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2025年8月1日の大崎裕史の今日の一杯

東京都渋谷区笹塚

黒豚豚骨らーめん(980円)

2025年7月10日オープン。
「江戸屋」という店名がまさか「鹿児島の70年の歴史がある老舗」とわかる人は都内には少ないだろう。(私も知らなかった)
鹿児島の現存する主な老舗は「のり一」(1949年創業)、「こむらさき」(1950年創業)、「ざぼんラーメン」(1952年創業:食堂としては1946年創業)など。最初のラーメン店としては「のぼる屋」(1947年創業:一度閉店し、経営が変わって再開)と言われている。これらのお店は全部鹿児島市にあるが、今回登場する「江戸屋」は肝付町にあり、1950年代に創業したらしい。鹿児島県全体でもかなり古い方だ。ちなみに同じ肝付町にラーメン王の佐々木さんが絶賛する「マツワキ食堂」(創業50年近い)があるが、そこの店主は、この「江戸屋」で修業している。
そしてこのお店は、「江戸屋」創業者のお孫さんが店主(店長)。公式インスタを見るとこのように書いてあるのが胸熱だ。
『戦後の鹿児島。祖母が鉄鍋で炊き上げた黒豚と鶏のスープは、「腹いっぱい食わせたい」という想いから始まりました。その想いを、70年経った今、東京・笹塚で受け継ぎ、毎朝、ひと釜ひと釜、火を入れています。』
ところが、公式インスタでは「江戸“家”」と書かれている。このあたりを店主(店長)に確認したかったのだが私と入れ違いでどこかに行ってしまった。(残念)
「麺りあん」というのは、前にここにあったお店で甲州街道に移転。その場所で昼に「江戸屋」のラーメン、夜は鉄板焼きなどの麺酒処になる。〆ラーメンとして22時以降10食限定で用意してるとのこと。
メニューは黒豚豚骨らーめん980円のみ。他にご飯220円、替え玉220円、豚丼440円など。
もちろん黒豚豚骨らーめんを注文。後会計制。
豚骨鶏ガラのあっさり白濁スープに鹿児島特有の甘めの醤油ダレ、ユニークなのは胡麻油が入っていること。具は甘辛く煮た三枚肉、きくらげ、もやし、青ネギ。麺は地元からではなく、都内の三河屋製麺製、中細麺。鹿児島市から100km以上離れた肝付町に同様の鹿児島ラーメンが存在していることがスゴく興味深い。近くの志布志市や鹿屋市は意外と違うラーメンが存在している。
実にご当地ラーメンっぽいラーメンで全国食べ歩きしている人には面白い一杯と言えよう。都内には数少ない鹿児島ラーメンの登場ということになる。
そうそう、鹿児島らしく漬物が出るのもいい。

お店データ

麺りあんby江戸屋

麺りあんby江戸屋

東京都渋谷区笹塚2-10-6 丸井ストアービル1F(笹塚)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。