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2023年3月7日の大崎裕史の今日の一杯

東京都品川区不動前

奈つやの中華そば+雲呑+味玉

奈つやの中華そば@不動前(株式会社シェアレストラン利用の間借り)

2023年2月24日オープン。木曜金曜の昼のみ、とハードルが高いが素晴らしくおいしいので早く路面店を出して欲しい。

数日前に移転した「穂ころび」(本郷三丁目)に行ってきたばかりが、そこが前に入っていた場所。
この場所を使った間借りラーメン店は、のちに人気になる、なんていう運気のいい場所になったら面白い。

「穂ころび」は「八雲」(池尻大橋)出身だったが、今度は「びぎ屋」(学芸大学)出身と名店出身が続く。「びぎ屋」では3年くらいいたそうで、限定なども担当し、名店の名を守っていた職人さん。

「奈つや」という気になる屋号について聞いてみたら、微笑ましい回答が返ってきた。
奥様になる彼女(お店のホール担当)の名前から取ったそう。独立の後押しをしてくれた感謝の気持ちだそう。(ひゅ〜ひゅ〜)
「奈つや」の“や”は「びぎ屋」の“や”だそうで、修業先にも敬意を表している。
Twitterを見ると「Twitter担当に任命されました、奈つやのナツコです」と書いてある。Twitter投稿も温かい。
「奈つやのナツコ」さんは「多賀野のタカコ」さんを尊敬しており、そんな風に認識されることを目指しているそう。

メニューは「奈つやの中華そば」850円のみ。
トッピングに雲呑、味玉、海苔がある。この雲呑がスゴいのでまずは雲呑入りで注文することをオススメしたい。

出てきた中華そばのビジュアルを見て、そしてスープを一口飲んで完食完飲を確信。
待っている間に見たメニューには「煮干しと節をたっぷり使用した」と書いてあったのでアニマルオフかと思ったら、飲んでみるとスープが分厚く、豚鶏も使ってますよね?と聞くと『丸鶏、ガラ、ゲンコツ、モミジなどを使用。動物を下支えにして、背黒白口うるめさば等をブレンド』とのこと。そしておそらく無化調。それでいてこのふくよかな旨味には驚きを隠せない。二日かけてスープを作っているそう。それで木金のみの営業なのかも?

麺は菅野製麺所製。このスープにはこの麺だろう、というくらいのマッチング。菅野製麺所も最近はホントいろんな麺を持っているので、その中から選んだのか、特注なのか、実に相性がよかった。
トッピングでは、手で裂いているためランダムな太さのメンマがいい!色も素敵。次回はメンマ増しにしたいけど、残念ながらメニューには無い。
チャーシューは2種類でこちらも次回はチャーシューメンにしたいくらいのおいしさ。(これまたメニューには無い)

そして極めつけは雲呑。話題の小麦粉『もち姫』を使った自家製で、朝から店主自ら作り上げたもの。人気になってたくさん出るようになったら量産できるのかな?と心配してしまうほど、この雲呑はスゴい。『もち姫』はでん粉中にアミロースを含まない小麦粉で加熱により、もちもち感が出てくる。この小麦粉を使った麺を初めて食べたときの感動と衝撃が蘇った。ここまで『もち姫』を効果的に使った雲呑は業界初なのでは?それくらいビックリした。まさに新感覚のモチモチ雲呑。逆に他の雲呑に慣れすぎている人は「ナニコレ?」と思ってしまうくらいの個性がある。私は好きすぎて次回はダブルで入れたいくらいだが、『スープとのバランスが崩れるのと、仕込みが大変なので』とダメらしい。生姜も効いているのも心地良い。

路面店を出すための資金稼ぎもあるだろうから、すぐには難しいだろうが、店を持ったときの一杯を早く食べてみたい。
なお、丁寧に2杯ずつ作っているので、提供までの時間がかかるためそれを考慮して行って欲しい。

お店データ

奈つやの中華そば

奈つやの中華そば

東京都品川区西五反田5-1-20 アスペンプラザ2F(不動前)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。