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2024年1月25日の大崎裕史の今日の一杯

東京都大田区下丸子

もちもち雲呑中華そば(1150円)

2023年1月22日オープン。
以前は不動前で週二日の間借り営業。
学芸大学で人気の「びぎ屋」出身。(3年ほど在籍、限定なども担当)
店名は女将さんの名前「奈津子」と「びぎ屋」から。
細部まで気を使う店主のこだわりラーメン。旨味と愛情がたっぷり詰まった中華そば。
とにかく、トッピングの葱一つとってもすべてがおいしい。隙が無い。

麺は菅野製麺所。低加水で全粒粉入りの細麺。麺とスープの相性もいい。
2種類のチャーシュー、濃い色の手裂きメンマ、「もち姫」使用のもっちもち雲呑、程よい温度の清湯スープ、どれも私好み。雲呑のもちもち度は前より上がった印象。必須のトッピング。でも作るの大変そう。

とにかく何から何までおいしくて完食完飲。
スープまで飲み干したのに、食後、やたらとお腹が空き、身体が「もっとくれ〜」と言ってるような、身体が欲するラーメン。頭でよりも身体が欲するラーメンはなかなかない。

ややもすると「スープがぬるい」と書かれそうな温度だが、でも、これは和風出汁の香りや味を最大限楽しんでいただけるように店主が気を使った温度。丼や味玉、チャーシューを温めたり、温められるのはすべて温め、それでもスープは沸騰させない気配り。

「多賀野」や「こうかいぼう」のような二人三脚を感じさせてくれる名コンビ。店主の顔も見えるようになったし、女将さんの接客も相変わらずサイコー。お腹も心も満たされるお店にはそんなに巡り会えないので貴重な一軒。女将のナツコさんは西永福の「草むら」を食べて育っており、スープのバランスには口出ししているに違いない(私の勝手な推測(笑))。

間借り時代と比べて「自分たちの店」になったことが二人の表情や声にも現れており、こちらまで嬉しくなってくる。もちろん味だってパワーアップしている。水はπウォーターに替えて出汁も出やすくなったようだ。

好きすぎて週に2〜3回くらい食べたいが、他の人にも食べてもらいたいので自粛しよう(笑)。

今年のベスト3が1月に出ちゃった。そんな感じ。
並ぶけど、めちゃウマ。並んででも食べたい中華そば。

この日の並びはだいたい一時間くらい。10分早開けが大変助かった。13時頃だと並びも少し短くなるようだが、売り切れメニューも出てくるので要注意。この日、我慢したカレーは店主の実家(洋食店)譲りのレシピで玉ねぎをたっぷり使った甘味のあるもの。次回は必ず食べなきゃ。

たくさんの人に食べて欲しいけど、行列が今以上に長くなるのもツラいし、近所迷惑になりかねない。なんとも悩ましい。ネット予約や記帳制はなんだかこのお店には似合わない。でも、いつかは使わざるを得ない日が来るのかも?

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。