが透明感にあふれた美しすぎる姿にも納得ができた。
そんな表には表れない裏方の細やかな仕事ぶりの大切さを思いながら待っていると、着席して12分で我が杯が到着した。今回は先客のロットを待ってからの私だけのロットでの提供となった。混雑時ではなかったのでスープ張りから麺上げと盛り付けまでの全行程をご主人自らが担っていて、さらには配膳までも行られていた。そんな店主渾身のラーメンの姿は、白磁の鳴門丼の中で煌びやかな輝きを見せながら目の前に登場した。前日の醤油系と器こそ同じだが第一印象は大きく異なる景色を見せてくれ、昨日の経験値も先入観も脱ぎ去ってレンゲを手にとれた。
まずは明るい花葉色のスープをひとくち。非常にきめ細やかな粒子の鶏油が浮かんだ液面は、店内やスポットライトを乱反射してキラキラとまぶしく映える。ドットは細かいが、たっぷりと表層を覆った油膜を破るようにレンゲを沈めると更に粒子が分裂した。そんな鶏油も多く含んだスープを口にすると、レンゲの中のスープに対する鶏油のバランスが多すぎて油っぽさを感じてしまった。なので二口目はレンゲに浮かんだ油膜を息で吹き飛ばしてから、無垢の状態のスープを味わってみる。鶏油を除いた丸裸のスープは油膜の黄色みを失うと、本当の透明感だけが残っている。するとそこには純真な鶏出汁の旨みだけが詰め込まれていた。繊細でありながらも深みも兼ね備えたスープは清流と深海を併せ持つ、本来ならば共存するはずのない異世界が同居している。カエシの塩ダレも鶏出汁の旨みを引き立てる程度にアジャストされていて、飲み込んだ後の清涼感が心地良い。
再訪時の楽しみの一つの要素でもあった自家製麺は、本日分に限ってかもしれないが国内産の〝春よ恋〟を使った中細のストレート麺だった。
※ もちろん原材料の小麦粉を判別できる訳もないので券売機に貼られた説明書きで知りました
そんな高級銘柄の小麦粉に左右されないように気を引き締めて麺を持ち上げてみると、昨日よりは透明感の少ない麺肌には全粒粉のフスマが浮かび上がっている。麺上げまでは昨日と同じジャスト60秒で茹でられた麺は、箸先からでも強いハリやコシを感じられる。そんな見た目にも美しく美味そうな麺を一気にすすり込むと、切刃のエッジが鋭いキレのある口当たりを生み出している。ここまでは昨日の麺と大きな差はなかったが、明らかな違いが小麦の香り方から感じられた。本日の麺は非常に香り高くて、すすった瞬間から喉の奥に落ちていくまで気高い小麦の香りが持続していた。しかし奥歯を押し返すような弾力はなく、歯応えは弱くなっていた。店内には日清製粉の「荒武者」「麺無双」「筋斗雲 」などの外国産小麦の粉袋も置かれてあるので、日々違った小麦粉で麺を打っているのだろうか。そう思えば昨日の麺はもっちりとして外麦で打たれたような歯応えにも思える。スープによって麺を使い分けているようには見えなかったので、こちらの自家製麺は日々変化しているのだろう。これは益々再訪の機会が増えてしまいそうだ。いずれは、内麦特有の香りを残しながらも外麦の歯応えも感じられるような小麦粉のブレンド麺も味わえる日がやってきそうだ。
具材のチャーシューは鶏ムネ肉の低温調理が小ぶりながら二枚入っている。それは低温調理が何たるかを熟知した仕上がりとなっていて、レアと半ナマを履き違えた偽物とは大違いのチャーシューだ。塩気を抑えた薄味ながらも下味のソミュール液には清涼感のあるスパイスが利いているので味がボヤけるような事はなく、噛むたびに素材の旨みとマリネ液の味わいを楽しむ事ができた。
もう一つの肉部門の具材として鶏のツミレが醤油系と同じく入っている。今までレビューの中で何度か〝ツクネ〟と〝ツミレ〟の違いを説いてきたが、やはりラーメンの中に入るならば断固として〝ツミレ〟だと私は思う。それはさておき本題のツミレの味の方は、昨日分との比較になってしまうが全く別物と思ってしまうような仕上がりだった。茹でたてではないがツミレの中心部には薄っすらとピンク色で肉汁も残っている。それによって、しっとりとした歯触りと潤いのある食感が心地よい。味付け自体は大葉と薬研軟骨のアクセントは変わらないのだが、食感だけで全く別次元とツミレとなっていた。
穂先メンマは変わらずの細裂きタイプで、控えめな味付けと誇張しすぎない歯応えが適度にアクセントとなってくれる。
薬味はシンプルな青ネギが笹切りで添えてあり、切り口の潤いからも鮮度の良さが伝わってくる。塩系のスープの中でも香り穏やかに風味と、軽やかなシャキッとした食感を与えてくれる名脇役だ。さらには上質な海苔も塩系スープにも見事に合っていた。
気が付けば、すでに丼の底が見えているくらいに完食完飲していた。スープを飲み干す際に、三つ葉や柚子皮で香りを足したくなるスープなにもかかわらず、敢えて余計な香りに逃げない道を選んだ店主さんのこだわりが心に刺さってスープを飲み干していた。
最終的には昨日の醤油系で評価を下げる要因となった、味玉や豚肩ロースチャーシューを除外したのでマイナス材料は減ったが、個人的な主観だけを言えば醤油系の方が鶏油の脂質を感じずに済んだかとは思ってしまう。
両日の自家製麺に関しては甲乙つけがたい仕上がりで好みが別れるところではあるが、どちらもハイレベルだったことは紛れもない事実だ。
しかしながら食べ終えた後も謎が深まるばかりの新店なので、麺や具材の微調整を確認する再訪のために上野駅前のサウナに泊まる機会が増える事を予感させる一杯でした。