なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 

「煮干しそば 並 ¥780+味玉 ¥100」@麺屋 ひな多の写真平日 晴天 10:50 待ちなし 後待ち4名 後客4名

〝ウイークポイント強化ウィーク〟

本日も継続中のニボ耐性強化週間のためにRDBと向き合う。少しずつではあるが不得手な煮干系への耐性が上がってきたと自負しているが、まだ濃厚なタイプに挑む勇気はなく淡麗そうなラーメンを中心に検索をかける。

全国ランキングの煮干し部門を上位から見てみると、いつのまにかほとんどの上位店をクリアしていた。それにもかかわらず未だに上がらない自身の耐性に業を煮やしながら検索を進めていると私の勉強不足だが、あまり目にしない店名のこちらが第21位にランクインしていた。

お店情報をみると公共交通機関ユーザーにはアクセスが困難そうだが初訪問を決めた。11時開店前の現着を目指すために午前9時には自宅を出る。最終的にはバスルートになるが、ひとまず埼京線にて赤羽を経由して高崎線で北上するとバスに乗り継ぐ鴻巣駅に着いた。この駅も人生初の上陸となるがシネコンもあるショッピングモールが併設された大きな駅に驚いた。

東口のバス乗り場からは、これまた初めて乗車する朝日バスにて目的地を目指す。のんびりとした車内で揺られること10分もせずに最寄りの「川面火の見下」いうジブリ作品に出てきそうな名前のバス停に着いた。すると目の前には「こだわりラーメン」と書かれた黄色い看板があり、すぐに目的地だと分かった。

開店10分前の現着でも行列はなく先頭にて待機する。すると店員さんの案内で、寒さと強風をしのげる待合室での待機となった。北海道の住宅によくある外玄関と内玄関の間の三角のスペースに待ち席を設けた待合室にも店内から煮干しの香りが漂ってくる。ここで煮干し香のシャワーを浴びながら待っている定刻通りにオープンとなった。

店内の券売機にて迷うことなく一番優しそうな基本のお題と味玉を発券してカウンターに座り店内を見渡す。郊外店らしいお座敷席もあるアットホームでハートフルな店内を三人体制で回している。親子のようにも見えるが、馴れ合った感のない律儀な姿で働かれているので親子ではなくも見られる。奥様とのやり取りを聞いていると本日の客層も常連方が多いようだ。三人の連携も見事で、一部の隙もないほどの仕事ぶりは見ていて気持ちが良い。

そんな心地よさの中で待つこと8分ほどで第1ロットにて我が杯が到着した。その姿は粉引きの高台丼の中で大人しい和風美人な表情で現れた。器を含めて日本蕎麦を思わせる容姿に自分が注文したのが煮干しそばだという事を忘れてしまいそうなほどだ。見慣れない姿ではあるが素朴で懐かくもあるラーメンに気持ちは高まる。

まずはスープをひとくち。丼の形状上でスープの液面からは麺が浮いているので、レンゲで麺を押し込むようにしてスープをすくって口に含む。第一印象は香味油のオイリーな口当たりだ。瞬時に唇と口内に油膜が張られ潤滑油のスタンバイはOKだ。煮干しの風味はあるが苦味やエグ味で表現されたのではなく、煮干しの旨みを上品に抽出してある。液面にも煮干し特有の水泡が見られないので香味油に移してあるのだろうか。店内の大きく書き出されたウンチクにも数種類の地鶏の出汁とある通りにベースは鶏ガラ主体の動物系の土台が背負っている。カエシの醤油ダレもスープのバランスを壊さず輪郭だけを付ける程度で尖った要素は何一つない。もちろん非天然由来の旨味成分などは一切感じず、穏やかで毎日でも欲するスープだ。

麺は自家製とあるが太さや加水率はスープによって使い分けられているようだ。基本の煮干しそばには稲庭うどんのような断面が楕円形の中部と平打ち麺が使用されている。煮干し系イコール、低加水中細麺のイメージがあるがこちらの麺のチョイスにも驚いた。麺肌にはフスマが見られる全粒粉入りのようで、箸で持ち上げると少し重ための加水率の高さが伝わってくる。いざ口へと運ぶとツルツルした麺肌で中心部はもっちりとした歯応えがある。ストレートな形状も手伝って、啜るたびに香味油を引き寄せて滑り込んでくる。そしてキッチリと咀嚼に応えてくれ噛みつぶされた麺は内麦ならではの甘みを放つ。スープとの相性も不思議に思えたが、ただ経験が無いだけで好印象だった。

具材はチャーシューが二種類で、鶏ムネ肉は低温調理のレアチャーシュー。淡白にならないように下味のソミュール液にスパイスが利かせてあり、しっとりとした食感と力強い風味で食べ応えがある。軽く炙られて香味もあるので、生っぽいだけの味気ないレアチャーシューとは別次元の旨さ。一方の豚バラロースト焼豚にも炙りが施され香ばしさがアクセントになっている。控えめな下味だが脂身の少ない部分だったので不快な脂っぽさもなく美味しく食べられた。

追加した味玉は薄っすらと漬けダレの薄化粧だが黄身の熟成はかなり進んでいた。塩分による浸透圧で余分な水分が抜けた黄身は、密度の濃いゲル化を見せる。しかし塩気は最小限に抑えてあるので飛び抜けた印象は与えず、口直しの役割をも果たしている。またしっかりと温め直された一仕事も素晴らしい。

メンマは太さの不揃いな板状メンマで柔らか仕上げ。歯応えよりも、ほどける繊維と麻竹の発酵臭を楽しむタイプ。こちらも味付けは控えた目で、あくまで脇役に徹する。

薬味は青ねぎが小口切りで添えてあり田舎ねぎのような荒々しさは良いのだが、乾燥した切り口の粗い食感には今ひとつ馴染めなかった。かたや、玉ねぎアッシェは辛味を適度に抜いてあり下処理の丁寧さが出て、薬味としての香味を与えてくれていた。三つ葉は葉先だけが彩り要員として添えてあったが、この繊細なスープには程よい香りだった。もし茎の部分が大量にある入っていたなら出汁の香りや旨みを壊しかねないだろう。海苔は見た目で少し劣化の始まりを感じる。やはり香りもなく口溶けも悪く保存状態が気になった。

一部に不満はあったがスープと麺のコンビに魅了されて一気に食べ終えていた。最後にスープを飲み干す頃には、麺に持ち上げられて姿が見えなくなった香味油の浮いてないスープは、煮干しそばと言うよりは鶏清湯スープのようになっていた。やはり煮干しの香りは香味油に含まれていたのだろうか。

食べ終えて周囲を見るとカウンターは満席となったいた。帰りのバスまで20分以上もあったので店内で暖まっていたかったが、そうもいかず次客に席を譲った。ひと駅でも先へ進もうと次のバス停まで歩いたが、田んぼに囲まれた平野に吹き下ろす空っ風に飛ばされそうになりながらも再訪の事を考えていた。これならば次回は濃厚に挑戦できるかもと自身の成長を感じながら連食先の大宮駅へと向かう一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

まだコメントがありません。