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2021年3月17日の大崎裕史の今日の一杯

東京都港区乃木坂

ラーメン

東京に博多豚骨ラーメンを持ち込んだ先駆者の「赤のれん」(西麻布)の創業は1978年。もう43年になる。
修業先は博多の「赤のれん」(創業は1946年(昭和21年))。博多でもレジェンドであり、屋台からスタート。箱崎に店を構えるがその後、閉店。その流れは今では三代目が店を任されている天神の人気店「 元祖赤のれん 節ちゃんラーメン 天神本店」に継がれている、という系譜である。
年季の入ったラーメン好きは西麻布で何度も食べているはず。そんな「赤のれん西麻布本店」創業者の弟さんが30年間働いた「赤のれん」を辞めて独立し、よりによって同じ西麻布に出店するなんて!
2021年2月1日オープン。店名は「赤のれん東京」。

創業者は亡くなっていたので「本店は継がなかったのですか?」
と聞いたら、
「そりゃ向こうにも(兄にも)家族があり、子供も居るからな〜。いくら弟だからと言ってもそう簡単にはいかないわけだよ。」
テレビのワイドショーで特集が組まれそうなニオイがする。ちょっと豚骨臭いかも。

しかしまぁ、本店とは違って今風のオシャレなお店を作ったもんだ。外観だけではそこにラーメン店があるとはわからない。暖簾もなければ大きな看板も無い。他に資本を出したオーナーがいるのかな?店主である弟さんは私よりも人生の先輩だと思うが、こんな大勝負をするだろうか?というくらいのステキなお店。本店は「肩寄せ合って屋台の雰囲気で」という味のある狭さだが、こちらはソーシャルディスタンスも考えたのか?というくらいの余裕ある空間。

味の方は基本同じだと思うが、豚骨はお客様が来てガンガン炊き出してこその豚骨スープ。まだ知られてなく、17時半とはいえ、先客後客なしだとなかなかいい豚骨スープも炊き出せないのかもしれない。若干上品な感じがした。オシャレな店ゆえにそうしたのかもしれない。

会計時に「独立されて、自分の好きな味に変えたりするんですか?」と聞いたら面白い答えが返ってきた。
本店と丸ビルには書いてあるけど、
『変えてはならない「本物の味」を大切に
 変えるべきを変えてまいります』
という「赤のれん」の考え方は私と兄で考えた言葉なんだ。
だから常連さんもいるし、本物の味は変えていかない。
でも、このように店の雰囲気とか若い連中の心の持ちようとかは
変えていかなきゃならない。
ステキな言葉ですね。

博多にはなく、西麻布本店で人気の水餃子はもちろん提供。食べ忘れたので次回はぜひラーメンと合わせて食べたい。

お店データ

赤のれん東京

赤のれん東京

東京都港区西麻布1-10-15(乃木坂)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。